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「いってきまーす!」


俺は朝早くから松代高校に向かっていた。


 いつもとは違いバットケースとグローブを持ちジャージを着ていた。ユニフォームはまだ貰ってないし、先輩達も動きやすければユニフォームじゃなくても良いと言ってくれたからだ。


 家から学校までは5分もかからない近さだからそこまでかからず学校に着いた。自転車を止めようと思い駐輪場に行ったところ駒井さんがいた。


「おはよう、こんな朝早くからどうしたの?」


 中学の頃は見た目から恐れられ話とかも出来なかったが、高校デビューに成功(?)してから色々な人と話すように努力をしている零は個人的に話しやすい駒井さんには普通に話しかけられた。


「あ、おはようございます、今から吹奏楽の朝練なんですよ!昨日見学に行ったら練習に来ていいって言われて、自分の楽器持ってきちゃいました」


 駒井さんは嬉しそうにハニカミながら教えてくれた。


「一条君は野球部の朝練ですか?自己紹介の時に野球してるって仰ってましたもんね」


「そうそう、同じクラスに良二ってやつがいるだろ?あいつが誘ってくれて高校の間は本気でやってみようかなって」


「素敵なことですね!じゃあ、一条君が甲子園に行ったら近くで私応援できますね!」


 零はビックリした。駒井さんは純粋な気持ちで応援したいと言ったのだろうが、自分にとっては某有名な漫画が思い出されて恋人的なアレに感じてしまったのだ。


「う、うん、頑張るね!駒井さんも吹奏楽頑張って!」


零は逃げるようにグラウンドに向かった。


そう、零はチキンなのである!!!!!!!


 場所は変わってグラウンド前フェンス裏では良二がいた。


「おはよう!」


「お!零じゃんおはよう!」


「おー。良二はユニフォームなんだな、何か手伝うことあるか?」


「うん、中学のクラブの時のやつだぜ。いや、ここでは一年が全部やらとかはなくて、自分のことは自分でやる精神だから大丈夫だ、何かあったら手伝うけどな!」


 「なるほどな、俺まだまだ知らないことだらけだな」


「気にすることないさ!俺がその間助けるしな」


 とりあえず俺たちはグラウンドの走り込みから始めてキャッチボールをする事にした。そつなく良二とこなしていると他の部員も集まってきて各々練習のアップを始めた。本当に自主自立を肝にしているようで一年にアレやれコレやれとは言わないようだ。


「おっし、零今日の朝練は投げるか?打つか?守備は放課後にまとまってやるらしいからどっちかになるけど」


「なら今日はバッティングしてみようかな」


 「よし、ならネットのところに行こうぜ、あそこなら飛距離もあるし外に流れたりもしないから安全だ」

そう言って良二に案内されながら俺はバットケースを持って移動する。


「零はバッティング得意?狙うならヒット?ホームラン?」


「んー、俺はそこまで考えてやった事がないからなあ、たまにバッセンで打ったりするくらいで基本的には遠くに飛ばす事を考えてる。」


 そう、零は自宅で練習する事がほとんどでたまに父親に連れられて一緒にバッセンに行くくらいなのである。


「なるほどね、ならウチにはピッチングマシーンあるし丁度いいかも」


そう言いながら良二は機械を用意してくれる。


「んじゃいくよー」


ストレート カーブ スライダーと一通り投げられるマシーンは新鮮で楽しかった。


「おー結構飛ばすね、これなら普通のバッターとしてもカウントできそうで楽だな」


良二はすでに打順の事などを考え始めていた。


「んじゃ、そろそろ上がって教室行こうぜ」


零はそう声をかけて二人で片付けをして放課後まで高校生をした。(作者の適当表現)


放課後も放課後とて練習を、しようとしたところ新しい一年生が二人来ていた。


一人はショート 大国拓人


もう一人は鳥沢綾人 右の速球系ピッチャー兼強打者。


二人とも経験者で有名な人らしい。


「お、やっと二人とも来てくれたんだ!」


良二が嬉しそうに声をかける。


「おう、色々落ち着いたからな約束通り来てやったぞ」


荒々しい見た目に違わず男らしい声で話しているのはピッチャーの鳥沢。


「僕も忘れないでよ、ちゃんと三人でやるために勉強したんだからね」


こちらはちっちゃ可愛い系のショタっ子拓人君。


「うんうん、二人ともありがとうな。そういえば掘り出し物拾ったんだよ!こちら、一条零君独学ピッチャーでコントロール抜群で変化球お化け、ポテンシャルはエース級だよ、というかこれからは先発零クローザー兼中継ぎを綾人かな」


え?経験者の綾人君より俺を先発に使うのか???それが顔に出ていたようで綾人君が声かけてくる。


「あぁ、気にすんな、俺はピッチャーとしてのスタミナが微妙でなあ。むしろ、外野として活躍したいんだ。零だっけ、よろしくな!俺は鳥沢綾人、綾人でいいぜ!」


「僕はたくくんでいいよー!君の背中は僕が守ってあげる!」


拓人、拓君は綾人の横から声を被せてきた。

「ああ!よろしくな!初心者だから二人が同期にいると安心だよ!」


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