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俺に打たれて喚き散らし苛立ちを表に出すと思ったがそこは実力者すぐに体勢を整え、綾人と対面する。ただただ真面目な様子でストレートとチェンジアップを、おりまぜてただの緩急のみで続くバッターを、抑え切ってしまった。
スロースターターというやつなのだろうか?それともただギアを上げたのか?
たまに聞く事がある。ピンチや負けられない場面になると集中力が増して別人のようになると…
その境地に至れるものはごく一部、任意で入れるものがプロになっても活躍できる。
その後の展開はもう一方的だった。豪速球のストレートにチェンジアップをおりまぜある程度コントロールされると誰もバットに掠りすらしなくなった。
しかし、こちらも負けずに高速シンカーを使いスラーブとストレート、チェンジアップと甘くないコースでギリギリ打たれないように四隅に集めて対抗する。特に蓮 大和 林治には高速シンカーを使い分けてなんとかヒットやツーベースまでで抑え込む。
均衡が破られたのは7回裏。ここまでなんとか抑えていたが遂に捕まり始めた。林治のヒット 続く3番のバンドでワンナウト2塁、そこに蓮との対峙である。蓮には低めに集めて長打を打たれないように警戒したがサード手前のヒットを打たれてワンナウト1.2塁。ここで対峙するは元々の4番宇和山大和。
最終回でもあるし綾人と交代するかという話をマウンド状でしたが、相手に蓮がいることを考えると速球に慣れた三重高勢にめった打ちにあう可能性がある。それらの状況を加味して満塁策をとって残り二人を討ち取る。
もしくは、宇和山を破るまたは、ゲッツーにする。
俺としては、勝負をしに行った上で勝ちたい。そして、俺の方が強いと証明をしたい。このように悩んでいた所。同じピッチャーの綾人は気づいたのだろうか、
「これは練習試合、負けても勝っても零のおかげでここまでこれたから俺は文句ないぜ」
「だね!僕も守ってて楽しかったし零君の好きなようにするべきだと思うよ!」
「俺としては確実に勝つなら満塁策だがな。まあ、みんなの言う通り零の好きにしろ。」
他の商業のメンバーも俺の好きにしていいと言ってくれている。俺は…
「俺は勝負して勝つよ!」