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月曜日の分です

感想いつも励みになっています

良二と喫茶店で反省会というなのプチ食事会をした後家に帰ってきた。あいつのおかげで俺はだいぶ気持ちは前向きになってきた。また明日礼を言っておこう。


「ただいまー」


俺は玄関から入らずに庭にあるプチ室内練習場に荷物を置き服を脱いでそのまま洗濯場へ向かい風呂へ入ろうとする。


「お兄ちゃんお疲れ様!お母さんがお父さんも帰ってきたしみんなでご飯先に食べようだって!」


「わかった!着替えたらいくよ!」


食卓につく。


「「「「いただきます」」」」


父さんと母さんが対面に座り俺の隣に瑠璃が座る。足元では我が家のトイプ モカがご飯を一緒に食べる。いつもの光景。


「零、試合はどうだった」


父さんが唐揚げを取りながら聞いてくる。


「高川と三重とやったよ。高川には不知火っていうやばいバッターがいたけど何とか勝ったよ。三重には負けた。強かったよ。」


「お兄ちゃんは投げたの?」


「ああどちらの試合も先発して、三重との試合では完投したよ。」


気持ちを切り替えたとしても悔しさは消えるわけではない。少し気持ちが暗くなる。


「初試合で勝利投手か。やるじゃないか。」


「だね。むちゃくちゃ嬉しかったよ。ご馳走様、お風呂入ってくる」


俺はいたたまれない気持ちになって逃げるように風呂へと向かった。


風呂に入って念入りにシャワーで汗を流す。湯船に浸かることはあまり多くないが、今日は試合で疲れているし湯船を汚してもいけないのでいつも以上に綺麗にする。


ちゃぷん


湯船に浸かり頭を置く部分にタオルを敷いてリラックスする。今日のことを思い出す。蓮の球 早かったな。あんなの見たことない。投手にとって球速は魔物のような魅力がある。

そればかりを追い求めても駄目だとは分かっているが伸ばしたいと思うのはピッチャーとしては当たり前だろう。


思い出すのはやはり最後の失投。良二とも話し合ったが、やはり自分がチームを勝たせると気負いすぎて周りが見えていなくて自分のいつもと違う精神状態に気づけなかった。


ガチャッ


「入るぞー」


父さんが入ってくる。珍しい。中学になって一緒に入ることなどほとんどなかったのに。

特に話仕掛けることもなく父さんがシャワーを浴びる音が響く。


「零、負けて悔しかったか。」


「うん。俺の最後の失投が無かったら三重にも勝てていたかも知れなかったんだ。バッテリーのキャッチャーとも話してたんだけど精神的にまだ弱かったみたいだ。」


「まぁ、お前は中学の頃はマウンドにも立って居なかったし、緊張するような事とかここぞというタイミングみたいなものは無かっただろう。そのせいだろうな。」


「かもね。」


「もし、それを克服したいなら場数をこなす事と自分の気持ちを落ち着けるルーティンを作る事だな。俺の店に来てるいろんなスポーツ選手と話すんだがやはり、ルーティンを持ってるプロ選手は多いぞ。」


父さんの店は個人店だが割と大きめの規模で地元のスポーツをしている人はみんなとりあえず来てみるくらいの店だ。そのおかげで地元出身のプロ選手も良く来てたりする。

父さんの人徳というかお客さんに合わせた道具選びは定評があるらしい。


かく言う俺も父さんに道具とかは選んでもらっている。


「俺からやれるヒントはそんなもんだ。道具関係で必要なものがあるなら言え。売れないものとか倉庫に眠ってる型落ち品とかなら融通してやるからな。」


「ありがとう、良く考えてみるわ。」


俺はそのまま風呂を上がって短パンとTシャツになる。そのままリビングで軽くストレッチをして縁側で夜風にあたりながらこれからどうするか考える。


場数を踏む。これに関しては試合への登板をするしかない。先輩達のバッピを務めるときも本気の勝負を最後の一打席だけさせていただけないか相談してみよう。

二つ目のルーティン。これに関しては一つ心当たりがある。深呼吸と目を瞑ること。簡単に言えば瞑想だ。それを短時間で行う。マウンド上で落ち着くためだ。

俺の一つ上の幼馴染、静ねえはお寺の住職さんの子で小さい時は良く通っていたから頭を下げて瞑想についての教えを貰う。


明日は1年生は休養日だし、朝から行ってみよう。

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