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授業中に小声で良二が話しかけてくる。
「零〜、俺にも余ってるやつ貸してくれ!」
片手ですまんという感じに頼み込んでくる。
勿論余ってる方は使わないので貸してあげる。
「うお!サンキューな!結構新しめのやつじゃん。いいの持ってる。」
「ああ、ウチって親が一条スポーツ店の店長してるからさ売らない、売れない奴とか貰えるんだよね。なんか必要だったら父さんも寄付するって言ってたよ。」
「マジか!最高じゃないか!ならリストアップしたまた渡すな!」
俺らは窓際の後ろであまり目立たないが流石に話しすぎたのだろうか。周りからの目線が痛い。
二人とも気まずくなり黙々とトレーニングしながら授業を受けた。
お昼休み、良二と飯を食ってあいつが用事があると離れていった後俺はすることがなくぼーっと指トレをしながら過ごす。
今日の日直は駒井さんらしい。女性としては平均的な身長かもしれないが背が届かなくて背伸びして頑張って黒板を消そうとしている。
いつも一緒にいる吹奏楽の?友達も居ないみたいだし助けにいこう。
俺は黒板消しを手に取ると上の方を端から掃除していく。
「あ、一条君!ありがとうございます。」
「いいよ、気にしないで」
「助かりました!私じゃ背が届がないので結構大変だったんですよ」
俺たちは話しながらチョークの粉で汚れた手を洗いに行く。
「そういえば野球はどうですか?やはり大変です?」
「うん、そうだね、僕は高校から野球を本格的に始めたから学ぶことばっかりだし前の週の土曜にも一年生大会に出たんだけどぼこぼこに負けちゃったよ。」
「そうですか…。けど雰囲気は明るいですよね。なんというか、吹っ切れてるみたいな?」
良く見ているな。最近気づいたことなんだが、良二たち野球部で活動するときや家族や親しい人と話す時は明るく普通に話せるのだが、何もしていないときやあまり親しくない人と話すときあまり愛想笑いとかできない方だから、何を考えてるかわからないと言われる。
「まぁ、友達のおかげでなんとかね。」
「絶対良二君ですよね!二人はめちゃくちゃ仲良さげですもんね!」
「そうかな?まああいつとはバッテリー、ピッチャーとキャッチャーだから特にコミュニケーション取るし、良二がコミュ力高いのもあるよね。」
「ですです。」
ハンカチで手を拭きながら戻っているとチャイムがなりはじめる。
二人で急いで席に戻り放課後まで授業をうける。




