始まり21 『俺?私?うーん・・・俺!』
明日一日だけ休みたいと思います。
その代り明後日2話分投稿する予定です。
2日目
「・・・お姉ちゃん?」
私、いや、俺?うーん頭の中で俺って言ってるとなんかの拍子で俺って言っちゃいそうなんだよなぁ・・・。でも、うん。頭の中では俺で行こう。
俺のその時の目覚めはこの一言だった。
「・・・ルナ?」
「・・・ぐすっ。」
・・・鼻をすする音を聞いたのは俺だけなんだろうか?
「ル、ルナ?如何したの?」
「・・・心配・・・したんだよ?いきなり出て行って、帰ってきたと思ったらいきなり倒れて・・・無茶したんでしょ?」
「い、いや、無茶って言うかなんて言うか・・・。ごめんね、心配かけちゃって。」
「・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
泣き出しちゃった。
「大丈夫、もう無茶したりしないから。ね?」
そう言って、何とか動くようになった右手をルナの頭に乗せた。
「・・・おねぇちゃん。」
いきなりルナは飛びついてきた。
「いたっ。・・・大丈夫、私が守るから。こんな風にならずに、きちんと。」
「・・・約束だよ?」
「約束もきちんと守るよ。」
ふっと何かの糸が切れたかのようにルナは俺の上に倒れてきた。
「ははっ、ちょっとイテェな。」
そう呟き、ルナの頭を撫でながら窓越しに空を見上げた。
「今日は暑くなりそうだ・・・。」
・ ・ ・
コンコン
「どうぞ。」
「ルナちゃんは・・・やっぱりここでしたか。」
入ってきたのは案の定奈菜さんだった。態々ノックしてから入ってくるなんてこの人だけだろう。
そう思っていたのは雷斗だけで、メイドさん全般がそうなのだ、と数ヵ月後知ることになるが、それはまた別のお話に・・・。
「如何したんですか?」
「ルナちゃんが起きるなり、とてつもない速さで出て行ったものですから探していたんですよ。」
「ああ、そうだったんですか。」
そんなに心配してくれていたんだな、この子は。
「それにしても、今回は無茶をしましたね・・・。」
「ここに来た人全員に言ってますが、それに関してはすまないと思っていますよ。」
「二度とこんな事しないで下さいね。周りが心配します。」
「分かりました。」
「この子なんて最初ソワソワしているだけだったけど、しばらくしたら、私も行ってくる。なんて言い出すものだったから止めるのに苦労したんですよ。」
これには驚いた。この子の行動力を見誤っていたようだ。
「この子ってそこまで行動力が有ったんですね。」
「ええ。行くって言ったときは、周りが驚きまくっていました。」
「ほんとに心配かけちゃったみたい・・・。」
「ま、反省だけしていただければ此方としてはいいのですが・・・。あ、あとは少し自重して頂けると此方としてはありがたいですが・・・。」
「・・・善処します。」
「じゃ、ルナちゃんを連れて行きますね。」
「お願いします。」
そう言って奈菜さんはルナちゃんを静かに抱き上げ出て行こうとした。しかしドアの前で少し立ち止まった。
「・・・心配したんですよ、私も。」
「?奈菜さん、何か言いました?」
「いえ、何でもありません。ゆっくりお休み下さい。」
今度こそ奈菜さんは何もせずに出て行った。
「・・・なんだったんだろう?」
こうして2日目も過ぎていった・・・。
恋愛要素は今の所微妙です。
メイドさんと幼馴染とお姫様とちっこいの以外は出て無いので当り前ですね。
そのうちあるかもしれません・・・?