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異世界だんじょ……ン?攻略!? ギルマスのしゅき録  作者: 辛味亭
第1章、装備がなければ作れば良い
28/29

028.突撃!隣の異世界ご飯の前準備 後編

「では、伊白(いしろ)個人間送金(あおいペイ)の確認をお願いします」

「は、はい」



 2人ともラーマフォンとか言うのを操作して何かをしている。

 オレには何をしているか、何を言っているか、全く理解ができない。


 ただ、『あおい』って聞こえたから、伊白(いしろ)の姉が何か関係していることだとは推測出来る。



「確認できました」

「はい」

「ら、らぷっーたっ王………………」



 顔を真っ赤にした日之鳥(ひのとり)みかんさん。

 そんなに言いにくいのか?



「言いにくいのならギルマスでいいぞ」

「あ、はい。ありがとうございます。では、ギルマス、私もみかんでお願いします」



 そう言うとさらに顔を赤くした。

 伊白(いしろ)が無意識にちょっと機嫌が悪くなったような感じがする。

 それも気になったが、さすがに女性を呼び捨てするのは気が引ける。

 伊白(いしろ)(さくら)は付き合いが長くなると想定しての例外中の例外だが、かなり親しい間柄でないと女性の名前を呼び捨てで呼ぶことはない。

 向こうの世界と常識が違うのか?



「みかんさん、これでいいか? すまない、今はこれで許してくれ」

「ふふふ、はい。分かりました。それで…………ギルマス、伊白(いしろ)さん。私も十袋欲しいのですが……」



 みかんさんはラーマフォンを片手にそう言ってきた。

 人のことは言えんが、1億って、そうポンポン出せるモノなのか?

 こっちの世界で実際に買い物をしないと、判断に苦しむな。



「じゃあ、みかんさん、個人間送金(あおいペイ)でお願いします」

「分かりました」

「交換したのはいいのじゃが、桜守(さくらもり)…………運んでくれるか?」

「はい…………」

「あ、(さくら)。そのカードが使えるのなら、お金の持ち運びはカードにチャージしておけばいいぞ」



 みんな、キョトンとしている。

 向こうの世界の常識はこちらでは通用しないようだ。

 これは、見本を見せた方が早いか………………。



「こんな感じで、出し入れは自由だぞ。入れたいと思って、カードをお金に触れさせれば、カードにチャージされ、出したい金額を思って、出したい場所にカードを触れれば、お金が出てくるんだよ。あと、いくらチャージされているんだろうって思えば、頭に金額が思い浮かぶんだ」



 こんな説明で大丈夫だろうか?

 向こうの世界で生活していれば、自然と覚えることだ。

 と言うことで、今までロクに説明なんかしたことがないんだよ。



「ほほう。これは面白いな」

「そうですね。とっても不思議です。一体、どう言う仕組みなんでしょうか?」

(さくら)ちゃーん。ボクもやってみたいよー」

「分かったのじゃ、ほれ」



 (さくら)がチャージしておいた革袋をテーブルの上に取り出した。

 オレが注意事項を言う前に、その革袋に伊白(いしろ)はカードを触れさせた、



「あれ? あれれ?」

「どうなっておるんじゃ?」

「ああ、普通に自分のお金じゃ無いから、チャージできないだけだろ? もし他人のお金を自由にチャージできたら、盗みたい放題じゃないか」



 また、みんなの時間が止まったようだ。

 常識を口にしただけだけど、おかしいことを言ったのだろうか?



「売買取引以外にお金を渡すときは、一言、貸すとかあげるとか、一言添えると、所有権が移るんだよ」

「理解はできても、仕組みがよく分からんが、そんなことで良いのか? じゃあ、伊白(いしろ)。そのお金は貸してやるのじゃ」

「うん、(さくら)ちゃん、ありがとう」



 そう言って、再度、伊白(いしろ)は革袋にカードを触れさせた

 今度は、問題無くカードにチャージできている。



「すごい。すごい。すごい。ちゃんとチャージできたよ」

「それにしても、摩訶不思議な仕組みじゃな」



 と言う感じで、革袋の出し入れがしばらく続いた。



     ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ



 皆の視線が音の方へと向かわなかった。

 音源は一緒だったしな。



「じゃあ、アクティベートを済ませて、移動するか」

「は~い」

「分かりました」

「分かったのじゃ」

「かしこまりました」

「ん」



 いい返事だ。


 

「あ、ごめん。転移門をすぐ設置するから、ちょっと待ってくれ」



 オレは、地域(リージョン)コアの操作画面を開いて、転移門をギルドハウスのオレが使っている部屋に設置し、転移門のミニチュアも作成した。

 その様子を、皆は不思議そうに見ていた。



「何をしてたのじゃ?」

「さっき言ったように転移門を設置していたんだが…………」

「それは分かっておる。ただ手を空中でバタバタしているようにしか見えなかったのでな」

「ああ、もしかして、操作画面が見えなかったのか…………これで見えるか?」

「これは凄いのじゃ」

(あおい)お姉ちゃんが見たら、きっと悔しがりますね」

「こっちの世界にはこう言うのはないのか?」

「こんな感じで、あるにはあるんですが、同じモノを持っていないと、映像の共有はできないです」



 ()(しろ)はそう言うと、自分の目を指差した。

 気になったので、近付いて………………。



「ぎ、ギルマス、近いです」

「あ、すまん」



 息が掛かる距離まで近付いたがよくわからんかった。

 もしかして、()(しろ)の目が光っていたのと関係があるのか?




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