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始まり33 『ハトとグレネードランチャー』

サブタイトルに大した意味はありませんww

俺が寄りたかったのは武器の専門店の様な所だ。

今使っている両刃剣を研いでもらうのと、太刀と弓、太刀が駄目ならもっと大きく、重い、大剣を探すためだ。

弓に関しては、俺の使える武器の中で一番の得意武器で大好きな武器な為、何があっても手に入れたい武器である。そして、元の世界で使っていたため、太刀はやっぱり欲しいところだ。宝具の太刀は装飾がかなり凝っていた為、人前で使うと勇者だとばれてしまう可能性がある。それを使えるのはいざという時だけなので、出来れば普段から使える太刀がほしい。それが駄目なら、出来るだけ重くて大きい、大剣のような武器が欲しいところだ。太刀の修行のほかに、太刀の斬るの逆の武器として、叩き潰す形を取る大剣を使ったことがあるため、他の武器よりはいいだろう。もう一つ槍も使えるから、あったら買っておこうと思う。

「こんにちわー。」

「いらっしゃいませ!!」

店のカウンターの所に立っていたのは、一人の少年だった。

「君がこの店のご主人?」

違うと思うが聞いてみる。

「違うよ。ご主人様は奥で剣を作ってるよ。」

案の定違ったので、とりあえず少年に砥ぎの依頼と欲しい武器を言ってみた。

「この武器を砥いでもらえないかい?」

「これは明らかに新しいの買っちゃった方が良いよ?」

「そうだよね。そう思ったからさ、代わりにこれは溶かしてナイフを作ってもらえないかな?」

「分かりました。」

「後は・・・。」

自分の欲しかった武器について聞いてみると、やはり太刀は無いようだ。残念ではあるが、一番重い大剣を出してもらうと、かなり重かった。

「よく片手で持てますね・・・。」

呆れ顔で少年が言った。

それもそうだろう。少年が扉を開けて、なんとか引きずり落とすのが限界だった物を片手で振っているのだから。

「よし、これを貰おう。弓は一番張りの強い物でお願いして良いかな?」

「はい。」

そう言って違う戸棚から出してきた弓に驚きを隠せなかった。

それは黒く、どこまでも引き込まれてしまいそうな黒い色をした弓。

それは、俺の原点だった。

「何で・・・何でこれがここに・・・?」

「・・・?これは商人が売っていたものを買ったものですが・・・?」

「そ、そうですか。これを下さい。」

「分かりました。矢はどうしますか?」

「有るものを下さい。」

「えーっと、この二つとナイフ、弓は矢付きで金貨50枚ですが・・・大丈夫ですか?」

「大丈夫、今払っちゃうね。」

龍貨5000枚を手に入れた俺にとって特に痛い出費でもない。

それよりも、俺にとってダメージが大きかったのはこの弓だった。

これはさっきも言ったが俺の原点。俺の深い所に関わる物だ。弓の強さは変えられているようだが、それ以外はすべて元のままだ。

「あの・・・。」

お金をゴソゴソと弄っていた俺の前で少年が躊躇いがちに話しかけてきた。

「どうしたの?」

「お願いがあるんです。」

「なに?」

「お姉さん、冒険者ですよね。」

「そうだけど?」

「ある二人を助けてほしいんです。」

「ある二人?」

「はい。僕の友達で、とてもいい人なんですけど、ある時から苛められているんです。」

「ふーん。で?」

「その二人を助けてやって下さい!!お願いします!!」

顎に手を当て、3秒ほど思考の海に沈む。

「・・・いいよ。」

「かるっ!?」

「その子は昔から苛められていた訳じゃ無いんだね?」

「はい。」

「君とその子は毎日のように会っている訳でも無い?」

「何でそんな事まで?」

「ただの推測だよ。」

俺には思い当たっている事があった。そのためには彼に許可を取らなければならない。正直に言えば彼だけでなく、その張本人の二人からも許可を取るべきなのだが、それは後にする。

「君はその二人が生きていれば会えなくてもいいのかい?」

「・・・えっ!?」

「その二人にはもしかしたらある事が起こっているかもしれない。その時は、私の力を使ってその二人を隔離する必要がある。」

「・・・。」

「だから、君は会わなくなる覚悟も出来ているのかと聞いているんです。」

「あの二人が生きているなら会えなくてもいいです。」

「そっか・・・。分かった、私がその二人を助ける。その代り、二人の居場所を教えてくれない?」

「あの二人は、今は孤児院に住んでいるはずです。」

「分かった。ナイフは三日でできるかな?」

「あっ、ハイ。出来ると思います。」

不意打ちを食らったのかハトがグレネードランチャーを食らったような顔を少年がした。

「その時に二人と合わせてあげるよ。」

そう言って、金貨をカウンターに置き、剣と弓を持つ。

「じゃ、また三日後。」

「あ、ありがとう御座いました。」


・  ・  ・


「お姉ちゃん。」

「なに?」

「何であんな依頼受けたの?」

「・・・。あの子が言ってた二人の子供、スキル持ちの可能性がある。」

「えっ!?」

「一応ね、見てみて異常が無かったら苛めの元をどうにかするよ。」

「・・・。分かった。」

「今日は帰って寝よう。」

「そうだね。」


ハトがあんなもの食らったら、まず死にます。人でも死にます。

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