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「静ねぇ!いるー?」
俺はベットのほうに向かう。なんだこれは?静ねぇの部屋には大きなデスクトップ用のパソコンに配信するためのマイクとカメラ?が置いてありさながらプロのようだ。
机の上には今流行りのゲームの解説攻略が載ったタブレットがおいてある。
とりあえず起きたら聞けばいいと思い。静ねぇのほうに向かう。
「起きて!静ねぇ!!!朝だよ!!!!」
俺はそう言いながら布団をひっぺがす。静ねえは声にならない悲鳴を上げながら起きる。
「母さん!この起こし方はやめて!って…え?なんで?」
「おはよう。静ねぇ、朝ご飯できたってさ。先に行ってるよ?」
手首を掴まれる。
「待って、零くん。何でここにいるのかな?」
後ろからゴゴゴと効果音が出そうなほど恐ろしい。
「いや、源じいがご飯どうって誘ってくれて、静ねぇのママが起こしてこいって。」
「なるほどね。で?」
「いや。ほんとごめんなさい。」
俺はその後謝り倒しなんとか許してもらって一緒に朝ご飯に向かう。
「「「「いただきます。」」」」
四人でご飯を食べて、帰ろうとしたら静ねぇに部屋に呼ばれた。
「で、話って?」
「零くんこれみたんでしょう?何も言わないからさ。」
「あー。放送部入ったしこう言うの興味あってやってるのかなあって思っただけだよ?」
静ねぇは難しい表情をやめて朗らかないつもの感じに戻る。
「良かったぁ。そうなのよ。最近はVっていうのにハマってて配信とかやってるんだあ。」
「え!Vtuberやってるの???凄いね!」
実際にやり始めるまでのハードルが高く凄いと思う。
「だからこの前部活とか関係なく帰ってたのか。」
「そうなの。最近はたくさんの人が見てくれるようになって放送部でラジオはやらなくなってるのよ。身バレってやつが怖くてね。」
「なるほど、押しかけられても困るしね。」
「うん。親しい友達には何人か話してはあるんだけど…ね。まあ、零くんに偏見がなくて良かったよ。話はこれだけ。ありがとうね。」
「ううん!こっちこそありがとう!そんな大事なこと話してくれて。」
「だって小さい頃の約束果たそうとしてくれてるもん。」
ボソッとなにか静ねぇが呟いた気もするけど分からなかった。
「じゃあ、帰るね。また明日」
「ええ、また明日。」