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始まり34 『孤児院』

気に入らなかったので修正を加えて再投稿することにしました。

「っ・・・!」

目覚めは最悪といっていいだろう。

あの記憶は俺の中で一番触れたくないものであり、封印して、心の奥底に封じ込めたはずの記憶だった。

たぶん、あの弓を見たからだろう、手に入れたからだろう。

「こういう時は風呂にでも入ろう。」

この城にはどの部屋にも備え付けの風呂があり、ありがたい事に、いつでも入れるようになっている。

ルナを起こさないようにそっとベッドを抜け出し、風呂場兼洗面所の場所へ入った。入るとすぐに汗で濡れてしまっていた着ていた物を全て脱ぎ捨て、風呂に浸かる。

本当は体を洗おうとも思ったのだが、そんな気にはなれず、とりあえず浸かってあがる事にした。

「お姉ちゃん?」

「あ、ルナ起きちゃった?」

そっと起きたのはいいが、ルナを結局起こしてしまったようだ。

「ううん、さっきから起きていたから大丈夫。」

「ちょっと待ってね、お風呂から上がったら朝ごはん作っちゃうから。」

「うん、分かった。」


・  ・  ・


朝ご飯を食べながら今日の予定について話し合う。

「今日はターゲットの二人に会ってみるため、孤児院に行くからね。」

「ターゲット?」

「うん。目標とか、そういうものだけど、今回はあの鍛冶屋の少年が言っていた二人にあってみようと思っているんだ。」

「うん。」

「その時、ルナも一緒に来てくれる?」

「分かった。」

この子は物分りがいいため、一つの事を言えば、7ぐらいまでは理解することが出来る。流石に10までは理解してはくれない。

因みに俺は1を聞いて1~10を飛ばして11~38ぐらいまでを理解する馬鹿を見たことがあるので別に驚きはしない。

っと、ルナが食事を終えたので、食器の片づけをしなければ…。


・ ・  ・


「ここが孤児院かぁ。」

俺たちの目の前に立っているのは小さな幼稚園のようなものである。

今日ここには、ギルド側からの手伝いの派遣となっている。

これを聞いたときに孤児院の職員の中には疑問を持つものや、仕事が減ると小躍りしたものもいるだろう。

しかし事はそう簡単ではない。

ここの理事長は堅物で、仕事の放棄や子供たちを危険にさらすのをよしとしない。いや、するわけがない。この理事長をいかに説得するかが問題だろう。

「こんにちは―。」

入り口のドアを叩き、とりあえず声をかけてみる。

「はいはーい。」

そういいながら出てきたのは、この孤児院の園長だった。

「えっと、ギルドから派遣されて来ました、ルナ、カンザキです。」

「ルナール・セイン・ファブリュートです。」

「ああ、連絡にあった・・・。今日一日お願いね。」

「はい、お願いします。」

そう言って中に入っていくと、園長さんが中に向かって、何か言っていた。

「今日は冒険者の人たちが来てくれましたよー!みんなおいで―!」

「わー!!おねぇちゃん冒険者なのー!?」

俺に引っ付いてきた少年がそう叫ぶ。

その時俺の心のぐっさりと突き刺さる物があったのは、間違いではないはずだ。

「そうだよ。私はルナ。あっちはルナール、あの子もルナなんだよ。」

「そうなのー?」

「うん。私はお姉ちゃんと同じ名前だよ。」

そう言って子供たちに笑顔を向けるルナ。ルナも子供たちに囲まれていて、

「わー、おねぇちゃん猫みたいな耳がはえてるー!!」とか、

「触らせてー!!」とか

「おんぶしてー!」

とか言われている。傍観しているような口ぶりの俺にその言葉は無かったのかって?あるに決まっている。既におんぶと抱っこと肩車を同時にやりながらも、足元に引っ付いている子供の相手をしている

それを続けていると、園長さんから、

「みんなー!中に入って!」

と言われ、玄関のあたりで止まっていた俺達はやっとのことで中に入ることが出来た。

ルナが隣を歩いていたので、その耳元に口を寄せて、

「子供好き?」

と聞いてみると、彼女は首を縦に振った。

子供たちが俺達に群がっている時、二人の子供が外れた所に居るのもちゃんと確認してある。

こんな感じで潜入活動は始まった。


ちょっと短くなってしまいました・・・。

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