後書き 書くに至った経緯など
まず、ここまでお付き合いいただいた読者の皆様、本当にありがとうございました。
初めましての方は初めまして、坂下茉莉と申します。「まるぱんだ」と名乗ることの方が多いですが……最近はめっきり小説を書かなくなって、代わりにイラストに精を出すようになりました。
高校時代から大学2回生の頃まではここでよく書いていたのですが、代表作『私の天職は巫女だそうです!』のような32万文字もの長編小説を、当時はいったいどうやって書いていたのやら。
さて、3回生になったある日。大学のサイト(学生が履修登録とかするポータルサイトの掲示板)を見ていると、「京都文学賞」の募集案内が出ているではありませんか!
これはぜひ応募したい、とアイデアを巡らせていた時、その少し前に話題になっていた舞妓問題を思い出しました。Twitterにて、京都の花街で舞妓が酷い扱いを受けている、と告発されていたものです。
それまでずっとファンタジーを中心に書いていましたが、「文学賞」を冠した賞に作品を応募するにあたり、せっかくだから何かを訴えかけるような、現実問題に即した、ダークな作品を書いてみたくなりました。そんな中で、舞妓問題という題材は良さそうだなと。
しかし、書き慣れていないジャンルなのもあり、重苦しいばかりだと読者だけでなく私自身もしんどくなってしまう……そこで、舞妓の素晴らしさを語る「純一」と、ネアカな少女「杏」、そして主役として闇を語る「四つ葉」を視点人物として交互に据えよう、と決めました。(それでもなお、誰が味方かわからない〜みたいなシーンを書いている時には悪夢を見たりしました())
復讐劇という形にしたのは、とある大好きなドラマの影響を受けています。しかし、やはり慣れないジャンルに手を出したせいか、全体的に中途半端になっていたかもしれません。
悪賢く策略を練るようなキャラを書くには、書き手はもっと賢くなければならないのです。それは学力というより、知恵とも呼ぶべき何か。さらに、人が倒れる描写を躊躇いなく書き切れるだけの冷徹さ。私はまだ、その辺りの力が足りていなかったように思います。とりあえず、しばらくは心温まるファンタジーを書こう……()
そんなこんなで、結局一次選考で落ちてしまったのですが、今の私が書けるストーリーで、完結までは形にできた。それをまずは及第点とみなそう、と思います。
もう一度、ここまで読んでくださった皆様に最大限の感謝を。
感想、ご指摘、レビュー等いただけると励みになります。今後とも、まるぱんだ/坂下茉莉をよろしくお願いいたします!