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プロローグ

※練習用作品です。私自身、素人であるため過度な期待をせずに読んで、尚且つ、楽しんでいただけたら幸いです。時間のある時に少しづつ書いていこうと思っています。

 俺は何なのか……?何をしているのだろうか……?

 疑問を持ちながら歩き続けている。

 俺と目があった人たちは皆同様、顔に恐怖を浮かべる。

 その時、俺の視界は決まって、赤いフィルターを通して見ているかのごとく赤く染まり、心は荒れて興奮する。

 ただでさえ記憶が曖昧であるにもかかわらず、それからの記憶というものがいつも俺の脳から失われている。

 そして、己の体から赤い液体を滴らせながら、先程立っていた場所とは違う場所に立っている。


 俺は何なんだ……?

 ただ言えることは、俺と行動を共にする周りにいる者たちは俺と同じようにその身を赤く染めているということだ。

 この赤いものが何なのかはわからない……。

 俺の周りにいる者たちは、先程の顔に恐怖を浮かべていた人たちと非常によく似ているが、どこか違う気がする。


 …………。


 ……それはきっと些細な違いでしかないだろう。

 俺は考えるのをやめると、また、周りにいる者たちといっしょに移動を始めた。


 どれほどの時間を歩いただろうか、どれくらい彷徨っただろうか。

 気づいたら雨が強く降りそそいでいる。

 また、先程と同じ種類、顔に恐怖を浮かべる人たちを見つける。

 だが、彼らは今までの人たちとは違い、その顔には恐怖以外に悲しみが見てとれる。

 何故だろう……。

 もしかして、俺のことを知っているのだろうか……?

 その人たちとの間には橋を挟んでおり、その分の距離が開いている。


 突然、意識が遠のいていく感覚にみまわれる。視界は赤く染まり、感情が高ぶる。ああ、また、この感覚か……。この後の記憶はきっと残らないだろうと思いつつ、押し寄せる感覚に身を委ねる。


 ——————!


 橋全体に轟音が鳴り響いた。

 強烈な音と衝撃によって意識が戻り、何が起こったのかと考える。

 橋に欠けている箇所があり、そこを成していたものがバラバラと落下しているところから、橋を壊されたことを理解する。

 そして、その光景を下から見上げており、自分の身が浮遊感に包まれ、今まさに落下していることに気づく。

 とっさに叫び声をあげる。


『グオオオオオォォ!』


 あげた叫び声は、叫び声というにはあまりに無理がある雄叫びとなって周囲の空気を震わせた。

 しかし、それは落下していることに対して何の意味もなさず、むなしくこだまするだけに終わる。

 その身はひたすら下へと落ちていく。

 

 人に非ざる巨躯の化物の姿をした者が川底へと深く深く吸い込まれていく……。

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