白詰草の佇まい
舞台は古都の花街、知る人ぞ知る古き良き茶屋「やなぎ荘」。重ねた歳の分だけ貫禄を纏いつつある男、「東山純一」は、ここでひとりの舞妓、「四つ葉」と出会う。大阪の現代的な街並みに生きてきた彼だったが、この瞬間、彼女の雅さ、淑やかさに魅了され、とうとう花街の世界にはまり込んでしまう。様々な舞妓や芸妓と語らう中で、四つ葉が他にない魅力を秘めていることに気づくと、いつしか彼女との対話を夜毎に愉しむようになった。しかし、四つ葉には誰にも言えぬ「暗い秘密」があった――
時を同じくして。喫茶店やおしゃれなものが大好きな女子大学生、「深草杏」は、ある日、祇園のスタジオで舞妓体験をし、舞妓というものにすっかりときめいてしまった。浮かれながらの帰り道、ひょんなことで、ホンモノの舞妓――四つ葉と出会う。いくらか喋った後、何やら手書きの本を手渡された。それは、舞妓の芸を細かくまとめた手帖であった。それ以来、杏は自室でその技術を独学する。杏と四つ葉もまた、静かに繋がっていたのである。
純一と杏、そして四つ葉の物語が、花街の茶屋で交差する。彼らの抱える過去、秘密、そして運命の行方やいかに。
【第4・5回 京都文学賞に応募していた作品です。一話1500〜3500字程度】
時を同じくして。喫茶店やおしゃれなものが大好きな女子大学生、「深草杏」は、ある日、祇園のスタジオで舞妓体験をし、舞妓というものにすっかりときめいてしまった。浮かれながらの帰り道、ひょんなことで、ホンモノの舞妓――四つ葉と出会う。いくらか喋った後、何やら手書きの本を手渡された。それは、舞妓の芸を細かくまとめた手帖であった。それ以来、杏は自室でその技術を独学する。杏と四つ葉もまた、静かに繋がっていたのである。
純一と杏、そして四つ葉の物語が、花街の茶屋で交差する。彼らの抱える過去、秘密、そして運命の行方やいかに。
【第4・5回 京都文学賞に応募していた作品です。一話1500〜3500字程度】
プロローグ 古都の花街
2023/09/13 13:39
第一話 (純一)ありふれた日々
2023/09/14 14:00
第二話 (杏)ときめきの街
2023/09/15 14:00
第三話 (四つ葉)あけぼのの置屋
2023/09/16 14:00
第四話 (純一)大人の隠れ家
2023/09/17 14:00
第五話 (杏)出会いのあとで
2023/09/18 14:00
第六話 (四つ葉)嵐の前に
2023/09/19 14:00
第七話 (純一)みやびの皇女
2023/09/20 14:00
第八話 (杏)ふるさとの苦味
2023/09/21 14:00
第九話 (四つ葉)ほころびの始まり
2023/09/22 14:00
第十話 (純一)幼き乙女
2023/09/23 14:00
第十一話 (杏)夢の世界のこちら側
2023/09/24 14:00
第十二話 (四つ葉)台風の目
2023/09/25 14:00
第十三話 (純一)家族の追憶
2023/09/26 14:00
第十四話 (杏)日常の中で
2023/09/27 14:00
第十五話 (四つ葉)苧環のほつれ
2023/09/28 14:00
第十六話 (純一)天使の涙
2023/09/29 14:00
第十七話 (杏)嬉しい繋がり
2023/09/30 14:00
第十八話 (四つ葉)信じるということ
2023/10/01 14:00
第十九話 (純一)本当の心は
2023/10/03 14:00
第二十話 (杏)バトンは渡る
2023/10/04 14:00
第二十一話 (四つ葉)約束を果たす日
2023/10/05 14:00
第二十二話 (純一)運命の歯車
2023/10/06 14:00
第二十三話 (杏)白詰草の佇まい
2023/10/07 14:00
後書き 書くに至った経緯など
2023/10/08 14:00