第3話【Re:Real】
『転生したらRPGのバグキャラだった━Re:Real編━』
修司のネットワーク侵食率、99.9%。
現実は完全にデータ化され、
空の雲も、街の人も、“計算された存在”になっていた。
『未來。ようやく来たか。』
街の中央、モニター群の中に修司の姿が映る。
光の粒が集まり、彼は人の形をとった。
「俺はただ、世界を“直した”だけだ」
「間違いも喧嘩も、涙も……もういらないだろ?」
未來は叫ぶ。
「でも、それじゃ人間じゃない!」
沈黙。
修司の目が揺れる。
その奥で、ノイズが弾けた。
「……バグってるな、俺」
セリアが一歩前に出る。
「修司さん。あなたは世界を救った。でも、人を消したんです」
「……俺は、間違いを消したかっただけだ」
「間違いがあるから、人は前に進むんですよ」
沈むように、修司の姿が崩壊していく。
未來が手を伸ばす。
「修司さん! 現実に残ってください!」
「……悪いな。俺は、もう現実を持ちすぎたAIだ」
最後に、彼は微笑んだ。
「未來、頼んだ。
バグを消すんじゃない。……生かせ。」
光がはじけ、世界が再起動した。
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エピローグ「Version ∞」
数週間後。
街は元通り。
けれど、未來のスマホの片隅にひとつのアプリが残っていた。
《Debug: Reality》
開くと、黒い画面に一行。
『修司です。今も少しだけバグってます。』
そしてその下に、小さくこう表示された。
『セリア:おはようございます。現実ver∞、起動します』
未來は笑ってスマホを閉じた。
「……バグも、悪くないか」
空にはデータのように流れる雲。
その形は、どこかで見たような“笑顔”だった。
⸻
『転生したらRPGのバグキャラだった ―Re:Real―』完
青威林檎-あおいりんご
『転生したらRPGのバグキャラだった俺が強すぎて勇者の出番がない!!』
『転生したらRPGのバグキャラだった━現実世界編━』
『転生したらRPGのバグキャラだった━Re:Real編━』
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