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この後の数話は割と筆がのる?って感じでノリノリでかけたので早く公開したいです。楽しみにしておいてください

蓮ばかりに、この試合は目が行ったが宇和山も相当にいいバッターであることは間違いない。中学の頃の本塁打数は30を越え打率も3割を切った事がない猛者である。


そんな彼も今日は良二のリードと零のお化けシンカーで中々結果を出せていない。本人もそれは気にしていて、蓮ばかりに負担を背負わせたくない。


そしてできれば俺のバットで勝たせてやりたいと燃えていた。しかし、現実的にこのピッチャーからホームランを打つのは難しいとも思っていた。まずストレートが来たら打てるだろう。次にスラーブ、この球もなかなか切れ味がいいが問題ない。


だが、ストレートと大差ないスピードで変化する高速シンカーを変化量まで使い分けてコースもビタビタ。そこにチェンジアップまで混ざるともうマトが絞れない。


ということで、この試合で多投していないチェンジアップはまず捨てることにした。次にスラーブも来たら反応できるから除外。

そして、ストレートと高速シンカー大小どちらを狙うか。やはりというか、ストレートの割合自体は多い。スピンも伸びもあるいいストレートだ。


これを狙うのが定石だ。といっても、俺相手には今日ほとんど投げてきていないしボール球にしか使っていない。セオリー通りなら高速シンカーを打って相手ピッチャーの動揺を誘う。変化量はもう勘だ。変なことは考えずに来た球を打ち返す。


バットをヘルメットに当て目を瞑り考えをまとめ終えると最後のバッターボックスに立つ。


「しゃぁ!来い!!!!」


〜零〜


ゾクゾクと震える。あの強打者の大和が俺のことを睨みつけ絶対に打ってやると言う気迫を見せる。


趣味で続けていたらここまで楽しい時間を過ごせただろうか。誘ってくれた良二に感謝だ。俺は今外側から応援して楽しむのではなく1プレイヤーとして、ピッチャーとしてこの打者に勝つ。


初球は相手の膝下インローへの高速シンカーB。


パシィ!


「ストライク!」


大和はただ球をじっと見て軌道を目に焼き付けているようだ。嫌な感じだ。見透かされてる気がするし、次にこの球を投げても大丈夫と言う自信を砕く威圧感がある。


2球目はボールにしかならないこれまたインローへのスラーブ。


「ボール!」


3球目は低めインローへのチェンジアップ。


「ボール!」


慎重になりすぎているのか、だが逃げているわけではないさっきのはストライクを狙いに行った結果のボール。大丈夫。俺ならやれる。勝つんだ。

俺がみんなを勝たせる。


4球目はアウトローへの高速シンカーAインハイからアウトローへの高速シンカーである。


ブォン!


「ストライク!」


あり得ないほどのスイングスピード、バットでこちらを威圧してくる。下手な球を投げたら持ってかれる。やばいやばいやばい。

心臓がうるさい。周りの声もよくわからないただ、わかるのは負けられない。良二のミット目掛けて投げる。


注目の5球目は高めからアウトコースの真ん中あたりに変化する高速シンカーBだ。これで決める。負けられないんだ!


シュン!


あっ、変化していない。すっぽ抜けだ


カッキッーン


見なくてもわかる。負けた。


主審が結果を告げる。


「ゲームセット!」


3-1 三重高校の勝利

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