たぶん、おそらく、けっこう、ほとんど....
フェイスガーゼはして欲しい?して欲しくない?
寝てしまって恥ずかしいからして欲しい。いやいや、息苦しいし、メイクもしてるからやめてほしい。そんな声を聞きます。
ウチは、目だけ隠すように軽くガーゼをさせてもらってます。まぁこれは、お客様がよりリラックス出来るようにと、眩しくないように目を隠してるんです。
いちおう、ウチは暗がりのシャンプー台ですけど、少しでも癒しに集中してもらおうと、そうしてます。
稀に、視線を感じる時があるんです。……ガーゼの横の隙間からお客様がこっちを見てるんです……ヒィっと……失礼しました。怖くはないんですよ、ただ……えっ?ってなるんです。
何も語らずに……ただじっと見てるだけ……これは別に、わたしに興味があるわけではないんです。いや、あるかもしれないけどね。
お客様からすると、こっちから見えてないと思ってるんじゃないかなぁ?見えてますよ。がっつり見えてます。むしろ目が合ってるまである。
だけど、シャンプーが終わると何事もなかったように「あぁ、気持ち良かったぁ」って言ってくれるんです。……怖くないですか?怖いでしょ?いやまぁ、さっき怖くないって言っちゃたんだけどね。
でも、たぶん、おそらく、けっこう、ほとんどの美容師さんが経験してて、「美容師あるある」じゃないかなぁ?あの時のお客様は、いったい何を考えていたんだろう。ミステリーです。
もしかして、皆さんソレやってません?やってますよね?めっちゃ見てる時ありますよね?
そうですか。でもいいんです、見ちゃって下さい。お客様が見たいのであれば、そうして下さい。でもわたしは「どうかされました?」とは聞きませんよ。なんか、いろいろ考えちゃうタイプなんですよねぇ……お客様に、そのことを聞いてしまって気まずくならないかなぁ?……とか。お客様からすると、見えてないと思ってるかもしれないから「見えてますよ」って言うと恥ずかしいかなぁ?……とか。考え過ぎ?
わたしクラスのシャンプーマンは、お客様の深層心理まで読み取ろうとするからね。でも、なんかいろいろ考え過ぎて疲れちゃうタイプでもあるしなぁ……お前って考え過ぎじゃね?みんな、そんなに考えてねぇって、もっと気楽にいけよ!……ハァ?お前ら男どもは考えて無さすぎなんだよ!なんで、それで許されてんだよ!なんで、それでお客様に接することが出来るんだよ!わたしにも、その図太さを分けてくれよ!……失礼しました。男とか女とか、こんな世の中言っちゃいけないっすね……でも少し……少しでもその図太さが許される特権が、わたしにもあったらいいなぁ




