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徒花
花が一面に咲き乱れ
その間にある一筋の小さな川
透明の帯に流れる雲が映りこむ
水音が気にならなくなると
吸い込まれるような閑寂に静かに心が冷えていく
隣りにあの人がいたら
あの日のまま一緒にいられたら
思い出になって初めて気付いても
もう遅い
水鏡に映る自分の隣り
見える影のない空間に息が詰まった
もしもあの時素直になれていたら
もしも違う決断をしていたら
もしも二人が出会わなかったら
きっといろんな可能性があったはず
自分が選んだ未来がコレだ
もっと早く認めてしまえば
もっと早く楽になれたかな
「戻りたい」
願い続けた自分は川底へ預け
ガムを口へと放り込む
神様
神様
こんなにも離れがたい人が出来た私は
幸せなのでしょうか…
答えは自分で呟いて
ピーチミントの香りを合図に
街へ向けて歩きだす
さあ
一気に時を進めよう