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3年 主将 朝山貴教

昨日の試合、海堂蓮の活躍は凄かった。圧倒されたというのだろうか。正直勝てるイメージが湧いてこない。バットの素振りをしながら振り返って集中してバッティングをする。

俺はあの試合をスマホのカメラで撮影して2.3年生のグループに投稿しておいた。


みんなビックリしていたし楽しみだとも言っていた。その中でやはりと言ってもいいのだが、零が大絶賛されていた。今まで投手不足であった俺たちのチームにコイツが加わればいいところ。下手したら地方大会でも戦い抜けるのではないかと。


だが、俺としてはアイツに期待を掛けすぎてはいけないと思う。勿論アイツのピッチャーとしてのポテンシャルは正直ヤバイと思う。しかし、最後の失投。アレは気負い過ぎから来たからだろう。


まだ中学から上がったばかりの1年生に背負いさせ過ぎるのは良くない。この気持ちを素直にラインでみんなに伝えたところ。ピッチャーを、やっていた寺脇だけでなく、色々経験している2.3年はみんな言いすぎないようにしようとなった。


勿論褒めたり期待していると言ったりはするだろうが程よいプレッシャーになるようにするくらいにしようという話だ。


ふぅ。今日の目標素振り回数達成。風呂入って寝るか。


〜零〜

今日からまた学校が始まる。朝早くにお寺に通ってから向かおうとした所。静ねぇとばったり出会う。


「久しぶり!おはよう!」


俺は小さい時と変わらない挨拶をする。


「え!零ちゃん?ほんとに久しぶりだね。お寺に通い始めたって聞いてたけどほんとなんだね。」


「うん。これから通うんだ。よかったら一緒に学校いく?」


「ええ、昔みたいにおてて繋いであげましょうか?」


「いいよ!分かってて揶揄ってるでしょ!」


俺は静ねぇと空いてた時間を埋めるように楽しく話をしながら学校へ向かう。俺が高校で野球を始めたこと。それを勧めてくれた友達がいること。色んなことを話した。

それによると静ねぇは放送部で毎週水曜に交代制でラジオのようなことをしているらしい。


校門まえで学年ごとの駐輪場に分かれて教室に向かう。


「良二おはよう。試合の後ありがとうな。次に向けて色々試し始めたよ。これからもよろしく。」


「なんかしたか?勿論よろしくな!」


カラッとしたいい笑顔を向けられ俺は嬉しく思う。授業が始まる。俺はメンタル訓練以外にも指の力を鍛えるためにハンドトレーナーとムニムニボールを持ってきていた。


父さんに用意してもらったモノだ。失投したのはメンタル面が大きい。それだけではなくシンカーを今まで以上に連投したせいで指の力が下がっていたのもあると思う。


だから鍛えるために揃えた。あとは手の握力を鍛えるためのハンドトレーナーも用意して左右交互にする。グローブを握っている方の手もしっかりと握り込んで力を伝えるためだ。

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