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 午前の試合を終えて昼休憩に入る。昼からの試合は出ていない一二年生と寺脇先輩と綾人が良二と組む練習だ。俺は外野の経験を積む為にライトスタート。


 主将に粘ったがダメの一点張りで今日はピッチャーができない。それでも試合には出してもらえるのだからありがたい限りではある。


 昼ごはんはそれぞれコンビニに行くやつや弁当を食べるやつなど別れて行動している。俺は元々もみんなと食べるつもりだったから弁当を俺の分だけ用意してもらっている。


 良二と綾人と拓くんと俺でご飯を食べ終わり日陰で喋っていると近所の野球好きのおじさん達が声をかけてくれたりしてくる。


 みんなノーノーをやってのけたことを褒めて水やら飴やらなんやかんや餌付けしてもらえてホクホクである。


 「じゃあ2試合目もよろしく!」


「寺脇先輩のピッチングにも期待してます」


 俺たちは今回先攻である。俺が1番良二が2番寺脇先輩が3番綾人が4番という上位打線である。


 相手の投手は左投げのオーソドックスな投手だ。まだまだ体も出来上がっておらずストレートとスライダー、たまにカーブくらいの緒方先輩劣化版のような人だ。違うのはストレートが主体という所だろう。


 俺たちは遠慮なくヒットの連打を浴びせ初回に2点を挙げた。しかし、そううまく行くこともなく寺脇先輩のピッチングでもガンガンに打たれていく。


 同じ左投手だから打ちやすいのかはわからないが結構いい当たりが多い。6番まで引っ張ったが得点は与えずに終わる。


 良二と寺脇先輩は戻る時に何か話していたようだが気にせずに任せる。


 2.3回と特に変化はなく抑えていくなか、4回目に捕まった。相手の上位打線が寺脇先輩を狙って揺さぶりやファール打ちをしてきたのだ。


 寺脇先輩は可もなく不可もなしというピッチングで良二のリードも相まってよく抑えていたが、唯一の弱点投手としてのスタミナ不足を突かれた。


 ここで1アウト満塁のピンチである。レフトの綾人と交代するようだ。寺脇先輩はすまなそうに綾人にボールを託す。綾人はそんなの気にしないでくださいという表情をしながらマウンドに上がる。


 ガタイもよくいいあたりを連発する綾人がマウンドに上がったことで相手は警戒を強めたようだ。正直にいうと寺脇先輩と綾人の球速差から1巡はストレートだけで余裕だと思う。


 良二もそう考えていたのかストレートの4分割でバッターをどんどん打ち取っていく。

そして4.5.6と打者1巡を抑えた後綾人は今練習中のカットとツーシーム、それにチェンジアップを多投する。カットとツーシームに関してはボール一個ぶんほど曲がる為芯を外すのに大きな貢献をしている。


 変化の始まりは早いが球速も相まってうまく成立しているようだ。そしてチェンジアップが繰り出されるともうダメだな。綾人の140前半のストレートと125キロ台のチェンジアップは数値以上の大きな差に見えるのだろう。


 誰も彼もが変な体勢でからぶっている。そのまま7.8.9も抑え試合終了。終わってみれば一.二試合目ともに相手を0点に抑えたまま勝った。

 

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