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 4.5.6番と2球3球3球と省エネピッチングで乗り越えていく。今日はカットボールが面白いように成功して高速シンカーcが綺麗にハマる。


 うちの打線もうまくスライダーを打ちに行き相手を苛立たせる。いつものようにスライダーで組み立てができない為コントロールが荒くなりボール球が増えて負担が嵩んでいく。四回あたりが勝負だな。多分このペースだと大分スタミナを削っていける。


 そして、三回表7.8.9を打ち取り俺の打席になる。今回は狙えそうなら大きいのを狙ってみたいと思っている。スライダーが投げられずにストレートを多投し始めていて狙いやすいのだ。


 正直ストレートだけなら海堂の方がパワーもスピードもあった。あの球を経験した後だと他のストレートがあまり脅威に感じられない。まあ、その弊害として自分のストレートにも自信がなくなりそうなのだが。


 相手は初っ端からストレートを投げてカーブ ボール球 ストレートと投げる。これでツーストライク ツーボール。多分次はチェンジアップかスライダーだな。どちらもファールにできる。


 やはり、投げてきたのはスライダーである。キレのあるいい球だがなんとかカットにする。拓君みたいに演技せずとも本当になんとかだ。


 相手はここで投げる球がストレートかチェンジアップになる。どうするかな。投げてきたのはアウトローのストレート。


 俺はいつも通りの体の捻りをバットに伝えて下から掬い上げるアッパースイング気味にバットを振る。


 甲高い音を立ててセンターとレフトの間を抜けて奥まで転がる。俺はそれを横目にツーベースまで走り抜ける。


 みんなによくやったと声をかけられながらプロテクターを外して渡す。次の打席は1番に戻って拓君だ。多分拓君ならこの状況を利用してスライダー狙いからストレート狙いに変えるだろう。ストレートが投げられたら走ってみるかな。


 初球から緒方さんはストレートを投げる。しかし、拓君はやはりそれを狙っていたようでショートの頭を越えるライナーを打つ。


 俺はストレートを投げていた瞬間に走り出している。その勢いのままホームを狙い滑り込む必要もなくホームを踏む。これで3点目。今日の調子なら余程のことがない限り負けないだろうな。


 この後は特に変化もなく淡々と試合が進んでいく。緒方さんは六回途中まで頑張ったがボールに急に力がなくなり控え投手にマウンドを譲る。


 俺は今日1本もヒットを打たれることなく抑え込めてる。ノーヒットノーランかもしれないと周りがザワザワし始めている。そう考えていると良二がマウンドへ寄ってくる。


「どうする?このままなら非公式ながらノーノーだぞ。今から二試合目にやる予定だったピッチング練習に変えてノーノー目指すのはどうだ?」


「んー、それでもいいけどやっぱ二試合目は出れなさそうかなあ。炎上した時の中継ぎ運用してもらえるように一緒に頼んでくれよ。」


「わかったわかった。本当にピッチャーらしくなってきたよ。零は。」


良二は、苦笑しながらもマスクを被り直す。


「頼むぜ相棒。」


 グローブを合わせて定位置に戻る。7.8.9回は省エネ方から全部三振を取るための配球に変える。スローカーブとスラーブ、ストレートとチェンジアップを中心にボールに当てさせすらしない。7.8と連続6奪三振を続ける。


 そして九回目このままピッチングを変えずとも対応できそうだが良二が安パイをとってシンカーA.Bを使おうとする。しかし俺はそれなら打たれてもいいと首を振る。そして決めた球は練習しているナックルを要求してきた。やけくそではないだろうが嫌がらせも少しは含んでいそうだなと苦笑して言われた通りに投げる。


 俺はすっぽ抜けにもみえるナックルを投じる。相手は完璧にタイミングを壊されて不可解な変化をするナックルに当てることもできず三振になる。これで9連続奪三振だ。


 これで俺は九回72球9奪三振0安打0失策

の勝利投手となった。


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