貴族らしいです
皆さんこんにちは。レオンです。
あれから2年・・・今年で3才になりました。
あの後、俺はあの部屋から場所を移されて普通の部屋で生活をするようになったんだけど・・・この2年で色んなことがわかりました。
まず、俺の家は予想通りというか貴族らしいです。
ラズベリー伯爵家ーーーこの世界の貴族の階級は5つあって、上から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順に偉いらしいが家はそこそこ偉い伯爵家です。
つまり俺の名前はフルネームだと、レオン・ラズベリーらしい。
普通の部屋になってから俺は貴族の勉強をすることになって色んなことをただいま教わっております。
礼儀作法からダンスに貴族の基礎的なことととにかく幅広いことを毎日やっていて楽しくはあるけど少しうんざりしております。
魔法に関しても俺は男なのに魔法を使えるというのはかなりのイレギュラーらしく・・・今は師匠について色々教わっています。
あとに大きく変わったのは・・・剣や体術の稽古が増えたことかな?
貴族なのに何故?と疑問だったけど、まあ、教えてもらえるなら覚えようと思い日々こちらもスパルタな師匠について色々教わっています。
そして俺が一年以上もあの部屋でセリカだけに世話をされていた理由もなんとなく察しました。
どうにも俺はこの家では邪魔者・・・というか、異物として扱われるからセリカと父上の配慮の結果だったのだ。
では何故邪魔者・・・というか異物扱いなのかと言えば、俺はどうやらこの家の前妻の子供ーーー今は亡き母親の子供らしく、母親は俺を生んですぐに死んでしまい、後妻になった俺の義母と義姉に配慮して俺はあの部屋にいたようだ。
・・・うん、まあ、前後の話は正直訳がわからないけど、かなり複雑な家同士の事情とかがあって、どうやら俺は本来は貴族としてではなく、普通の子供として育てられる予定だったのが、魔法というイレギュラーのせいで貴族として過ごすようになったらしい。
ちなみに義母と義姉は最初俺にかなりツンケンとして当たってきたが・・・ダメ元で甘えたりしているうちに夫婦仲がなんか修復されたりして今ではそれなりに円満な関係になっております。
特に義姉との関係の変化は凄くて、最初は物凄いツンケンして「あんたなんか死ねばいいのに!」ぐらいのレベルだったのに、夫婦仲の改善やら色んなことがあって今では・・・
「レオンーぎゅー!」
「姉様苦しい・・・」
ご覧のように抱き枕同然に抱き締められるほどの姉弟仲になりました。・・・・変化しすぎだろって?当初は俺もその態度の軟化にかなり困惑したけど今ではもはやほとんど諦めて姉に抱っこされています。
そんな家族仲になれた訳だけど・・・一つだけ気がかりなことがあります。
それはセリカのこと・・・・セリカがここ最近になってから顔色が悪い日が増えているのがどうにも気がかりだった。
一見すると普通に見えるけど・・・そこそこ長い付き合いの俺から分かるくらいに体調が悪そうで、心配して声をかけても笑顔で「大丈夫です」と言って誤魔化す始末・・・正直、かなり心配だったけど、俺に出来ることは多くないから見守っていたが、唐突にそれは訪れた。
両親、姉が不在の日に・・・セリカが倒れたのだ。