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始まり6 『速いぞー!すげー!』

初めて…?の戦闘シーンです。

「ああ、そういえばあの倉庫って掃除してんのか?」

「いいえ、基本してないですよ。殆どの人間が入れないので掃除をする意味が無いですからね。」

「そうなのか。」

「どうかしたのですか?宗谷さん?」

「いや、崩れちゃったみたいで物凄く悲惨な所があったからさ。」

「分かりました、後で私がかたづけておきますよ。」

そんな感じでのーんびりしていた。しかし其れは、一つの悲鳴によって掻き消される。

「なんだ!?」

「宗谷先輩!ファミールさんと居て下さい。桃香先輩行きましょう。」

「分かったわ。」

いやーこの世界での生きるための力は凄いもので走るのが凄く速い。世界新なんて余裕だね!

そんな事を考えていると、王城の外に出た。悲鳴は大きかったので悲鳴の主はまだ近くに居るだろう。

「えーっと、こういう時はっと。」

受け継いだ勇者の記憶から聴覚と視覚強化+イメージの標的をロックオンする呪文を引っ張り出す。

「『我が耳に届かぬ音は無し』と、『鋭き眼の先には標的有り』っと。」

この世界での魔法は面白いもので多くの魔法単語<マジックスペル>を使って目的の魔法を作り出す。ドラゴンテイルにもこんなシステムは有ったがここまで複雑ではなかった。しかも、さらに古代魔法単語<エンシェントマジックスペル>という物も有ると言うのだから参ってしまう。

そして、後ろから桃香先輩が来ている事を確認する。俺等ほどではないが、敵もかなりのスピードで移動しているみたいだ。

そしてついに王都を出て近くの森に入って行って止まった。逃げている方も追いかけている方も疲れている。しかも場所は開けた広場、チャンスだ。

「桃香先輩、攻めて下さい。俺も少し装備を整えてから行きます。」

「分かったわ。まずは逃げていた方を助けるのね。」

「そうですね。まず、何処からか突っ込んでみて下さい。」

「分かったわ」

そう返事をすると逆側まで走って行った。

その間に俺は先ほど箱から出した装備をつけ、二本の太刀を抜く。

木の影から見てみると、一人は兵士の様だった、そして、もう一人は小さな女の子だった。

「もう逃げても無駄さ、諦めろ。お前にはその首輪が有るんだからさ。」

「知らないもん!私だって普通の人間の女の子みたいになってみたかっただけだもん!」

「其れが無理だって話だよ。お前は奴隷だろ?人でないものの分際で自由などとほざくな!しかも、・・・誰だ?」

あっちゃー。桃香先輩やっちゃった。いや、その話は確かに聞いててイラッてしたけど、まだ出てくのは早いなぁ。でも、俺も行こうかな。

「『速く駆ける事、風の如し。』」

あの先輩は絶対身を挺して守るという手段に出たんだろう。でも、俺は助けるぜ。

「貴方達はこの子を見て如何も思わないの!?」

「この子とは誰のことかな?というより、君は誰だい?」

「この子って勿論この女の子・・・?居ない?」

「クソッ!逃げやがったか!?」

「逃げてないよ。あそこに居る。桃香先輩、あの子を宜しく。」

「・・・分かったわ。」

「お前は誰だ?」

「救世主?ちょっと違うなぁ。まあ、勇者って事で宜しく。」

「クソッ!」

手に持っていた両刃の剣で、俺らの胴を薙ぎに来る。こえー。でも・・・。

「避けるよっ!」

後ろを向き、相手の頭上を一回転して飛び越えた。そして見えた相手の背中を縦に切る。しかし、其れを相手は前に少し飛ぶことでかわした。しかし、そこから前に剣を突き出し、追撃をかける。其れをかわしきれずに、相手のわき腹を切り裂く。と同時にバックステップ、バッヂを上に跳ね上げ、サイドステップからの・・・。

「死ねぇ!」

バガァァァン!

全力での裏拳。しかし少しずれてしまった様で直撃はしなかった。

「クソッ!覚えとけよこの女!」

ああ、逃げてく。よかったぁ。脇腹から血を流して左手の辺りを全部抉り取った奴と戦いたくは無いからね。

「桃香先輩、大丈夫ですか?」

「ええ、この子も無事よ。」

胸に抱えられてスヤスヤと眠る少女を見て、ホッとした瞬間、頭に何かが流れ込んで来る。

「ライ君!如何したの?」

そのまま、意識は途絶えた。しかしその寸前一人の少年を見た気がした。


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