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Rain  作者: P.Lea
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プロローグ

実は以前こちらでSinという作家名で同じものを投稿したのですが、訳あってペンネームを変えることになり前作を書き直して再投稿します。

以前読んで下さった読者様も初めて読んでいただく読者様にも楽しんで頂けることを願って手を加えました。

読み終わった後に感想などを頂ければ勉強になります!

宜しくお願いします。


AM6:30いつものように携帯のアラームがなる時間だ。

私は毎日アラームがなる1分前に起きて目覚ましを止める…それが習慣でもあり癖だった。

寝ぼけている頭が働きだすと外から音が聞こえた…


「今日は雨か。」


雨は嫌い。

下ろしたての靴や服が汚れてしまうから…それだけではないが今は言いたくない。

今日は日曜日なので恋人と出かける約束をしていた。

デートではない…ただ出かけるだけ。デートを最後にしたのはいつだったか…もう覚えてもいないが悲しくもなかった。



亮と出会ったのは高校2年の時。

友達に紹介されて断るに断れなかったのがきっかけ…それでも何回も会ったり電話をするようになると亮の人柄に惹かれていく自分がいた。

優しいが、その優しさも過度なものではなく心地よかった。

話や趣味も合っていたし、何より彼の物事の考え方を尊敬していたのだ…恋の始まりは、尊敬が6の好感が4くらいだったと思う。


しかし、それも昔の事。付き合って7年にもなると愛情やときめきとは縁のない恋愛を好むようになる。

だから私と亮もお互いなんとなく付き合っている…そんな感じだった。

少なくとも今の私はそうなんだと決めつけていた。

それが唯一寂しさを紛らわす方法だったのだろう…2人の気持ちが離れ始めたのは一体いつからなのか。

それさえも考えたくなかった。



亮は時間に厳しい。

だから私は約束の10分前にはその場所に着くように心掛けていた。

しかし今日は雨だった事もあり20分も遅刻してしまった。

約束した場所には当然ながら亮が先に着いていた。


「……遅い。」


「ごめんなさい、雨で歩きにくくって」


「雨だって事は最初から分かってたはずだろ?だったら早めに家を出れば間に合ったはずだ」


私は雨でイラついていた、そこに亮の文句を聞いて急に怒りと悲しさがこみ上げてきた。



「だから謝ったんじゃない!!」


「謝ったからって遅刻してもいいわけじゃない…」


亮の冷静さが、さらに私をイラつかせる。


「ちょっとは心配したらどうなの?昔はそんなんじゃなかったよね…亮は変わった。」


そんな事を言うつもりはなかった。

自分の感情をコントロールできなくて…亮に当り散らした。

それでも亮は冷静で…それが妙に悲しみを煽った。


「帰る!!」


そう言った私に亮は、勝手にしろとでも言うように手を振りながら背を向けた。

怒りが消えないまま家に着くと悔しさのあまり涙が出た。

後ろ手にドアを閉め、リモコンを握り締める。


「暇になっちゃった…」


そうぽそりと呟きテレビをつけた。




次の日も、その次の日になっても電話もメールも来なかった。

付き合い始めた頃はケンカをすれば必ずその日のうちに電話をくれたのに…。

ふいに寂しくなって電話をしようとするが、ちっぽけな私の見栄がそれを邪魔した。




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