窒息
毎日、が苦しくて
息が続かない
こんなに人で溢れた世界なのに
私を見てくれる人はいない
みんな他人なんてどうでもいいんだから
私が生まれたときに何か変わりましたか
この世界の何かが
人口なんて言わないで下さいね
そんなの私じゃなくても構わないんだから
あれ、答えられませんか?
命の尊さや個性の大切さを語るあなたが
答えられないのですか?
すみません
困らせるつもりじゃなかったんですが
存在の意義がないなら消えても構わない
そう思う私は間違ってますか?
あなたがどんなに人生の意義を唱えても
私には響かない
あなたの人生は私のそれとは違うから
一般論が全ての人の心に届くと思わないで
そんなふうに全てに見切りをつけて
今日もレンガを積み上げる
誰も入ってこれないように
隙間から外が見えてしまわないように
楽しげで怖い音が聞こえないように
高く、高く
ある日、埋めたはずの隙間から光が差した
闇に溶けかけていた私には眩しすぎて
思わず目を閉じた
力ない手でふさごうとした
その時
声が
声が聞こえた
あれ程うんざりして離れた世界
耳に痛い笑い声
狂いそうなほど色に溢れた街
そのどれもが懐かしく
思わず出た言葉に涙がこぼれた
「生きたい…」
消えたいから苦しかったんじゃない
私は生きていきたかったんだ
生き方がわからないのなら探していこう
光に慣れ、声を出せるようになろう
少しずつでいい
このレンガを崩して
ゆっくりと世界を感じよう