表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

第三章

ぼくは、年末も、走っている間も、大きなアクシデントがなく、無事に走り終えた。

ぼく個人の区間成績も、チームの総合成績も、真ん中より少し上ぐらいだった。

 

ぼくは今回も、4区を任された。

4区は、フルマラソンのおよそ半分ぐらいの距離で、各チームの『エース』と呼ばれる選手が多く走る区間だ。

フルマラソンで活躍するような、有名な選手たちの中で、ぼくの力不足を痛感させられた。


夜になってから、ブログに頂いたコメントに目を通す。


『お疲れ様です。中継所でタスキを渡すシーンは、何度も再生して見ていますよ』

 

ああ。

由梨絵ちゃんからだ。


チームとして上位でも下位でもなく、真ん中あたりの順位だと、テレビ中継にはなかなか映らない。

ぼくがテレビに映ったのは、おそらく、タスキを受け取ったところと、次の中継所でタスキを渡すところぐらいだろう。

しかも、どちらもほんのわずかの時間。


繰り返し、再生して見てくれているとは、なんと嬉しいことだろうか。

……いや、調子に乗ってはいけない。

ぼくだけじゃなくて、ぼくのチームの人たちの、それぞれの中継所のシーンかもしれないのだ。



『応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

体力が回復したら、コメントを下さった方には改めて個別に返信を書きます。おやすみなさい』


あいさつの言葉をブログに書いてから、寮の自室のベッドに横になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ