表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ことのは  作者: 大山椒魚
18/49

魔女の名前

『ヘンゼルとグレーテル』『逃れの森の魔女』をもとにしています。



甘いあまいお菓子の家の中には

怖いこわい魔女がいる


お菓子の匂いに誘われた

可愛いかわいい子どもたち


魔女は子どもが大嫌い

わがままで乱暴で役立たず


長い間待ち望んでいた魔女は彼らを大いにもてなし、そして直後に豹変した


子どもたちは閉じ込められ、魔女を恐れた

魔女も彼らを恐れていた


やがて子どもたちはお菓子の家を出た

魔女をやっつけたのだ


魔女はどこかでこうなることをわかっていた


無邪気で強い子どもたち

身勝手で無神経で愛しい


どうして彼らを食べることなど出来る?


可愛くて立派な子どもたち

いつかは離れていくと知っていた


魔女が知らなかったのは…




魔女は子どもが大嫌い

どんなに愛してもやがては離れていく子どもたち


例え嫌われたとしても

側にいてくれるだけで救われた

寝顔を見るだけで心が温かくなることも知った


ある日魔女は隠していた金貨や宝石を

わざと目につく場所に出した


いつか逃げ出す子どもたち

その先で辛い思いをしないように

私が怖がらせてしまった分も

幸せを取り戻せるように


彼らにとっては命が懸かっているのだから

逃げる為ならどんなことでもするだろう


私に出来るのは

最期まで怖い魔女を演じきること



「昔々、この森にはお菓子の家があったんだ。そこには怖い魔女がいて、迷いこんだ子どもを食べていたんだってさ。だけどある時、勇敢な兄妹がやっつけたんだ。広場に像があるだろう?彼らの名前は…」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ