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異世界革命 Rewrite  作者: 夜野 海
1章:異世界への転生
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3話:バリアスについて

俺と対面で、深刻そうにレオは語り始めた。

「この世界は…まず、魔物がいるよね。さっきのオークとか。」


「うん。いたな。」


「そんな魔物を統べる、『魔王』がいるんだよ。それも複数体。」


「へぇ…?」


複数体…?俺の勝手なイメージでは魔王というのは1人なんだが…


まあ、世界それぞれだよな!ここはもとより異世界なんだし!


それから俺はレオの話を黙って聞き続けた。


「その上の魔王の種類があって、『覚醒魔王』がいる。あ、ちなみにそのまんまの意味ね。さらにその上、このバリアスの魔物、魔王類を統べる者『悪魔』がいるの。それと対に、人類を統べる者『天使』もいる。2人は共に敵対関係で、だけど戦争はしてない。けどついこの前、天使が死んじゃって…今は人類の安全が確保出来ない状態なんだよ。この前だって国が3つぐらい潰された。」


つまり、バリアスは危険な状態なんだな…俺はレオの話でそう捉えた。


そして俺はレオに思わず聞いてみた。

「打開策とかは…?」


レオはまだ深刻な顔をして答える。

「…ひとつだけ。ある。」


「…それは?」


「『革命者』だよ。悪魔を倒すことでこの世界に革命を起こして、世界を平和にする、ていうやつ。昔はいたんだけどね。今は悪魔に殺されちゃった。」


革命者…

俺のイメージだと勇者的扱いなのかな…?

ん~…「だったら俺が革命者になるよ。」


「………え!?」


レオは少し長めの沈黙を置いて驚いたようだ。


「え、ちょっと待って…えー、まずまずどうして?」


「どうしてって…この世界のこの状態を、少なくとも俺はそのままは見てられない。」


そんな言葉を聞いて、「…ふふっ。」と、レオは少し笑った。


そしてそれに続けて言う。

「優しいんだね、ルアは。けど…」


「けど?」


「今のルアの強さじゃ無理だよ~。」


ガーン!俺はその時強い衝撃を覚えた。

「いや、確かにそうだけど~!そんなはっきりと!?」


「ははは。あっ、そうだ。」


レオは何か思いついたように、椅子から立ち上がった。そして少し離れたところに置いてあった、手鏡を持ってきた。そして俺にそれを渡した。


「はいこれ。自分の姿、まだ知らないでしょ?女としての、ね。」


レオは、なぜか俺が元男だということを知っているかのようだ。


「あれ?話したっけ?そのこと。」


俺は手鏡を持ちながらレオの方を向いてそう言った。


「いや、話し方で何となく、ね。」


「なるほどね……ありがとう。」


俺は恐る恐る伏せていた鏡の面を自分の方に向けた。


すると、そこに写ったのは、女の子の顔。綺麗に形が整っていて、可愛らしい。瑠璃色の瞳で、髪色は驚くことに、青藍せいらん色をしていた。そしてその長さは、手を後ろに回して触った感じ、肩甲骨の下辺りまで伸びている。


…長っ!そんな新しい顔を手鏡でまじまじと見ていると、レオが話しかけてきた。


「気に入った?」


「…まあね。」顔がタイプだし、声も可愛いし。何かと気に入った。…まあ、心の中にその気持ちは留めておくけど。


「ねぇルア。」


俺はレオに、手鏡を見たまま答えた。


「ん~?」


「革命者と同時進行で『魔女』になるつもりはない?」


唐突だな。

「…なんで?」


「理由は色々あるけど…やっぱり1番は、革命者に値する強さを手に入れるためだよね。」


…なるほど。確かに、この世界を救うため、強さは必須なのだろう。


「ん~、わかった!魔女になってみたい!」


俺がそう言うと、レオは笑った。


「んふふ。良かった!それじゃあ魔女学校に行こうか。」


「うんうん。いつ?」


「今から。」


「え、今から…?どういうこと?」


「そのまんまだけど?今から私が魔女学校に送るから、そこで魔法について3時間ぐらい学んで来て欲しいだけだよ~?」


「3時間…わかった~けど、そんな時間だけで魔法とか使えるの?」


「3時間あれば十分だと思うけど?」


…?…まあ、やるしかないよな。俺はそう思って椅子から立ち上がった。


そして一息ついてからレオに言った。

「よし!送ってくれ!」


それを聞いて、レオは俺に手を伸ばし、肩に手を置いた。


「じゃあ送るけど…あ…!」


レオは何かに気づいて、驚いた様子だった。


そしてその後、微笑んで俺に言った。


「気をつけてね?」と。


「気をつけて?それってどういう…」


俺がその後の言葉を言い終わる前に、俺はレオに魔法で飛ばされた。


静寂で縦も横も高さも驚く程にある場所、その中心で成人の男が座って目をつぶり、瞑想をしている。そこは何も無い殺風景。俺はそんな所に飛ばされた。


気づけばその景色が目の前に広がっていた。わぁっ…!魔法ってすごいんだな…!と、俺は思った。そしてコネクトに、声には出さず、心の中で尋ねてみる。


『なあコネクト。ここってほんとに…』


俺がそれを言い終わる前に、コネクトは俺の言いたいことを悟り、それに答えた。


『はい。魔女学校の中です。』


『へぇー。随分とでかいんだな…』


『はい。それはそうと、あの人に話しかけてみてはどうですか?』


俺はそう言われて、彼のことを再び見た。

彼はまだ目をつぶっている。


『あの瞑想中の人?』


『はい。かなり強い魔法使いだと思いますよ?』


『…わかった。さんきゅ、コネクト。』


『いいえ。』


俺はコネクトの言葉に従い、彼に近づいていった。そして話しかける。


「あの~…」


「……」


彼は無言で目をつぶり続け、俺を見ようともしない。


「…あの~…」


俺がそう言って彼の肩に手を触れようとした時、彼の体が前方に少し傾いて、その後元の位置に戻った。それをあえて擬音語で表すとするならば、コク…コク…、といったところだろう。


…あれ?寝てない?

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