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始まり27 『ダークマター…。』

やっとの事で30回突破・・・。

これからも頑張ります!

「おはよう御座います。」

「おはよう。」

早めに起きて厨房を借りることを城の料理長に頼んで、食材を運んで来た所にティナさんは現れた。

「何を作る気なんですか?」

「私の居た所で作られていた料理をこっちの材料で作ってみようかと思っているんですよ。」

「へぇ。これは何ですか?」

そう言ってティナさんが珍しそうに眺めているものは、カレールーだった。

「それがこの料理を作るのに大切なんですよ。」

「いや、聞いている所は其処じゃ無いでしょうが。何なんですかこれ?」

うーん改めてなんだと聞かれると・・・よく分からなかったりする。

「調味料みたいなものかな?」

「へぇ、これがですか。」

「まあ、僕はこっちで作るんで、そっちで野菜炒めを作ってもらえませんか?」

これは小手調べだ。ここからならよく見えるからどんな風になるかは見ることが出来る。

「分かりました!」

凄い張り切ってるなぁ。

「はい、これ。」

野菜の袋を渡し、既に調理に取り掛かる。野菜の皮をむき、野菜を切りボウルに入れていく。ティナさんも慣れない手つきながらもがんばっている。

よし。ちょっと気合を入れて野菜を片付けていく。

俺の包丁は護身用を兼ねているため良く切れる。素人に渡せばあっという間に指の山ができかねない。

野菜を切り終わり、肉も準備が出来た。それらを底が深めの鍋に入れる。

それらを炒めながらティナさんを見ると、頑張って野菜を切り終えたようだ。

水を入れしばらく待っている間、ティナさんを観察することにした。

切った野菜をフライパンの様な物に入れ、炒め始めた。

そこで一回鍋のふたを開けかき混ぜてからカレールーを入れ、再び混ぜながら観察する。

そして、しばらくそれを眺めていると、いきなり野菜が真っ黒な物体に変わった。

「何が起きた!?」

「いや、私が火を使う料理を作ろうとすると何時もこうなるんですよ。」

「・・・。」

これは思ったよりも大変だ。

そう思い、眼帯を外して右目でティナさんを見てみる。


特性:色の神の分身、絵の天才、アンチ料理


「・・・何このアンチ料理って。」

「私の特性の話ですか?」

「そうだよ。」

「生まれた時から憑いてたんですよ。」

気のせいか違う漢字が表れたような気がした・・・。

気のせいだ、うん。

「たぶん料理が出来ないのはそのせいですよ。」

「そうなんですか?」

泣きそうな顔で上目遣いにこっちを見てくる。

そういえば言い忘れていたけど、ティナさんはエルフのため、背が小さい。プラス耳も尖っていて、金髪だ。

「そうだと思うよ。」

少しづつ下がりながら話してみるが、ティナさんは一気に距離を縮めて来る。

「何でですか?」

「そのスキルは、例えば火を使う料理を作ったとしましょう。すると、ここまでは焼かないといけない。という最低ラインまで焼いたときに、焦げるように設定されているんです。だから成功しないんですよ。」

「ど、如何すればそれは治るんですか?」

「いや、それをこっちに来たばっかりの私に聞かれても・・・。」

「そうですよね・・・。」

も、物凄い落ち込んでしまっている感じがあるんだけど・・・。

「た、旅の途中で直す手段が分かったら直してあげますからね。」

「約束ですよ。」

「分かってます。任せてください。」

「じゃあ、私は如何すればいいんですか?」

「そこに座って見ていて下さい。」

「分かりました。」

ティナさんは大人しく椅子に座った。

「よっと。」

ちょっと掛け声を掛けながら急いで野菜炒めを仕上げる。

次に此方のフルーツを切って盛り付ける。カレー、野菜炒めも出来ているので盛り付ける。

「作ったのは良いけど多かったな。」

「王様と賢者様を呼びましょう!」

「えー、ヤダ。」

「何でですか!?」

「面倒くさい。」

「いやいやいや、おかしくないですか!?」

「ま、いいや。奈菜さん呼んできて。そうしたら、盛り付けておいた料理を、隣の食堂に運んでおいて。」

そう言って盛り付けをし、手早く片付けると、部屋のほうに戻っていった。

「ルナ、起きて。」

「おはよう。お姉ちゃん。」

「おはよう。ご飯だから一緒に行こう。」

「うん。」

「お着替えしてて。お兄ちゃんと桃香さんを起こしてくるから。」

「うん。」

次は隣の部屋か。


・  ・  ・


「おはよー。」

「ドアを毎回蹴破らないで欲しいのだが。」

「ご飯だから食堂にきてね。」

「スルーですか?」

「じゃ。」

「・・・。」


・  ・  ・


桃花さんは起きていた。

「ご飯なので食堂に来てください。」

「はーい。」


・  ・  ・


部屋に戻ると、ルナが着替えを終えて待っていた。

「いこっか。」

「うん。」

食堂での朝ごはんは、楽しいけど騒がしく終わった。


・  ・  ・


ティナさんの料理はスキルのせいでもあると分かったので、料理を教えようと思っていた時間の朝食後の時間が余ってしまった。

なので、ギルドに行こうと思ったら、ルナがくっ付いて来て、遊ぶことを要求してきたので、一日がそれで終わってしまった。

しかし、ティナさんのあれは予想外だったな・・・。



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