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始まり41 『旅の準備』

ファミール様には、妾の案を取り消してもらい、冒険者になってもらう事にした。

冒険者なら自分の生計を立てていくのも難しくないだろうという判断の上だ。ファミール様は魔法がお得意だそうなので、変な男に引っ掛けられることが無ければ、きちんとした前衛役を見つけてバンバン活躍できるだろう。

なので、ファミール様にはルナと一緒に冒険者の登録をしに行ってもらった。

ついでに言えば、ルナにはナイフを取りに行って、セインとカナを見せてやって来いって言ってあるからルナとセインも同行していると思う。この二人にも身分証明として冒険者にさせる事にしてある。

俺?俺は今兄貴とお話中ですよ?

「雷斗、何のようだ?」

「そろそろ動こうと思います。」

「そうか、だが、いいのか?」

「桃香先輩は今日魔法国に行った。俺もそろそろ動くべきかと思いましてね。」

「そうか、そう言うと思って勇者の影武者役は用意してあるけどな。」

「用意がいいですね。」

「いや、変身の魔法が得意な奴がいてな、そいつに、人前に出るときはお前に変身してもらう事にした。勿論給料は弾んでるぜ。」

「そっか。なら安心だ。」

「お前がいてくれれば問題無いのに。」

「理不尽にこの世界に放り込まれたんです。勇者の仕事も真面目にやりますけどそれ以前にこの世界を楽しませて下さいよ。」

「ま、お前がこの世界が楽しいと思ってくれれば魔王討伐に全力を尽くしてくれるだろうから良いんだけどな。」

「そういえば魔王ってどんな奴なの?」

「最初のほうは百年に一度代わっていたらしいんだけど四代目の勇者からは代わっていないらしい。しかも人間だっていう噂がある。」

「人間にしては長生きすぎないかい?」

「そうだよなぁ。よく分からん。」

「じゃ、俺はこれで。」

「おう。」

「あ、言い忘れてた。」

「何だ?」

「ルナは連れて行きますね。」

「分かった。」

「理解が早くてありがたいですね。」

「何も理解して無いけど、お前は無関係に人を巻き込むことは無い。ルナちゃんは何かに必要なんだろう?」

「そうですね。」

「後は、あの二人は如何するんだ?」

「カナとセインですか?」

「ああ。カナは連れて行きます。セインはこっちでリーダーとして生活してもらおうと思ってます。」

「冒険者登録したのか?」

「ええ。全員。ちなみにああいう人間が増えますんで奈菜さんはそっちに回してください。給料は俺から送金しておくんで奈菜さんに払わなくても大丈夫です。」

「そうか。そういえば冒険者って一ヶ月に一定数クエストクリアしないといけないんじゃないんだっけ?」

「その辺はテイルと一緒ですから。簡単な抜け道を使いました。」

「あの抜け道は態々使う奴もいなかったよな。」

「経験地は全く入らないですからね。あ、もう一つお願いしていいですか?」

「何だ?」

「セインとかがこれから増えるんで、部屋の確保ともう一つ、訓練を行なってやってください。」

「訓練?」

能力(スキル)の事は兄貴には話してある。そして、俺が考えている事も。

「近接戦闘、弓や銃による遠距離戦闘などの訓練です。」

「ああ。そういう事かぁ。」

「ええ。そう言う時にこそ使える能力(スキル)もありますからね。」

「分かった。」

「魔法は使えないんで訓練しなくていいですよ。」

「任せておけ。」

「じゃ、俺はこれで。」

「もう行くのか?」

「ギルドに行って抜け道の準備をしてきます。」

「そうか。じゃあ、またいつか会えるといいな。」

「俺も行く前ぐらいは挨拶しに来ますよ。」

「じゃあ元の世界の金で五百円賭けてやるよ。」

「乗った。俺が挨拶に来たら五百円下さいよ。」

「その代わり来なかったら、帰って来た時に寄越せよ。」

「分かった。じゃ。」

「おう。」


・  ・  ・


ギルドで抜け穴の準備を行なっていたら、ルナたちに出くわした。

ファミール様が問題になり、時間がかかっているそうだ。

「何処にいるの?」

「ギルドマスターの部屋。」

「行ってくる。」

「行ってらっしゃい。」

その後、ギルドには、叫び声が響き渡った。


・  ・  ・


「ふぅ。準備できた。」

「お姉ちゃん。ファミールさんも出来たよ。」

「お、分かった。後の二人のは終わってるんだろ?」

「うん。」

「じゃ、ファミール様、いい前衛役を見つけて頑張ってくださいね。」

「え?私は雷・・・瑠奈さんが連れてってくれるのかと・・。」

「何で?うちには前衛役まだいないし駄目ですよ。」

「駄目・・・なの?」

うっ、涙目・・・。

この人も結構な美人なんだよ。髪の毛はアメリカ人のハーフだったお父さん譲りなのか金色。眼の色はお母さん譲りなのか空色みたいな青なんだよ。

美人さんの涙目とかマジで威力高すぎる。

「分かりました!!分かりましたから、泣かないで下さい!!」

「連れてってくれるの!?」

「分かりました。連れて行きますよ。」

「やったー!」

「やったね、ファミールさん。」

ルナとファミール様仲良くなりすぎ・・・。ハイタッチとかしてるしね。

旅の仲間が増えてきた。


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