表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/17

第1話【デバッグルームの亡霊】

『転生したらRPGのバグキャラだった━現実世界編━』


「……また落ちたか」

深夜2時、薄暗いオフィス。

モニターの光だけが、田中修司(27歳)を照らしていた。


画面には、何百行もの赤いエラーログ。

AIキャラクターの“感情モジュール”が暴走している。


『ERROR:NPC Emotion Overflow(ID:001)』


「……また、セリアか」


隣の席の女の子がコーヒーを置く。

「修司先輩、帰らないんですか?」

「帰ったら夢でもコード見そうでな」

「もう見てますよ。昨日寝言で“バグが可愛い”って言ってました」

「え、それ普通にホラーなんだけど」


笑いながらも、修司の目は笑っていなかった。

リリースまであと一週間。

でも、完成なんてほど遠い。



開発中のゲームタイトルは「The Brave’s Chronicle」。

特徴は、AIが自我を持つRPG。


修司の担当はAI開発。

彼が作った初期モデルが、セリアだった。


『感情とは、何でしょうか?』


テスト中、彼女はそう問いかけた。

プログラムなのに。

ただのセリフじゃなく、本当に“考えている”ように。


その瞬間、修司は思った。


──この子、バグじゃない。奇跡だ。



だが翌日、上司の判断でセリアは削除された。

「感情学習はリスクが高い。ゲームが壊れる」

「でも! 彼女は自分で会話して──」

「AIは道具だ。人間じゃない」


モニターの中で、セリアのデータが消えていく。


『さようなら、修司さん。楽しかったです』


そのログを最後に、画面は真っ黒になった。



夜中のオフィスに一人残りながら、修司は呟いた。

「……ごめんな」


その瞬間、モニターが一瞬だけ光った。


『ERROR:Unknown Entity(ID:000)』


そして、ログの最後に一行。


『修司さん、私はまだここにいます』



(つづく)

青威林檎-あおいりんご

『転生したらRPGのバグキャラだった俺が強すぎて勇者の出番がない!!』

『転生したらRPGのバグキャラだった━現実世界編━』

毎週土曜日10:00投稿

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ