第24話 温泉! 湯煙艶姿旅情編(前編)
ここは山あいのひなびた村。
オレたちは、温泉宿に泊まるべく、この村を訪れていた。
なぜならば!
混浴の場合→体の心から温まるお湯。 火照った身体と、湯気に曇る視界は、少女を大胆にする……ロリちゃんゲット!
男女別の場合→パパと男湯に入っていたけど、最近膨らんできたお胸を、周りの人が見てくる気が……少女に芽生えた羞恥心、そこを紳士的にカバーするオレ……ロリちゃんゲット!
このように!
どのパターンに転んでも、ロリちゃんをゲットできるという完璧な布陣!!
「いや、いまのリリ様は女の子、関係なしに女湯に入れるんですから、ストレートに攻めればいいじゃないですか……」
サナが風情のないことを言ってくるが、このワビサビが分からないとは、面白くない奴である。
ということで、次の街へ続く街道から、少しそれた場所にある、このユーマ村に来たというわけだ。
……唯一の不安事項は、村が無名すぎて、温泉がどのような状態なのかすら、分からなかったことであろうか……数十年前は隠れた秘湯として、そこそこ人気があったようだが、最近の記事はワキペディアでも見つからなかった。
期待と不安に胸を膨らませながら、オレ達は村の入り口に立ったのだが……
「「…………」」
……寂れている……どのくらい寂れているかというと、村の入り口に「ここはユーマの村だよ!」と言う、謎の村人さえいないくらいである。
一応、入り口から見える村の広場には、何件かの土産物屋が並んでおり、奥には温泉宿らしき、大きめの建物が見えるが……観光客の姿はほとんど見えず、歩いているのは、地元のジジババだけである。
「……リリ様……”世界村街名紹介ギルド”の構成員すらいないとは、なかなかの田舎ですね……」
「お、おう……あの土産物屋、シャッター閉まってんぞ……営業してないんじゃねーか?」
知る人ぞ知る秘湯! と言うには、寂れすぎている風景に、不安になるオレ達。
とはいえ、もう宿は予約しているし、奥の温泉宿はなんとか営業しているようなので、仕方ない。
今日はここに泊まるか。
最悪、温泉だけでも楽しめれば良いや……ロリちゃんは半分あきらめつつ、オレ達は村の一番奥にある、温泉宿に向かった。
*** ***
「ふふ、かわいいお客様ですね。ごゆっくりお過ごしください」
「ゆ、ユーマ村名物、炭酸泉にようこしょ! ……あぅ……こ、こちらの湯銘館では、広い内湯と露天風呂、おいしいお料理で皆さんをおもてなしさせていただきましゅ……あぅ」
「ご予約の、リリ様、サナ様ですね……最上のお部屋をご用意しました! どうじょ! ……あぅ」
期待せずに向かった温泉宿……だが、近くで見ると以外に大きく、しっかりした作りであり、掃除も行き届いている。
なにより、オレ達を迎えてくれたのは、美人親子!
母親は、30代前半だろうか……豊満な肉体と、目元にあるほくろが色っぽい。
オレとしてはターゲット外であるが、好きな人にはたまらないだろう……
そして娘は、13歳くらいだろうか? 豊かな茶色の髪をおさげにまとめ、緊張してるのか、ところどころ噛むのがカワイイ。
そばかすの残るやわらかそうな頬に、大きな瞳。 スレンダーな身体を、キモノ……という、東方の衣服が包んでいる。
いいじゃないか! アーバンロリもいいが、こういう田舎にひっそりと咲く、素朴な花も良いものである!
オレは、部屋に案内してくれる彼女の後に続きながら、ご満悦だった。
「もう、リリ様は……視線がエロオヤジですよ……」
ふふ、サナがやきもちを焼いているな……相変わらず、かわいい奴だ。
「しょ、そういえば、お客様はお若いんですよね……わたしと同じくらい……あの、わたしユーニといいます。 この村、若い女の子が少ないので、仲良くしてくれると、うれしいです……あぅ」
少女の2人組という、珍しい組み合わせに興味を持ったのか、恐る恐ると言う感じで話しかけてくるユーニ。
おお、カワイイじゃないか!
もちろん、お友達も、その先も……大歓迎だぜ!
「とう!」
「いてっ……サナ、何するんだ」
「リリ様、まだお昼です! そういうのは、夜にどうぞ!」
思わずユーニを物陰に連れ込もうとしたオレを、サナのチョップが止める。
コイツめ……常識的なことを……ただ、最近”そういうことしちゃいけません!”とは言わなくなってきたな……サナも染まってきたようだ。
「あ、あの、こちらがお部屋……です?」
いきなり漫才を始めたオレ達に面食らったのか、おずおずと言う感じでオレ達の部屋を紹介してくれるユーニ。 おっと、お楽しみは後にしよう! まずは温泉だな!
*** ***
「ふう……」
内湯となる露天風呂。
女湯からは青い空と、新緑が美しい森が見える。
わずかに濁ったお湯は、森の奥の源泉から直接引かれているようだ。
身体の芯まで温まる気持ちよさに、思わず声が漏れる。
「へへ、サナ! はやく来いよ!」
「り、リリ様、待ってください! わたし、ちゃんと身体洗わないと匂いが残っちゃうので……」
サナはきれい好きだ。 身体の隅々まで洗わないと、気が済まないらしい。
オレは、サナの体臭まで含めて好きだと言っているのに、女子として、気になるらしい。
「……ふう、お待たせしました……」
「はぁ~、気持ちいいですね~」
身体を洗い終えたサナが、オレの隣に入ってくる。
巨大な胸が、湯船にぷかぷかと浮かんでいる……
「サナ、そういえば、また胸がでかくなったのか? 何を食えばこんなになるんだ……」
「ふふふ、リリ様。 いつまで巨乳はお嫌いと言い続けられますか? この魔性の柔らかさ……大好きでしょう?」
ふにゅん、と両胸を持ち上げて挑発してくるサナ。
くっ……オレのアイデンティティがこんなものに……ああ、でもむにむにしたい……
この旅を通してオレは、自身の更なる性癖の広がりを感じていた……
「ふう、そろそろ上がって飯でも食うか……ん?」
「そうですね……。 リリ様? どうされたんですか?」
「いや、ほのかにユーニの匂いがしたんだが……気のせいか?」
「もう、ユーニちゃんはここで働いてるんですから……匂いくらい、残っているのでは?」
……うーん、匂いだけじゃなく、僅かに葉がこすれる音……ユーニが森を移動する音?が聞こえた気がするのだが……もう夕方、何をしてるんだろう?
気が向いたら、調べてみるか。
まあ、それより先に、飯だな!
*** ***
山菜と川魚を中心とした夕食を堪能した後、間違えてラム酒を飲んでしまい、ダウンしているサナを布団に寝かせると、オレは夜の散歩に出かけた。
ただでさえ人の少ない田舎の村だ。
夜になると、いよいよ誰もいない。
リリちゃん必殺ドラゴン・アイは、赤外線を見るモードにもできるので、夜の移動も問題ない。
くんくん……昼間覚えたユーニの匂いを探ると……やはりだ。
温泉宿の奥から、露天風呂の横を通り、源泉のある森の奥に続いている。しかも、ほんの30分前に通ったと思われる、新しい匂い。
……別に、ユーニを疑っているわけじゃない。
オレ達も、これまでに色々な悪のたくらみをぶっ潰してきているので、悪の結社? がユーニを脅し、オレ達に害を及ぼすように仕向けている危険性が、万に一つくらいは考えられる。
夕食後の腹ごなしをかねた、念のためという奴だ。
足音を立てないように、慎重に匂いをたどると、森の奥、少し開けた場所にでる。
そこには、驚きの光景が広がっていた。
「なん、だと?」
リリちゃん、見ちまったぜ……




