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魔導忍者忍法帖  作者: ゴブリン坊主
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魔導忍者は魔王に会いに行く 1

魔導士メイザースは『賢者』バベルと共に『飛行船』の制作に取り掛かることになった


これが実用化にこぎつければ世界は変わる!(゜д゜)!


一方雷蔵たちは『魔王』に会うために『魔族の大地』へ


こちらは何もないはずが、ないのであ~る!(゜д゜)!


「魔王様 門前に、魔王様にお会いしたいと申す人族が現れました」


『勇者か!?』と一瞬緊張が高まるが、部下の様子からしてそうではないらしい


「何者だ?」


「『賢者の塔』からの使者だと申しております」


軍隊を連れた勇者以外、人族がこの魔王城を訪れることは珍しい




ここ魔王城は、『魔族の大地』最初の城塞であり、最後の砦となる


ここが突破されれば、戦闘経験のない民たちの村落があるのみ


『魔王』とは、ゲームの世界に出てくるような最後のボスキャラではなく、最大戦力にして急先鋒


その強大な力で敵をねじ伏せる、逆に言えばその力が尽きた時が彼らの最後となる


代々の『魔王』たちは、人族の軍勢を相手に奮闘し、力尽きた頃に勇者と相対することとなり破れ去って行った


人族は、何故か魔王を倒す事で満足し撤退していくため、民たちの安全が守られるのがせめてもの慰めか・・・




「適当に、痛めつけて追い払え」


殺すのはたやすい、だがそれは相手に殺意があるときだけだ、と魔王は心に誓っている


そうでなければ己自身が、人族と変わらぬ存在へと変わり果ててしまうと感じているからだ




「それが、門番の阿王と吽王でも歯が立ちません!」


『魔王城』の門番とは精鋭中の精鋭、『魔族の大地』を跋扈する凶悪な魔物すら瞬殺するような猛者たちである


それが勇者でもない人族に、後れを取るとは考えられない


「相手の数は?」


「5名です」


「たった5人だと!?」


『やはり勇者か! 少数精鋭で攻めてくるとは珍しいではないか!』


『その心意気や良し!』とばかりに戦闘の準備を始めようとした矢先




「ああ、すまんが勝手に入らせてもらったぞ」


とのんきな声が聞こえてくる、これから一戦交えるような殺気は微塵も感じない


「護衛達は何をしている!?」


見渡せば、護衛達は皆、金縛りにあったように苦悶の表情を浮かべ立ち尽くしている


実際、雷蔵の術で、金縛りにあっているんですけどね (;'∀')




「部下に何をした!?」


魔王は不俱戴天の仇を見るように、憤怒の形相で雷蔵をにらみつける


「いや、話を聞かないから、大人しくしてもらっている」


こちらの怒りをあっさり流されてしまいどうにもやりにくい




「あんたが魔王か?」


「ふんっ! そうだ俺様が魔王バルバールだ!」


魔王バルバール:俺様口調の強気な魔王


しかしその実力も歴代で最強と言われている


赤い長髪に、その力を象徴するように力強く漆黒の角が生え、真紅の瞳はまるで燃えるように輝いている


顔立ちは整っており、バベルやメイザースをインテリ系イケメンとするならば、こちらは体育会系のイケメンと言ったところか


身長や約2m黒い鎧で身を固め同じく黒いマントを纏っている




「この『魔王城』にたった5人で来るとはいい度胸だ」


「その目的はなんだ?」


「謝罪と提案の為にやって来た」




「謝罪と提案だと?」


「まずは、俺の友と、その仲間たちに変わって謝罪がしたい」


「すまなかった」


そう言うと雷蔵は深々と頭を下げる


「何に対しての謝罪か?」


『魔王』はいぶかし気に問い質す




雷蔵は、『賢者の塔』の代々の管理者たちの気持ちを代弁するように事の次第を説明する


「俺の友は、仲間は人類が犯した罪を知っていた」


「そして、先住民であるお前たちが人類の『天敵である魔族』と虐げられ苦しめられてきたのを黙って見ているしかなかった」


「その魂に刻まれた制約のせいでな」


「この謝罪は、俺の友がこの世を去る前に俺に託した事だ」




「何が謝罪かっ!」


魔王バルバールは憤慨する


「今更お前が謝ったところで、苦しめられ死んだ者たちが生き返るのか?」


「過去は変えられない、だが未来は変えられる」


「そこで提案を持って来た」


「お前達にに何が出来ると言うのだ?」


「まずは、お前たち先住民と『賢者の国』とで同盟を結びたい」


「『賢者の国』など聞いたこともない」


「まだ出来たばかりだからな」


「そんな出来たばかりの国と同盟を結んで、何になると言うのだ!」


『出来たばかりの小国にどれほどの力があると言うのか、ばかばかしいにも程がある』


バルバールがそう思うのも無理はない


それがただの小国であるのであれば




「人類から、お前たち先住民を守る」


「出来たばかりの小国が我が民を守るだと? 笑わせるな!」


「俺たちの力が信じられないか?」


「当たり前だ、5人程度でのこのこ現れ、戯言を抜かしおって」


「無事で帰れると思うなよ?」


指をバキバキ慣らして威嚇する魔王




「よし、では拳で殴り合おう(語り合おう)!」


「なに!?」



その瞬間、『魔王』の腹心たちが、雷蔵を取り囲み刃を首に突きつける


しかし、呻きをあげて身動きが取れなくなったのは腹心たちの方であった


『っ! なんという威圧!』


「いい部下をもっているな」


雷蔵は感嘆の声を上げる


並の者達であれば、地に這いつくばるほどの圧力を感じているはず


『絶対に勝てない だがこの命と引き換えにしてでも刺し違えて見せる!』


その忠誠心だけが彼らを支えていたのだ




「者共下がれい!」


「よかろう! 存分に殴り合おう(語り合おう)ではないか!」


「この拳でな!」



当たれば相手は即死、その必殺の拳をギリギリと握りしめ『魔王』はニヤリと笑った



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