赤ん坊になってた
目が覚めると見知らぬ天井・・・あれ?ここどこ?
身体を動かそうとするが・・・全然動けない。って、よく見ればなんか俺の手小さくなってるような・・・
「あうー」
声を出そうとするが・・・声が出ない!なんで!?
そんな風に自身の身に起きたことに困惑していると俺の視界に青色の髪の綺麗なメイドさんが現れた。
「レオン様。起きましたか?」
・・・・レオン?誰それ?
俺のこと?俺はそんな西洋風の名前じゃないんだが・・・俺の名前はーーーあれ?俺の名前は・・・お、思い出せない・・・・なんでだ!?
そんな風にまさに「ここはどこ私は誰」状態になっているとメイドさんが俺を優しく抱っこしてくれた。
「本当にミーシャ様にそっくりですねレオン様は・・・可愛いです」
「ああうー」
メイドさんが優しげにそんなことを言うが・・・ダメだ・・・声が出せないから何も聞けない。
困惑する頭でメイドさんに抱っこされながら俺は状況を整理する。
まず、俺は確か会社の帰りにトラックに跳ねられて死んだはず・・・結構な痛みだったし、血もかなり出てから生きてる訳がないが・・・何故か俺の意識はあって、身体がうまく動かないし声も出せない。
さらに、見知らぬメイドさんに抱っこされているということを考慮すると・・・ふと、俺はある単語に結びつけてしまった。
異世界転生ーーーいわゆる生まれかわり・・・そうだとすれば色々納得が出来るが・・・しかし、それはそれで現実味の薄い話だと言わざる得ないが、そうだとすれば、あきらかに死んだはずの俺がこうしてメイドさんに抱っこされされるサイズまで小さくなっているのも納得ができる。
赤ん坊だからという理由なら、俺の身体がうまく動かないのも、声が発せられないのも、メイドさんに抱っこされているのも説明がつくが・・・しかし、異世界転生か。
オタクの悲願とも言える現象をまさか自分が体験することになるとは思いもよらずに密かに内心でテンションが上がるが・・・ふと、疑問に思ったことがある。いや・・・色々疑問は尽きないが、一番気になるのはメイドさんの存在するということはここは貴族とかそういう感じの世界なのか?
だとすれば俺の親ってまさか貴族だったりするのかな・・・
「ふんふんふーん♪」
・・・・が、そんな思考はメイドさんの子守唄ですぐに眠気へと変わる。
まあ目が覚めてから考えればいいか。
俺はメイドさんの子守唄を聞きながら心地よく眠りに入った。