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2話…ひとり、最高な俺


 (ワダチのやつ、この時間いつもどこ行ってんだろう?)

 (あっ、そうだ、たしかわだち君に用があったんだけれど何だったっけ?)


 とは言っても、こちらから積極的にアクションは取ってないが、多少は自分のことを気にかけてくれている、一人や二人の、男子や女子が、まあ、いるにはいる。

 そんな軽い人間関係でさえ、時にうざったく感じてしまうのは、よほど、俺は独りが好きだからなのに違いない。


 (友達なんて要らない)


 そう、これが究極の本音であり、かつ、己の日頃の信念でもあるのだ。


 「そう、天上天我唯我独尊と、東洋のお偉い方もおっしゃったではないか」

 「フフッ」


 どうだ、別に自惚れで言ったのではないぞと、友達トモダチと、群れをなすことばかりに時間を費やしているリア充達に説いて聞かすかのように、嵩高なふうに腕組みをする、孤高が似合うとでも思っていそうな彼。


 「そうさ」

 「いつどんな時でも、最高なのはこの俺なんだ」


 他の誰でもない。

 わかりきっていることかもしれないが、そう自覚することこそが、アイディンティティの確立にも有効である。


 「フッ」


 って、なんて、俺はエラそうに考えているんだ。

 ちょっとばかり、独りでいる事大好き高校生は、そんな自身の一人語りをも、面白おかしく感じてしまったようだ。

 それにしても、気になったかもしれないが、この俺の名前だよな。

 轍徹。

 わだちとおる。

 ワダチトオル。

 轍を通る。


 「フッ、わだちの跡を通るとか…」

 「人が通ってきた道の上を通るだって?」


 まことに我らしくない。

 実に我らしくないぞ。

 海外へ頻繁に出張に行っている親が口癖のように言うには、なんでも、人の歩いてきた道を進むのが一番ストレスなく済むらしい。

 って、それだけの理由で命名したのかよ。

 なんて安直。

 なんて単純なんだ。

 これほどまでに、わかりやすく、ギャグじみた、はたまたハンドルネームみたいに命名された名前の者は珍しいに違いない。

 まさか何かの試練なのか。

 苗字も名前も難しい漢字だから、小学生の頃はさほど何も言われなかったが、ちょっとばかり知恵がついて小生意気にもなってくる中学生の時分になると、両方ともやはり音読みが同じだからなのか、“テツテツ”というかのがこの俺の愛称、ニックネーム、もっとくだけた言い方でいえば渾名(あだな)になったのだ。

 休み時間でも、休日にどこか遊びに行って街でたまたまばったり遭っても呼び名はテツテツ。


 「テツテツ授業始まんぞー」

 「あっ、わかってるって…」

 「あっ、テツテツじゃーん」

 「あっテツテツだー、今日どこに行くのー?」

 「えっ…?」

 (うぜー…)


 そんな、なぜか付き纏われるような、しかも、異性よりは同性のほうに目立ってしまうという、嬉しくない傾向に、愛想を尽かしたからか、中学の頃には何人かいた友達付き合いも次第にうざったくなって、おかげで今では、友達ゼロ人記録更新中なのさ。

 うん。


 (まっ、別に、友達ゼロだからといって、悪いことしてるわけじゃああるまいし…)

 (いやむしろ、俺は校内の小さなゴミでもちゃんと積極的に拾ったり、面識のないモブ達にもちゃーんと、無言ではあるが微笑じみた会釈をしたり、校舎の裏でひっそりと佇む銅像にも、ちゃーんとこれまたサイレントだが、お辞儀をしたりとだな、…まぁいろいろとやってるのさ)

 (そう、むしろ、一個の人間として、堂々と賞賛されてもおかしくはないじゃないか!)


 と、扉を閉めた便所の中で、孤高のナルシストな雰囲気を醸し出している、ルックスは別にわるくはなく、むしろ凛として引き締まっているが、性格に一癖ありそうな男子高校生は、意味もなくおのれのコトを、そう誇らしく思ってしまうのであった。


 つづく

以下、連載中小説

↓↓↓


ぽんこつエモーロイド美少女が、なぜか近未来から、俺の部屋にやってきました。

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甘あい・ポンコツ近未来えもーろいど美少女の誘惑っ

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わたしたち、すごろく部に入部しちゃいましたぁ!?

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