「秩父のダムカードを制覇せよ!in浦山ダム」
このコドクトリップもコロナの影響を受けて何も書けることがなくなってた最近、いかがお過ごしでしょうか。チチブトリップのお時間です。
コロナ禍で外出自粛ムードが漂う中ですが、僕はもうコロナはインフルエンザや風邪のようなものだと思って外に出ることにしました。
と言っても「インフルエンザや風邪のように症状も軽いから大丈夫」という意味ではなく、「インフルエンザや風邪のように今後も普遍的に流行していくだろうから、マスクの着用や3密を避けて予防に努めながら政府の提唱する令和の生活様式に従って行こう」という意味です。
さて、令和に入ってから非常に強烈な印象を残すコロナウイルスですが、もう一つコロナを除くと昨年から水害が各地に甚大な被害をもたらしていると言えます。
現在も九州を襲う九州豪雨、昨年の台風19号。濁った水が住宅街を襲う映像は実に痛ましい限りです。
そんな中とある施設について注目が集まり議論が展開されました。それは私たちの生活に欠かせない水の量を管理するダムです。
「もしここにダムがなかったら…」「もしダムがあったのなら…」というダムの必要性を求める声が上がる一方、莫大な資金と資源を費やす必要があり、集落一つを水の底に沈め、思入れの深い集落を手放さなければならない住民の問題や環境破壊などの問題が叫ばれてきたダムは今、国民の注目もそこそこ高いと言えるのではないでしょうか。言えますね。言えます。
ということで今回のチチブトリップは秩父にある4つのダムを巡り、ダムカードを貰いに行こうという企画です。企画でもなんでもないです。思いつきです。県外移動は自粛してて行くとこないんだよしょうがないだろ。
まずはダムカードの紹介から。
ダムカードは全国津々浦々のダムや貯水池でもらえるコレクションカードです。埼玉にはダムらしきダムが数少ないので集めんの容易いだろうと公式サイト(国交省)を見てみたらその辺のデカい貯水池でも配布されてるらしく、驚きのあまり埼玉のダムカード制覇は諦めました。
秩父には二瀬ダム、滝沢ダム、浦山ダム、合角ダムの四種類があり、この四つのダムカードを制覇すると二瀬ダムにて特別仕様のダムカードが配布されるようです。
ダムカードにはそれぞれダムの規模を模倣した攻撃力、防御力、コストなどの要素があり、コレクションしながら友達と対戦できるTCG要素はないです。ないです。
このコロナ禍で7月31日までダムカードの配布は中止になっていましたが8月1日より再開しました。
と書こうとしたら8月31日まで延期のお知らせが…。ダムカードって密になる状況作るんか…。
ってことで企画破綻。でもしょうがないね。やっていこう。
まずは浦山ダムから行ってみましょう。
浦山ダムは秩父市街から最も近い所にあるダムで場所は武甲山の裏側、武甲山の裏山にあるから浦山ダムと覚えておきましょう。
さて、ダムにはさまざまな形状がありますがとりあえず代表的な四つの形状をここで覚えておきましょう。
・重力式コンクリートダム
基本的にダムの形状はダム湖の水圧をどうやって支えるか、また、ダムを建設する場所の地形や地層、ダムそのものの材質によって分けられます。
この重力式コンクリートダムはとりあえずありったけのコンクリートを使い、ダム自身の重さでダム湖の水圧に耐えるダムです。このダムの場合、ダム自身が重いのでそれだけ硬い地盤が要求されます。
ちなみに日本で一番多いコンクリートダムはこの型です。
・アーチ式コンクリートダム
緩やかな曲線を描くダムです。この形状のダムは水圧を左右に分散させる形なのでコンクリートの量は重力式より少なくて済みますが、代わりに左右の岩盤の硬さが要求されます。
・フリーダムガンダム
・ロックフィル式ダム
コンクリートの代わりに土砂や岩石などで水を堰き止めるダムです。重力式に比べて大きくなるものの、地盤の硬さを必要としません。
・アースフィル式ダム
粘土や土砂を主材料とするダムで、最も形が古く、世界で一番多い種類のダムです。
あとは重力式かつアーチ式といった二つのダムの良さを併せ持った複合ダムや、ロックフィル、アースフィル以外の材料で作られたダムなど細かく分けられます。なんか混じってた?知らんな。
浦山ダムはこの中でも重力式コンクリートダムに分類され、堤高(ダム全体の高さ)は重力式コンクリートダムの中では全国2位の156メートルという巨大ダムです。
その高さは実際にダム堤体に立つと分かると思います。ちなみに140号線沿いからでもダムが見えます。車窓から見える山間のダムはまさに砦といっても過言ではないです。
はい、説明終了。
さて、140号線から橋立、浦山方面へ走り結構な急勾配の坂を登っていくとトンネルを一つ超えた先に駐車場がある。とりあえずはそれをスルーしてダムをぐるりと車で回ってみる。
実は台風19号の後にこのダム湖に来ていた。
なんでもこの浦山ダム、心霊スポットとしても名高く、この周辺だけでもいくつもの目撃証言があるというのだ。
これは裏秩父更新の余地ありと寄ってみたはいいものの、台風による土砂崩れや道の荒れっぷりに心霊以上の恐怖を覚えて早々に引き返してきた。
というのも浦山は秩父の中でもなかなかの過疎地域であり、浦山ダムを取り囲むように建てられた高台の住居の中には廃屋なども多く、廃集落地帯という面では廃墟マニアにも有名である。
ちなみにゲーム「SIREN」の舞台である羽生田村はこの浦山の廃集落がモデルになっているというのも有名な話。
ダムの周遊道路は秩父と飯能を結ぶ県道73号秩父上名栗線であるが、飯能までは開通しておらず、なおかつ突き当たりの分岐から広河原逆川林道という林道が飯能市は名栗湖まで伸びているが、林道ということもあり実質行き止まりである。そのためうららぴあという防災資料センターから先は民家という民家もなければ廃墟と化したドライブインがあるのみという殺伐っぷりである。
そんな背景もあってか、浦山ダム周辺はどこか物悲しく大滝といった山奥の過疎地域よりも不気味な印象を覚えた。
しかし晴天ともなると話は違う。
浦山ダムのダム湖秩父さくら湖の水はエメラルドグリーンに輝き、台風の時よりも道は綺麗になっている。新緑も久々の陽光に照らされて山が生き生きとしている。それでもやはり怖いとこはある。
それがこの寄国土トンネルである。怖えよ。
浦山の集落の伝統芸能である獅子舞を模したものだが、毎回鼻の穴の部分が目に見える。んでこれが目に見えると蛇の顔に見える。見えるよね?
このインパクトは県内随一です。断言します。畑トンネル?正丸トンネル?吹上トンネル?知るかこちとら寄国土トンネルじゃ。
でも獅子舞って噛まれると縁起がいいんですよね。その縁起を担いだんだと思うんだけど怖えよ。
ダムに戻りましょう。
駐車場に車を止め、ダムの堤体を歩く。左手にはエメラルドグリーンの湖面。これって綺麗なの?濁ってるの?よくわかんないけど、あまり透明ではない。
右手には秩父盆地が広がっている。うわすげぇ。
ちなみに立っている場所がすでにダムの一番高い場所なので見下ろすと…。
ひぇぇ。
ちなみに真下にあるプールみたいなのは減水工といい、ダムから流された水の勢いを弱めて川に流す役割を担っている。その先の小さな堤防みたいなのが副ダムだ。同じく流れた水の水流を弱めてから川に運ぶ役割を担う。
下に駐車場が見えるけどあれなんでしょう。
まぁ駐車場以外の何物でもないんですけど。
あそこに向かいます。
浦山ダムはエレベーターと連絡通路を一般開放している。つまりダム内に入れるのだ。
エレベーターは150メートルを降下。もう一つ、約500段の階段を使うルートもあるのでドMの方はどうぞ。ダム内は冷えっひえで14℃を呈していた。思わぬクールスポットを発見。
ちなみに秩父は山だから多少は涼しいんじゃないかとか思ってはならない。気温は平地と変わらない。というか盆地なので場所によってはこっちのが暑い。
連絡通路にはダム建設の記録写真を飾ったギャラリーがあるので是非に。
エレベーターから連絡通路を進み先に見えた駐車場へと向かう。すると見下ろしていた場所を見上げることができる。スケールのデカさがここからでも違う角度で堪能できる。
ちなみに真ん中の穴が常用洪水吐き。その上にある二つのゲートみたいなのが非常用洪水吐き。あっこから水がドバドバ落ちてくるわけだ。
副ダム。写真下手か。ここに発電所が隣接されていて、放流された水の水圧で発電される。エコです。
再びエレベーターで上昇。あっそうだ。
駐車場が左岸にあり、長い堤体を歩き右岸まで行くと公衆トイレがある。
ここがどうやら心霊スポットらしい。体験談としては深夜に誰もいないはずのトイレからバァン!と大きい音がしたとかなんとか。いまいちインパクトに欠けるがそっちの方が信憑性も増すというものだ。
さて防災資料センターうららぴあでは一階に食堂があり、ご飯を食べることができる。
注目すべきはこれ。
ダムカレーである。
ダムカレーはもはや一般的なダムの観光資源であり、全国津々浦々のダムで提供されているカレーだ。カレーをダム湖、ご飯をダムに見立てたインスタ映えバッチリなダムカレーはダムごとに違いがあるので調べて食べに行ってはどうだろう。
ここのダムカレーはダムをご飯とハムカツで形成している。揚げたてサクサクジューシーなハムカツが食欲をそそる。お値段800円。
ガラス張りの席からは秩父盆地が一望できる。豊かな自然と人々の暮らしを眺めながらカレーを食べるのもまた乙なものだ。
二階にもダムギャラリーがあり、ダム管理の仕事の詳細や全国のダム猛者が撮ったダム写真コンクールの作品も展示されていた。
あまりにもダムダム言いすぎてバスケでもやっているか、時を止めるスタンドか生命を与えるスタンドで殴打しているみたいになってきたところで見学終了。
次は滝沢ダムに行ってみようか。




