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「てめえどこから現れやがった!そいつの仲間か!」」


「さっきの光もお前がやったのか!そのガキを助けたところで大した金にはならねえぞ!」


 突如として現れた男に銃を向けながらごろつき達が凄む、至近距離で銃を向けられている男アダムは転送直後からいきなり揉め事に巻き込まれてげんなりしつつも、男たちと少女の間にするりと身体を入れ少女を庇うように立ちふさがった。


「そう思うのも無理は無いと思うが、彼女とは全く関係は無い、無いんだが困ってる人や傷ついている人は見過ごせない性質でね、見逃してあげることは出来ないか?」


 申し訳なさそうにしながらもそう要求してくるアダムを見てリーダー格の男ははきょとんとした表情で仲間たちと顔を見合わせ大きな声で笑い出した。


「こいつぁおもしれえ丸腰のお前に譲歩してこのガキを見逃せだって?」


「その通り!見たところ小さな子供だろう大の大人が集まって恥ずかしくないのか?」


 大げさな身振りで笑いながらそう告げてくるアダムの方を見てリーダー格の男は一緒にひとしきり笑った後急に真顔に戻り構えていた銃のトリガーを引いたそのままマガジンに込められた弾薬が尽きるまでトリガーを引き続けた。銃撃が止みそのまま崩れ落ちるアダムを見ながら足元に唾を吐き捨てた。


「おい、お前ら万が一があっちゃならねえもう何発かコイツにぶち込んでおけ」


「わかりやした!それにしても何だったんでしょうねコイツは」


 仲間からの問いかけに、薬のやりすぎで頭がイカれちまった大馬鹿野郎なんじゃねえのかと答えながら目の前で起きた惨劇に青ざめた表情をしている少女の方へ歩いていく。


「お前がブツを素直に渡していれば俺たちは引き上げていてあのイカれ野郎も死ぬことは無かったのにな

 早めに吐いてくれるとアイツ見たいにならなくて済むぜ?」


 その問いかけにも答えず座ったまま下を向き口を噤む少女に残忍な笑顔を浮かべた男は近づいていく


「俺だって本当はこんなことしたく無いんだぜ?だからさっさとブツの隠し場所を教えてくれよ」


 肩口まで伸ばされていた少女の黒髪を掴み無理やり引きずり起こしそう問いかけるも、苦痛に顔を歪ませながらも知らない物は知らないと答える少女に再び腕を振るう。


「強情な奴だなぁ、嫁の貰い手が無くなっちまってもしらねえぞ」


 先ほどとは逆側を打たれた少女は再度地面に倒れこんだ。


「オラッさっさと立たねえか!」


 再び髪の毛を掴まれ無理やり起こされそうになったその時リーダー格の男の背後で、仲間たちの悲鳴があがる、驚いて振り返った先には先ほど間違いなく銃撃で蜂の巣して倒れ伏していたはずの男がゆっくりと立ち上がる瞬間だった。

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