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これからは火曜 [木曜] 土曜の更新になります。一応ストックはあるのですが作者都合により更新頻度を変更していただきます
今週の土曜は松代工業との練習試合しかも、家族で見にくる。やだなあ、とたらたら考えて授業を受けていたところ土曜日に模試があるらしい。
センターへ向けての勉強がすでに始まるあたりやはり、進学校を名乗るだけのことはあるなとおもいながらも、理数科だけということなのだからめんどくさい。
こういう場合はどうするんだろうと考えていたら、先生が金曜日の放課後にテストを受けて土曜は学校に寄らずに松代工業にむかうなら許可すると言ってくれたのでその通りにする。
「良二〜、お前金曜のテストの後うちに来るか、土曜の朝早めにくるか?」
「え?なんで?」
「俺らは金曜日練習できずに練習試合だろ、バッテリーなんだし、うちの室内練習場で調整だけでもどうかなと。」
「あー、なるほどな。ならその日の調子も見たいから土曜の朝でいいか?」
「わかった!」
俺は、土曜日練習試合があるから元々お寺に朝いけないと伝えていて余った時間を有効活用することにした。あとは、良二とも決めることだが、どのような配球でいくか自分でも一応考えておくべきだろう。
いくら良二がキャッチャーだからといってもピッチャーが何も考えずに責任放棄するのは違うと思う。
できればどうせ使うことになるスローカーブを練習試合で実践経験を積みたい。スローカーブ スラーブ ストレート チェンジアップ カット ツーシーム。この辺りをどう組み合わせるか。カーブ系を主体にするならスローカーブ スラーブ。ストレート系ならストレート ツーシーム チェンジアップ カット。これくらいしか思いつかないな。だめだな、警戒する相手、しなくてもいい相手で分けてみるか?いや、ギアを上げる練習をしてみるか。それがいいな。
うん、色々悩んだけどスローカーブとギアの練習だな。俺の武器は精密なコントロールと多彩な変化球そこに緩急だ。それをうまく使おう。
「そういえば一条君って勉強とかどうしてるの?部活あったら大変でしょ?お家でも色々してるみたいだし。」
駒井さんが聞いてくる。
「んー、特に何もしてないけどね。授業でわからないことがあったらそこを消すくらいしかしてないね。」
「はい、でた天才発言。なんでそんな勉強に意欲的になれるんだよ。」
良二がツッコミを入れてくる。
「まあ、勉強って楽しいじゃん。ゲームみたいで。」
「その感覚に辿り着けねえ。」
最近は駒井さん俺良二の3人でいることが多い。駒井さん自体もいろんな友達がいるみたいだけど席も近いことがあってこの3人がいつメンになっている。
こういう何気ない普通の学生生活を送れるとは思ってなかったから正直感謝してる。さて、どうなることやら。
「そういえば、うちの吹奏楽部って全国クラスで金賞取りまくってるよな。駒井さんもやっぱり強いとこに来たかったから?」
「そうですね、野球もそうだと思うんですけど勝ち抜けば勝ち抜くほど長く音楽続けられるじゃないですか。それに、進学校だし治安良さそうですしね。」
「じゃあ、コンクールとか出るのにも審査とかあるのかあ。大変だね。」
「そうですね、うちのクラスになると少人数で行うアンサンブルや個人で出るソロにも内部審査会みたいなのありますね。」
「うちはレギュラー争いないけど、どこも大変だねえ。」
「良二と俺はほぼ確定みたいなもんだろ。嫌味だぞ。」
「まあね。」




