始まり43 『メイドさん戦闘術・・・?』
お盆になるので二日間ほど休ませていただきます
ご迷惑をおかけしますが、これからもよろしくお願いします
「この子達はな、俺の子供だ。」
「「「え?」」」
おっさんの話は驚くべき所から始まった。
「実の子供ではない。知り合いが預けていったのだがな・・・。」
そこから先はあまりカナ達に知られたくない会話のようだ。
「ルナ、あの子達と外で買い物をしてきて。」
そう言ってルナにお金を渡す。
ルナも察していたようで文句も言わずにあの子達を連れ出してくれた。
「ありがとう。」
「いいえ、続きをお願いします。」
「分かった。あの子達の両親は冒険者だったんだ。それ以外の生き方を知らないから、と言ってあの子達を俺の所に預けて金を稼いでいたんだ。だからあの子達にとってここは家のようなもので、俺も親のような存在。弟子のあいつも三人目の兄弟のように過ごしていたんだ。あの子達の両親は悪い奴ではなくてな、精一杯やっていたんだ。しかしある日、ギルドに任された依頼を行なうって言って、帰ってこなかった。」
「ギルドに任された依頼?」
「ああ、炎龍ドライアスの討伐だ。」
「炎龍ドライアス・・・。名付きの竜の討伐って二人で行ったんですか?」
「いや、あいつ等の所属していたグループのメンバー全員で行ったらしい。」
「てことは・・・。」
「ああ、全滅だ。」
「そうなんですか・・・。」
「その後なんだがな、俺があの子達を育てていたんだが、あの二人はもう迷惑をかけられないとか言って孤児院に入っちまったんだ。」
「なるほど。」
「その後もちょくちょく来ていたんだが最近は色々あったから来ていなくてな、そうしたらガルクの野郎が苛めにあってるらしいという情報を持ってきやがった。それを如何しようと考えていた所であんた達が助けてくれた。」
「私達は苛めに関しては何もしていないですよ?」
「いいんだよ。あんた達のような信頼できる人間が見つかったって事であの子達は救われた。それでいいんだ。」
「そうですか。しかし私達はあの子達を冒険者にしたんですよ。この世の中で一番危険な職業に。」
「あの子達の親も冒険者だぜ。その血が流れているという覚悟は既にしてある。」
「そうですか。」
「ほれ、注文のナイフだ。それと、これを持っていってくれ。」
そう言って渡されたのは三つの剣。
「これは?」
「俺に出来る最高の素材で最高の技術を詰め込んだ剣だ。一つはあんたに、残りの二つはあの子達に渡してやってくれ。」
「分かった。そういえばこれって刻印を刻んである?」
「いや、刻んでないが。」
刻印。魔法による剣の強化のことだ。
「じゃ、私からの選別として。」
剣に刻印を刻んでいく。刻んでいくって言っても削る訳ではないので注意だ。
「この刻印は?」
「刃毀れが起きなくなるのと、対魔法の特性を追加した刻印だよ。」
「何から何まですまんな。」
「気にしないで下さい。この剣。大切にします。」
「じゃあ、あの子達を頼んだぞ。」
「分かりました。」
・ ・ ・
城へ帰ってきた。
「さーて、明日の出発に備えて準備でもしておくかな。」
一人呟きながら廊下を進んで行くと、ばったりとティナさんに出会った。
「探しましたよ!!」
修正。あちらが探していたようだ。
「何ですか?」
「このお城から出て行くって本当ですか!?」
「声が大きいです。」
「あっ。すいません・・・。」
「いいです、で、お城を出て行くのか、でしたっけ?ええ。私達は城を出ます。」
「間に合ってよかった・・・。」
「如何したんですか?」
「私も連れて行って下さい!!」
「嫌です。」
「即答!?流石に凹みますよ・・・。」
「だって、付いてくる理由が分からないし、ティナさん基本役立たずじゃないですか。」
「酷い!!付いていく理由は、神様から監視をしろって言われているからです。ちなみに私はこの城でメイドさん戦闘術の使い手の中で第二位なんですからね!」
「一位は?」
「奈菜さんです。」
メイドさん戦闘術なるものが存在するとは・・・。
「兎に角嫌です。」
「嫌って言っても付いていきます。ちなみに冒険者登録はしてありますから心配しないで下さい!!」
何で準備万端なんだよ・・・。
「分かりました。連れて行きます。」
「本当ですか?やった!!」
「出発は明後日ですから準備して置いてくださいね。」
嘘です、出発は明日です。
「分かりました。」
スキップしながら去っていくティナさんに手を合わせてみたりした。




