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異世界だんじょ……ン?攻略!? ギルマスのしゅき録  作者: 辛味亭
第1章、装備がなければ作れば良い
25/29

025.デッドorデッド 特攻! 有栖乃家の食卓

有栖乃(ありすの)家の食卓の元ネタはこちら


のえるでやりたい

https://ncode.syosetu.com/n8864eg/

     ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ



 視線が音の方へと向かう。

 オレではないとだけは言っておこう。

 女性陣…………あ、無意識に伊白(いしろ)を含めていたが、とにかく女性陣に失礼なので犯人捜しは良くないぞ。



「すまない。昼食を準備しよう。オレが普段食べているモノで問題無いか?」



 こっちの世界に来るようになってから、食生活は大きく変わった。

 伊白(いしろ)が甲斐甲斐しく世話してくれるんだよ。

 朝昼晩と食事の準備をしてくれるんだ。

 それも無茶苦茶美味しいんだよ。

 嫁に欲しいくらいだ。

 まぁ、どう考えても無理だけどな。


 虚しい。



「え゛っ?」

「期待して良いのか? こんなに早く異世界の料理を口にできるとは、思いもよらなんだぞ。く、紅葉(くれは)はいいよな? いいよな? 問題無いよな? どうじゃ? どうじゃ? 日之鳥(ひのとり)の小娘はどうするのじゃ? それとも、すぐに会社に戻ってわらわからの宿題にとりかかるか? どうするのじゃ?」



 無茶苦茶テンションが高い(さくら)

 思っていた返答と大きく違っていたので反応に困る。

 伊白(いしろ)伊白(いしろ)で気まずそうな表情をしている。


 何?

 この状況は………………。



「あの、その、魅力的な提案なのですが、そんな風に言われると…………」



 悪気があるかないか判断に苦しむ(さくら)の問いに、日之鳥(ひのとり)みかんさんは返答に困っているようだ。

 もちろん、オレも困っている。

 でも、再確認の必要がありそうだ。



「オレとしては、伊白(いしろ)が準備してくれるいつもの食事でよいかと聞いたつもりだったのだが、それじゃあ、マズいのか?」

「ちょっと待て、選りに選って伊白(いしろ)のとは、な、なな、なんで異世界の料理じゃないのじゃ?」

「オレからすれば、異世界の料理だが?」

「そうじゃけど、そうじゃない。そうじゃないのじゃ。わらわは、わらわは…………向こうの世界の料理が食べたいのじゃ」

「食べたいと言われてもなぁ。オレが向こうの世界で食べていた食事って店で出される料理か現地調達の適当料理だぞ。一応、念のために一般的な非常用の保存食である干し肉と硬いパンを持ってはいるが、そんなの、好き好んで食べるモノじゃ無いぞ」

「それじゃ、それでいいのじゃ。わらわは干し肉とパンを所望するのじゃ」



 そこまで言われてしまうと、仕方が無いので、アイテムボックスから、干し肉と硬いパンを人数分出してやった。

 と言うか、アイテムボックスを持っていないヤツを前提にして作られた非常用の保存食だぞ、長期保存できることと持ち運びが楽ってことしか考えられてない食料と言って良いか分からない代物だしな。


 絶対に断言出来る。

 美味しく頂けるはずがないと………………。


 ほら、折角出しても、(さくら)以外は触れただけで分かる干し肉と硬いパンの強度を感じて、食べようともせずに見ているだけだ。



「硬いのじゃ…………」

「保存食だからな。それじゃ、伊白(いしろ)が準備してくれる食事でよいか?」

「そうじゃ、店じゃ。向こうの世界の店で食事をするのではダメなのか?」

「向こうに行っても近場には店はないぞ。店を設置することはできなくもないが、料理人と言うか、国民がいないから、作るヤツもいないし、食材も無いぞ」

「うっ」

「じゃあ、食事を準備するぞ」

「ちょっと待て、ちょっと待つのじゃ。そもそも、伊白(いしろ)、料理ができるようなったのか? あの有栖乃(ありすの)家の食卓の再来と言わしめた料理を作った伊白(いしろ)ができるようになったとは到底思えないのじゃ」

「頑張ったので…………」

「そうだぞ、伊白(いしろ)がいつも準備してくているこのレーションとか料理は色んな味がして飽きないから良いぞ」



 一瞬、オレ以外の皆の時間が止まった気がした。



伊白(いしろ)ぉぉぉぉぉぉぉぉ」

「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



 やはり、ネコ耳はなんとしてでも手に入れなくてはならないな。


 ちなみに、後から聞いたことだが、御鏡(みかがみ)家の分家である有栖乃(ありすの)家の食卓はビョウインオクリ?

 よく分かんないけど、とにかくHP回復薬(ポーション)片手に食事しないと生還できないくらいヤバい殺人料理らしいぞ。

 そう聞くと伊白(いしろ)が再現したと言われている料理を食べてみたい気が………………やっぱ無理そうだ。



「なぁ、ギルマスよぉ。何とかならぬか?」

「何とかって言われてもなぁ。本当に向こうの世界の現地調達の適当料理でもいいのか? 心当たりのある近場で簡単に取れる食材なんて、硬いだけであまり美味しくないぞ」

「さっきの干し肉と硬いパンみたいにか?」

「いや、さすがにそこまでじゃないぞ。飛龍の肉だからな」

「ひ、飛龍? もしかして、ドラゴンか?」

「まぁ、ドラゴンとも言えなくもないが、ただのトカゲに羽根が生えただけのでっかい空飛ぶトカゲだぞ。本当に良いのか? 周辺に山や森があるから、そこに食材になりそうなのが、いるかも知れんが、まだ、オレも調べていないんだよ」

「いい、ドラゴンで良いのじゃ」

「だから、飛龍だって」

「ドラゴンとも言えなくもないって言っておったじゃろ」

「確かに言ったけど…………」

「わらわは、ドラゴン食べたい。ドラゴン食べたい。ドラゴン食べたい。ドラゴン食べたい。ドラゴンのフルコースが食べたいのじゃ」



 チラッと紅葉(くれは)さんの方を見た。

 紅葉(くれは)さんも甘いなぁ。



「分かった。向こうの世界に戻って、現地調達の適当料理にするか」

「良いのか?」

「オレはレーションで充分だけど、(さくら)が食べたいのなら仕方が無い。でも、本当に期待するなよ」



 と言うことで、飛龍を狩ることになった。

 こうなったら、取って置きの日のために買っておいた、取って置きのを出してやろう。



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