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 父さんに送ってもらった後二人で部室入りをする。割と早めに来たつもりだが主将や白松先輩 寺脇先輩 菊田先輩 松柳先輩など、今日のスタメンの先輩が揃っていた。


「おはようございます!主将すいません!遅れましたか?」


「ん?ああ、気にしないでいいよ。僕たちが勝手に来たらみんな集まっていただけだからね。」


「そうだそうだ!みんな今日が待ちきれなくて集まっちまったんだよ!今日は俺のホームランが出まくる日だからな!」


「あたればな、当たれば。」


「菊田先輩はそうやってまた大輝を煽るんですから。」


「松柳もそういいながら大輝のことよく弄るじゃないか〜。」


寺脇先輩が松柳先輩と談笑をしており部室の空気は和やかである。


「そういえば拓と綾人は既にバッティング練習しにいっていたから呼びにいってくれるか?せっかく集まったんだし一応もう一度ミーティングをしようと思ってね。」


「わかりました!呼んできますね!」


俺と良二はバッティングネットが設置された場所に向かう。


「おーい!二人とも!ミーティングするから集まれってさ!」


「おはよー!ありがとう!今行くね!」


「おっす!今日も頼むぜ零!」


4人でささっとボールを片付けて部室に戻る。


「では、ミーティングを始めるか。といっても確認することは少ないがな。相手のピッチャー緒方についてだが2.3年は何度もやり合ってるし大丈夫だよな。フィールディングがあんまり上手くないから足があるやつはどんどん引っかけにいこう。」


「あ、皆さんご存知かもしれませんが緒方さんのピッチングの主体はストレートにみせかけてのスライダーです。決め球に持ってくる印象が強いですがどちらかというとスライダーを印象つけてのカーブやチェンジアップでタイミングを外します。特に2ストライクの後のカーブ率は高いです。」


「なるほどな!良二はよく見てるな!俺はそんなこと考えたことないから助かるわい!狙えそうならホームランにしてやるぞ!」


「たしかに、白松先輩のパワーなら持っていけると思います!」


その良二の言葉に気を良くしたのかガハハハと笑い声を白松先輩はあげる。


「よし、次にだが、うちの打順の機能を確認しよう。まずは巧打者の拓で出塁もしくは球数を嵩ませる。そこに良二のバッティングで後押しだ。ここは出塁よりも球数を放らせてくれ。そして大輝か俺で拓を返す。大輝はいつも通り自分のバッティングを貫けばいい。最近は良二のおかげで打率も上がってきてるだろ。最悪大輝がダメでも俺が4番としてしっかり返す。」


呼ばれた3人が頷く。


「その後の綾人はバッティングセンスを買っての起用だ。俺と白松が抜けた後の4番だよろしく頼むぞ。誠治 健吾 久光は先輩として後を支えてやれ。お前らは器用だしできるならバントとかで揺さぶってくれ。零は、1年試合で見てる限りバッティングセンスが高いと思うが一応ピッチャーだし最後だ。狙えそうなら好きなように打っていいが球数は使わせなくていい。体力を温存してくれ。」


主将はなんやかんや、よく考えてくれている。みんなにやる気が出る言葉を与えて具体的な指示も出ている。それに相手のことをよく知っているみたいだ。


「さて、次は相手打者についてだな。俺は特に気をつけることは思い浮かばないがみんなはどうだ?」


「僕も特にはないかな、零くんの実力なら余裕で抑えられるはずだよ。それに飛んできても僕と拓くんで外野に飛ぶ玉以外は通さないしね。」


「そうそう、それに飛んできても大輝と綾人と俺で取ってやるよ!俺が言うのもなんだが、ちゃんとした投手がいればこのチームは強い。」


「ま、だからといってお前に全部背負わせるわけじゃない。野手は主将である俺がまとめてやるから零は良二と打者だけに集中すればいい。打たれたら後は俺らの責任だからな。気にするな。」


なんやかんやみんな優しいのだ。俺が気にしすぎないように優しい言葉をかけてくれる。


「はい!気負い過ぎずに程よい緊張感で投げます!皆さん後ろはよろしくお願いします。」


俺はそういって頭を下げる。その後はどこどこのお店がいいやこの新作が美味しいなど他愛もない話をしてから軽く守備練をして松代工業到着まで過ごした。

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