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第22話 楽しい学院生活編 その8 ロリ女教師と交わす禁断の……ついでに明らかになる不正

 

 ”混沌の深淵”を攻略し、特別クエストをクリアしたオレ達特Aクラス。


 クエストの達成を事務所に報告し、評定スコアをゲット。


 さっそく購買と学生会館に走るクラスメイト、発見した謎の?書類の調査のために、学生図書館に行ったサナと分かれ、オレは一人でイレーネ先生の執務室に向かっていた。


 そう! 臨時教官補佐として、”混沌の深淵”についての詳細報告を行う……のはついで。


 夕暮れの教室で、生徒と女教師の禁断の交流 (意味深)をするためである!


「先生……イレーネのために、”混沌の深淵”を片付けてきましたよ……」


 夕焼けの光がやさしく執務室を照らす中、遠い目で夕日を見つめるイレーネ先生に、オレは優しく語りかける。すべてを察した上で、多くを語らない、大人の対応である。


「ふっ……ありがとうね。 キミ、すべて分かっているようだね?」


 振り返った先生は、優しい表情ではあるが、きらりとメガネの奥の瞳を光らせる。


「はい、ダンジョンの発破箇所で()()()()()()()()()()()()を見つけちゃったりしましたが、このリリ、きれいさっぱり消しときました……」


「ふふっ……ウチが最初から見込んでた通り、キミは最高だ」


「いえ、そんな……先生も、きれいですよ……」


 すっ……


 オレは、さりげなくイレーネに近づくと、その柔らかな頬に触れ、くい、と人差し指で彼女のあごを上に向かせる(そう、先生はオレより若干背が低いのだ! あごクイができるなんて、感激である)


 先生は見た目幼女とはいえ、大人である。”かわいい”より、”きれい”で攻めるべきだ。


 ふふ、この鮮やかな手並み、我ながら恐ろしいぜ……


「そういえば、”何でも言うこと聞いたげる”といったね……それなら」


 先生は、わずかに潤んだオレの瞳に、すべてを察したのか、傍らに置いたブランデーの原酒を口に含むと……


 え? ”ブランデーの原酒”?


「ん……むちゅぅ」


 んん!? 先生のほうから、キスを……度数の強いブランデーがのどを焼く……やべ、リリちゃん、なんやかんやでよーじょのかりゃだかりゃ……うう、くらくらしてきたぁ……


「ふふ……ウチもかわいい子猫ちゃんが大好物なんだ……くく、任せるがいい」


 あれ? あれ? 先生の瞳が妖艶な光を放ち……ぴこん! オレの敏感な尻尾が姿を現す。


 こ、これは先生の魔力が……あ、やべ……気持ちいい……


「あっ、あーーーーーっ(即落ち)」




 ……ちゅんちゅん


 翌朝、オレは執務室の横に設置された、仮眠室のベッドで朝を迎えた。

 先生は早朝実験とかで、先に部屋を出ている。


 オレがなぜまだベッドの中かというと……腰砕けで起きられないんだよ!


 くっ……イレーネめ……ハイエルフとのハーフであり、サキュバスとのクォーターだなんて、聞いてないぞ……


 夜の帝王リリちゃんの、初めての敗北であった……



 ***  ***


「リリ様、おはようございます! サナ、分かっちゃいました! 昨日の書類は巨大な補助金……リリ様? どうされたんですか?」


 オレが、重い腰(意味深)をいたわりながら、学生食堂へ朝飯を食おうと移動すると、サナが興奮して話しかけてきた……待ってくれサナ、いまそのノリは腰に響く……


「はあ、このサナ、いろいろと察しちゃいました……無敵のナイトキティ、リリ様も妖艶な大人の色香には勝てなかったということですね」


「うう、悔しいがその通りだ……くそ、サキュバスとのクォーターとか、聞いてないぞ……」


 パン、サラダ、コーンスープ、目玉焼き……朝食Bセット(1.5公国マルク/2評定スコア)を大儀そうに購入し、テーブルにべちゃっと突っ伏すオレを見て、あきれるサナ。


「もう……わたしのスペシャル☆回復魔法で癒してあげますから、朝ごはん食べたら、わたしの話を聞いてくださいね」


 お、おおお! さすがサナの回復魔法だ! 腰の重みと、吸い取られた尻尾のムラムラが一瞬で回復した!


 くぅ、このチート……もう手放せないぜ……ずっとオレのものだ……


「や、やん、リリ様……こんな朝から愛の告白とか……皆さん見ていますよ(てれてれ)」


(……まあ! ご覧になりました? 特Aクラス、短期留学生の方たちですわ……なんと濃厚な魔力……!)


(ああやって、魔力を練り、高めあっておられるのですね……私達ではとても到達できない領域……遠くから祈らせていただきましょう)


 周りの女生徒たちから、なにか別の次元にイッてる連中として、崇拝の目線を送られていることに、オレ達は気づかなかった。



 ***  ***


「ふう、一息ついた……すまん、サナ。 何の話だったか?」


 オレはサナの魔法で回復し、Bセットを平らげ、お茶まで飲んで一息つくと、当初の話題に戻るため、サナに話しかけた。


「そうです! 昨日”混沌の深遠”の入り口で見つけ、わたしの再生魔法で復元した、この”魔導災害特別補助金申請書”についてです!」


 ばん! と復元した書類をテーブルに置くサナ。


 そうそう、その長ったるい名前の書類だった……普通に役所への申請書類じゃないのか?


「ふーん、見る限り普通の補助金申請書類じゃん……補助金申請額:7億公国マルク……こんなもんじゃないのか?」


 あまり、女の子へつながるフラグが立ちそうにないので、やる気のないオレ。


 街や農地に被害が出たなら、7億公国マルクという金額も、よくわからないが、そんなに突拍子のない金額でもないんじゃねーか?


「リリ様、そうお思いでしょうが、このサナ! 昨日学生図書館にこもって、過去数百年の特A級魔導災害を調べました! その結果……」


 お、おう、マメだな……サナの奴、すっかり探偵役が気に入ったらしい。だが、こういう公金横領的な事件は、もっと大人向けのお話だぞ?

 迷探偵コーナンドリルを読むような層は、痴情のもつれとか、分かりやすい連続殺人とか、エンタメ性に富んだお話を求めてるんだぞ……こんな事件で大丈夫か?


 話の流れを危惧するオレに気づかないのか、興奮しながらサナが説明を続ける。


「……類似規模の魔導災害の平均補助金額と比較すると、一桁多かったんです! しかも、被害箇所が、この街の南西、アスマン家の領地内に偏っていて……リリ様、これ、おかしいと思いませんか?」


 偏り……? 瘴気が流れやすい地形とかがあるかもしれないし、単純に変とは……ん? アスマン家?


「サナ、いまアスマン家って言ったな? このあたりはアスマン家の所領なのか?」


 サナの説明に、わずかな引っ掛かりを感じ、オレはサナに確認する。

「はい。 メルゼブルクの街と、街の南側に広がる穀倉地帯は、代々アスマン家の領地だそうです。 ただ、地形的にアスマン家の穀倉地帯にばかり被害が出るのは、おかしいと思うんですよね」


 ふむ、街の南は、クエストで行った渓谷を除くと、平坦な地形……確かに偏りというのはおかしくはあるが……その時、オレの脳裏に、ワキペディアの記事が浮かんだ。


 ”近年は優秀な魔導士を輩出できず、家の威光に陰りが出ており、投資の失敗から、財政難との噂も”


「おう……まさか? そういうことなのか?」


「はい、サナ……怪しいと思います」


 アスマン家の事となると、クリスの奴、気にするのでは……


 ガシャン!


 オレがクリスのことを思い出した瞬間、テーブルにトレーをたたきつける音が響いた。


「クリスさん!?」


「サナ、リリ! そのお話、詳しく聞かせていただけませんかっ!? 確かにわが家は財政が厳しいです」

「ですが、次期当主として、そのような不正の可能性、見過ごせませんわっ!」


 おお、クリスがやる気になっている……ん? もしかしてこれがクリス攻略のカギになるんじゃないか?


「クリス、自分の家に対する疑惑を即座に否定しない姿勢、立派だぜ! オレ達もできる限りの協力をさせてもらう!!」


「……リリ様、先ほどまでのやる気ない態度は、どこに行ったんですか……」


 急にやる気を出したオレに、サナがツッコミを入れた。


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