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プロローグ

 初めてです。頑張ります。

 暑い。携帯電話の画面にはAM9:48分と表示されていた。八月は朝から暑かった。すでにこの時間で気温は27℃

 

 ただそこに立っているだけで汗が流れ落ちるのを感じるほどだった。長い上り坂を原付を押しながら歩くには、すで限界に近い体力である。二日酔いの僕には、死さえ近い気分なのだ。交通はまばらで三台に二台は軽トラ。

 

 聞こえてくる音はセミの声と川のせせらぎ、風で木の枝がこすれる音が寂しく響くだけ。僕は昨日の自分にかなり反省していた。 

 「あのビールで最後にするんやった。」

 独り言が虚しい

 

 ポケットの中の携帯から(ダース・ベイダーのテーマ曲)が流れているのに気付き、ためらいながらも電話をとった。相手は今年で四十三歳になる母からだ。

 「あんた何しゆんで、さっさと帰ってき。十五分以内に。」

 

 耳をつんざく声は、それだけ言い残し電話を一方的に切った。こんなに空はギラギラと晴れわたっているのに、なぜ自分の所にだけ雷が落ちたのか不思議でならない。

 まぁ、原因は分かっているのだが、自分の汗が先ほどから尋常でないには、夏のせいだけでは無いようだ。

 

 十五分って家まで走っても二十分はかかるんですけど。ガス欠の原付はあてになりそうにもない。二発目の雷を想像しただけでゾッとする。

 家に帰り着いた時には、服から汗が搾れるほどであった。

 

 ジャリッ、砂利をジャリッなんつって。家の庭の砂利を踏みつけて後から気配がした。否、すでに体を動かせないプレッシャーを掛けられている。間違いなく我が家のダース・ベイダーである。

 

 「あんた今まで何処におった。」

 

 「はい、少々、友との会合・・・。」

 僕が全ての言葉を言い終える前に、

 

 「今がどんなに大切な時期か分かる。高3で高3。あんた大学どうするつもり、浪人は許さんで。」

 言い返す言葉もございません。

 

 僕は酒を飲んだことがバレないように息を殺して忙しいのです。しかし、さすが母

 「クサッ、酒臭いし汗臭い。さっさとシャワーに行き、怒る気も失せた。」

 

 いや、すでに怒ってますよ。

 

 母はため息をつき、呆れた表情で家に入っていった。自分も後をつける形で家に入った。タオルを取り、洗濯機に服を突っ込みシャワーにはいる。

 

 やはり、体力の限界。なんとも表現出来ない眠気がやってくる。徹夜の疲れも今になって出てきた。

 

 シャワーを終えた瞬間に、三発目になる母の雷が、また落ちた。

 「もう遅い。今日は市内に行くって言ったろう。自分で行くって言って、もう置いていくで。」

 

 どうも母の声は頭が痛くなる。少しは僕の体もいたわって欲しい。しかも、せっかちである。

 短気になったな母上も

 ボソッとした音にもならない心の声。

 

 「あんた何か言った。」

 母は何でも息子のことが分かるのだろうか。おぉーこわぁ

  そして、市内に向かう車の中、少しづつ少しづつ、僕の夏休みは変化し始める。

 

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