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白桜年代記/救済の魔刀と記憶の番人たち  作者: すえもり
Fragment:2 帝国・北部旧国際空港跡
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【付録】10-1ボツ案

【本編では、ヴェッティン艦長と通信しているのはブレンですが、草稿ではレオンが交渉していました。

ボツにした理由は、長すぎるからです。

ただ、会話の言い回しが気に入っていたので、ここに残しておきたいと思います。】


艦長 朗報です、ヴェッティン艦長。給油の必要は無くなりました

ヴェッティン アルビオンのジョークでは最悪の状態を朗報だと言うのか?

艦長 いえ、私にとっては朗報ですよ。オンボロをようやく処分できる。でも部下たちも上司たちも、航空博物館に入れると言って聞かないでしょう

ヴェッティン 確かに妙にファンが多い機体ではあるが、何だ? 何か言いたいことがあるなら言え

艦長 もしかすると内地まで運んでいただくことになるのではないかと気を揉んでいるんです

ヴェッティン 気を揉んでいるんです♡じゃない! はっきり言え!

艦長 私自身は貴官にそんな面倒事をお願いしようなどとは微塵も思っていませんし

ヴェッティン 自分の船になんの思い入れもないのか、貴様は

艦長 ありませんね。道具は人が操作してなんぼのものですから。ただ、ウェルロッド夫妻の退官に、出来るなら華を添えてあげたいとは思います

ヴェッティン あー、それを先に言え

艦長 やはりヴェッティン艦長は徳があってお優しい方だ

ヴェッティン 貴様のためなどではない! 夫妻への敬意からだ! 私に借りがあることを忘れるなよ

艦長 何でしたか? 最近物忘れがひどくて

ヴェッティン 貴様の物忘れはいつもだろう!

艦長 ああ! もしかして縄張りの件ですか? ミサイルとフレアの無駄遣いをした理由を上に報告しないと……しかし今なら鮫にレコーダーを壊されたと報告することも出来るかもしれませんよ、貴官の態度次第では


(艦長は椅子にそっくりかえって不遜な笑みを浮かべている。)

(ヴェッティンは目をカッと見開いて彼を睨みつける。)

(二人の軍での位は同じだが、皇位継承権は艦長のほうが上だとアストラが言っていた。)


艦長 そろそろ通信を切っても?


(艦長はおもむろにポケットからチョコを取り出して食べた。ヴェッティンは額に青筋を浮かべた。)


ヴェッティン さっさと帝都に来い。ミウォシュ君が待っているぞ

艦長 ん? アストラは部下と付き合っておりますが……

ヴェッティン そんなことは聞いていない!


(肩をすくめる艦長)


艦長 差し出がましいかと思いましたが、貴官には必要な情報かと

ヴェッティン 必要ない!


(通信が切られる)


【以下、未登場の人物に関する話題が出てきます。ここで読んでいただいても特に問題はありませんが、気になる方はスルーしてください。

この部分の会話は本編に必要ないので完全にカットしました。】


ランス あのひとと仲良しじゃない?

艦長 そう見えたのなら君もアストラと同類だ

ランス どういう意味?

艦長 アストラは働きすぎてちょっと変になってるんだよ。あの趣味は僕には理解し難い

ランス なんかめんどくせーからいいや

艦長 そのうちわかるよ


(首が凝ったのか左右に傾けながら)


艦長 あとでレコーダーを白桜刀で消してくれるかい?

ランス いいのか、そんなことして……

艦長 いや、良くはない。でも上司は見過ごすどころか推奨するだろう。つつかれそうなネタがあると、つつくほうもヒートアップして疲れちゃうだろうから、ザワークラウトみたいに

ランス その呼び方はやめたほうがいいぜ

艦長 ライムジュースは今度お礼に贈ることにしようかな


(指をパキパキ鳴らす艦長。口元は微笑んでいるのに目が笑っていない)


ランス あ、だいぶキレてる……ところで艦長の上司って?

艦長 将軍の一人。番人だよ。僕は今のところ彼の駒

ランス 艦長よりめんどくさい人?

艦長 めんどくさいとは?

ランス 扱いに神経を使わないといけない人のこと

艦長 ハァ……公用語ゲルマンの意味なら、わかってるぞ。あの人は理性の人だ。感情コントロールが上手いし人心を操るのはうまい。けど……理解はしてなさそう。ただ、そういう人のほうが決断力もあって責任もきっちり負う気がする。変な自尊心がないぶん心は傷つかないから

ランス 艦長は禿げないでくれな


(呆れて笑い出す艦長)


艦長 そしたら金髪のカツラでもかぶってみるよ

ランス 金髪が良かった?

艦長 きみぐらいの色がね。でも若い頃は赤以外ならなんでも良かった。今は、どうせ白になるから気にしてない

ランス 赤い髪で青い目なんてカッケェじゃん? 気にすることないだろ

艦長 きみは人誑しだな

ランス いや、そっちは普通にモテてるじゃん


(南部国境支部局に勤務する女性には、艦長と話しているとデレデレしているひとが多い、と男性陣はボヤいている。)


艦長 みんな丁寧に扱われることに慣れてないだけだ。軍人だからかな。まあ嫌われるよりかは好かれるほうが何かとやりやすいよ。お願いが聞いてもらえるしね

ランス ホントに誰にも手を出してないの?

艦長 なんだよ、急に


(これは怪しいなと思ってランスは肩をすくめた。)


艦長 僕からは一切手出ししないよ?

ランス つまり来るもの拒まずなんだ

艦長 一晩でいいから話を聞いてほしいって泣きつかれて、断ったら辞めるって言われるんだ。仕事の一部だよ。言っとくけど指一本触れてないから

ランス うわあ、メンヘラ製造機ってそういうこと……? いつか刺されるぜ?

艦長 撃たれるかな? まあ野郎に殺られるよりは良くない? 

ランス そういう問題じゃねー!

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