始まり26 『ギルドカードと食材』
単なるお買い物ですw
「これがギルドカードかぁ。」
一枚のカードを見ながらそう呟いた。
ギルドに登録した際に作ることになったのがこのギルドカードだ。
ギルドカードには基本、名前、職業、性別が載っている。
これ等はギルドカードを作るときに自分自身で入力できる項目だ。
さらに、このギルドカードには、イメージすることによって現れる空中投影型ディスプレイのようなものが現れる。そこには能力値や特性等が表示される。
俺のはこんな感じだった。
ルナ・カンザキ
Lv:30
攻撃力:A(250)
防御力:A(250)
魔力:A(2500)
精神:S(8000)
速度:S(8000)
耐久:A(2500)
魔攻:A(250)
魔防:B(100)
職業:勇者
装備:金剣エクスカリバー、銀剣ブラスターブレード、闇剣デュランダル、黒龍石の手袋、黒龍石の靴、黒き腕輪、旅人の服。詠唱破棄の剣、宝剣の太刀×2宝剣の両刃剣×2
特性:光剣の所持者、勇者の加護、深眼(右)
能力値だけで言ったらもうSランクに到達しているそうだ。
ちなみに一人のギルドの職員にこれを見られてしまった為、ギルドマスターの部屋で口封じをしてきた。
ギルドカードを異次元倉庫に放り込み、明日のための食材探しをすることにした。
・ ・ ・
とりあえず色々な所を回ってみたが、この世界の野菜は前の世界と同じような野菜が多い。味に関してはそれを料理した店に行ったため保障できる。
しかし、異質なのは肉や魚の類、それに果物だ。
魔力を浴びて凶暴化したような魚や動物の肉(野菜にも無かったわけではないが少なかった)などが売られている事もある。それ以外にも色々な此方に合わせた成長をした動物も多かった。
この世界で生きていく上で、狩に行き取ってきて食べることや、野宿で、狩ってきた獲物を食べることもあるだろう。そういう事を考えた上で、肉、魚類は此方の世界の物を使うことにした。
これで主食や前菜を作ることは可能だ。
ここで当たる壁が、デザートだ。
此方の果物は、見た目と味が元の世界の物とずれている場合が殆どだ。
あちらの世界の調理法ですると、味と見た目が合わないため、酷いデザートになるなんて事が起きかねない。
これは時間をかけてやるしかなさそうだ。
「お姉ちゃん。」
「如何したの?ルナ。」
「あれ食べたい。」
そう言って指差した先にあったのはちょうど情報を求めていたこの世界のデザートだった。
「よし、食べようか。」
そういった途端ルナの目がひかり、デザートを売っている所に飛び込んで行った。
「やれやれ。」
そう言って追いかけてって見ると、そこにはデザートと言うよりは、果物を切って、何かを添えただけのようなものが多かった。
しかし果物その物の味が出ているので、この果物はこんな見た目だがこんな味がする。というのが良く分かったので有難かった。
ルナは梨のような見た目と触感をして林檎と蜜柑を足して2で割ったような味がした物にちょっとしたソースのようなものがかかっているものだった。
俺は林檎のような見た目と触感をしていてマンゴーのような味のする物をドリンクにした物を飲んでいた。ちなみにこれのソースをかけたものは既に食べ終わっていた。
「お姉ちゃん。」
「なに?」
「美味しいね!」
そう言ったルナの顔はキラキラと輝いていて少し眩しかった。
・ ・ ・
「お姉ちゃん。」
「なに?」
「重くないの?」
ルナからの質問はもっともだった。
だって俺は今、食材の入った袋を6つも抱えているのだから。
「ちょっと重いかな。」
嘘だった。全然重くない。
こっちに来た時手に入れたらしい勇者の加護とやらで筋力も人より優れている体になったようだ。
「持つ?」
「大丈夫。ルナに持たせるわけにいかないよ。私の荷物だもん。」
「そっか。」
夕日が沈もうとしている中、二人の影は長く伸びていた。
特性は書き忘れがあるかもしれないので、後から足すかもしれません。