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ゆったり異世界転生  作者: サウスのサウス
20/22

成長しました

早いもので、アリスとリリアが我が家にきてから1年・・・俺は6才になった。

二人の正確な年齢はわからないが、俺より若干年上だからか、このところの二人の身体的な成長には目を見張るものがあります。


特に、アリスーーー彼女はここ最近になり一気に大人になってきていると思う。背丈も俺より大きく、いやらしい意味ではないが、胸部の成長にも目を見張るものがあるというか・・・まあ、この年でそんなことを思っていたらただのマセガキと思われそうなので態度には出さないが。


リリアはリリアでスラッとしたモデルのようなスレンダーな身体が魅力的になってきていて・・・なんとなく置いてかれた感がしなくもないが・・・・お、俺の成長はきっとこれからが本番。大丈夫。きっとあと数十年後には父上みたいなダンディーな大人の男にーーーは、無理かもしれないけど、それくらいの成長はしたいものだと思う。


セリカの話では俺は亡くなった母親・・・ミーシャ母さんにそっくりらしいので、遠回しに女顔だと言われたみたいで若干ショックを受けはしたが・・・まあ、まあ、容姿は決して悪くないとプラスで考えることにした。


さて・・・この一年でいくつか変わったことがあるのだが・・・まず、俺は社交界デビューをしました。

今までの貴族の勉強からある程度わかってはいたが・・・やはりというかなんというか息苦しい空間で、顔色を伺いながら話すのは辛いので、心底姉様が婚約者さんと我が家を継いでくれるのがありがたく思う。


あ、そうそう、姉様の婚約もこの一年での大きな変化かな。

相手はなんと公爵家の次男・・・どんな傲慢なのが来るのかドキドキしていたが、結論としてめっちゃいい人でした。

大人しく本を読んだそうな文学系のイケメンさん。かなり優しくて誠実で、姉様との仲も円満みたいでひと安心だ。


なんだかんだで、俺にとって姉様も大切な家族なので婚約者になった人がいい人で本当によかったと安心している。


公爵家の本家にもお邪魔したことがあるけど・・・我が家の父上に見習わせたいくらいのフレンドリーさを持った人が公爵様だった。ただ、流石というか、人を見る目はあるらしく、色々と勉強になりましたよ。ええ。


俺も貴族だからいつかはどこかの家の娘さんと婚約するのかな?と思ってはいるが・・・今のところその気配はない。

あ、それとここ最近になって知ったんだけど・・・なんとこの世界、一夫多妻もできるらしい。だからと言って俺はいまさらハーレムやっほーい!とテンション上げてできないけど・・・それでも、色々疑問だった、義母上とミーシャ母さんの関係とかもそれで若干納得できました。


まあ、他にも色々あって俺は一年近く幽閉されていたのだろうけど・・・最近になって、父上のいつもは大人の男なのにいざとなると脆いという事実がわかってしまい、きっとこんな父上だからこそ義母上もミーシャ母さんも父上を好きになったのだろうと思った。


それとここ最近になって大きく変わったことが・・・


「おはようございますレオン様」


その声に俺はゆっくりと目を覚ます。

ゆっくりと身体を起こすとアリスが静に身体を倒れないように支えてくれる。


「お召し物をご用意します」


そう言って俺の服を脱がすアリス・・・今はこんなふうに落ち着いて着替えさせてくれているけど、最初はかなり真っ赤になって恥ずかしそうにしていたからな・・・まあ、基本的には俺は自分の着替えは自分でやるが、やむおえない場合・・・他の屋敷に泊まった時とかのための練習でもある。


そしてさっさか着替えを終えてから俺の身だしなみを整えてーーーそこでセリカからOKサインがでる。


「よし・・・大分良くなってきましたね」

「あ、ありがとうございます!」


そのセリカの言葉にほっと胸を撫で下ろすアリス。

そう・・・ここ最近になって変わったことの一つに、俺の世話をするのがセリカからアリスへと徐々に移ってきたということだ。


この一年・・・色々試した結果、この手の細かいことはアリスに才能があると見いだしたセリカによって鍛えられたアリスはもはや俺の側つきと言っていいレベルまで腕を上げている。


そして、リリアは・・・


「おはようございますレオン様!」


元気に扉から入ってくるリリア・・・うん、彼女も一応俺の側つきに正式になったのだが・・・どちらかというと裏方の仕事が多いようだ。

礼儀作法も前より断然ましになったが・・・リリアはキリッとした外見のわりにこの手のアリスがやってるような細かいことは苦手なので、裏方・・・俺のための毒味やら洗濯やら色々なところで活躍してもらっている。


「おはよう。じゃあご飯食べに行こうか」

「準備できてますよー」

「それじゃあ、リリア。レオン様をよろしくお願いします。アリスは・・・いつも通りレオン様のお食事中に昨日の続きから始めましょう」


そう言って車イスから声をかけるセリカーーーここ最近になってセリカはとうとう立つのが辛くなったみたいだったので俺が即席で作ったものだが・・・最初はこれに座るとレオン様より偉く見えて無礼だ!と言っていたセリカも慣れたのかここ最近は華麗に車イスを運転するようになった。


・・・・うん、どんなに明るく言っても、わかってるさ。セリカの限界が近いことくらい。でも・・・俺がそんな辛い顔を彼女に見せるのは頑張ってる彼女に失礼だ。だから俺も明るく振る舞う。


ここ最近になり、アリスとリリアに仕事の大半を任せるのも、もはや自分じゃ出来ないと判断しての部分もあるのだろう。

自分がいなくなっても二人に後を任せられるように・・・そんな雰囲気にならないように俺は努めて明るく振る舞う。


魔法の研究もここ最近になって行き詰まっている。

どんなに探しても・・・セリカの延命をする手段が増えることはない。むしろ時間がたつにつれて徐々に選択肢は減ってきている。

それでも・・・最後まで諦めたくなくて俺は頑張って魔法を勉強する。


そして今日も・・・


「じゃあ、ご飯食べてくるね」

「「いってらっしゃいませ」」


セリカとアリスの声がピタリと重なる。

それに微笑みを向けてから俺はリリアと共に食堂へと向かった。


ーーーこの貴重な時間を永遠に忘れないように心に刻みながらーーー

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