46/49
あざ
「傷つけたいわけじゃない」
そう言って踏みきれない私を
みんなは優しいと言う
優しすぎると
でも違う
傷つけると傷つくんだよ
知ってるでしょ?
ほら、こんなに痛くて苦しい
内出血はどんどん濃くなり
わざとらしくみんなの目をとめる
誰にも何にも触れられたくないのに
いつの間にか自分の指を押しつけていて
痛みを確認して安心するなんて
どこまで趣味が悪いんだろう
もう繰り返したくはない
これが優しい?
弱いの間違いでしょ
弱くてずるくて一人じゃ歩けない
純粋なふり
鈍感なふり
馬鹿なふり
楽に生きていくには演技力も必要
割りきれると思っていたのに
今の私は
自分の演技にのまれてしまった