魔導忍者は真の仲間を手に入れる 1
「と言う訳で、お前たち人間を辞めてくれないか!?」
いきなりの無茶ぶりに戸惑う女子たち
そりゃいきなりそんなこと言われたら戸惑いますよねぇ (;^_^A
★冒険者生活8日目(午前)★
「と言う訳で、お前たち人間を辞めてくれないか!?」
土下座しながら無茶ぶりしてくる雷蔵に戸惑う女子たち
そこに『賢者の塔』で長年管理者を手助けしてきた、人工精霊:アダムがフォローに入る
「マスター いきなり本題から入ってしまわれますと、みなさん困惑されてしまいます」
「僭越ながら私が、マスターの皆様に対するお気持ちを、代弁させて頂きたいと思います」
「白玲様、イデア様、ジスレア様、クリス様」
「先ほど、26代目とマスターがお話した通り、我々は機神を倒すために動いております」
「マスターは、ライゾー様は、みなさんのお力を見込んで、助力をお願いしているのです」
「ただ、そのためには大きな代償が伴います」
「『魔導骨格』と融合して『魔造人間』となる」
「それは大きな力を得る代わりに人としての存在から、生きた魔道具になるという事なのです」
生きた魔道具になる、確かにそれは人間を辞めると言っても過言ではない
白玲様、イデア様、ジスレア様、クリス様は雷蔵の言った意味がようやく理解できた
白玲は思った
雷蔵と腕試しをしたあの日、圧倒的な力の差を思い知らされた
しかし、悔しいと思う気持は一切なかった
それ以上に、今は遥かに遠い彼の背中に追いつき、いつかその傍らに立ちたいと思う
その為なら『魔造人間』になることなど何の躊躇もなかった
「我は『魔造人間』になる!」
「そしてライゾーの傍らで、共に戦えるように強くなって見せる!」
「そして、子種をもらう!」
そこはブレない白玲さんだった! (;'∀')
イデアは思った
イデアの両親は巨人族の中でも指折りの戦士だった、だが突然現れた邪龍の討伐であっけなく命を落とした
両親の、さらに何万もの命を犠牲にしても、邪龍は倒せなかった
討伐隊の上層部は最初から邪龍を倒せるとは思ってなかった
初めから、失ってもかまわない者たちを肉壁にして、邪龍を封じるつもりだった
失っても構わない命:亜人である両親たちは邪龍を封印する為に、捨て駒にされたのだ
目的を果たす為ではなく、問題を先延ばしにするために・・・
悔しかった、悲しかった、やるせなかった
だが、そんな感傷に浸るよりも、やらなければいけない事が出来た
それからの彼女にとって、邪龍を倒すことが生きる目的になった
強い仲間を探すために、いろんなパーティーを渡り歩いた
だが、どのパーティーも邪龍を倒すには力が足りなかった
それは、イデア自身にも言えることだったのだが・・・
ある時気付いてしまう、人の力で邪龍を倒すことは無理なんだと
あきらめかけていたその時、イデアは雷蔵の噂を耳にする
登録した初日に、ベテラン冒険者三人を一瞬で無力化したこと
新人冒険者であるはずの彼が、Aランク冒険者の『白き野獣』を腕試しで倒したこと
なかば興味本位で、強引に仲間に入り込んだ
そうして目にしたのは、異常発生した50体を超える魔物を、苦も無く退ける圧倒的な戦闘力
ライゾー以外のメンバーは、明らかに彼には劣る
しかし、そのセンスは目を見張るものがあった
明らかに格上であるA+ランクのブラック・ミノタウロスを、力だけでなく知力も尽くして4人で倒せたのだ
長年連れ添った熟練パーティーでも、複数パーティーで挑んでようやく勝算が出る相手を、その日に顔を合わせた者もいる即席パーティーで!
『やれるかもしれない!このパーティーなら』
彼女は最後になって、自分の目的を果たせる希望を見つけた
邪龍を倒す力が欲しい!
亜人と言うだけで、捨て駒にされる
そんな不条理など吹き飛ばせる力が欲しい!
その為なら、人であることになど、些末な事
「邪龍どころか、神殺しが目的とは面白い!」
「『魔造人間』なってやろうじゃないか!」
ジスレアは思った
自分の魔法の力を過信していた
その挙句、人質がいたとは言え、あっけなくゴブリンに捉えられてしまう
四肢を切断された
散々甚振られ、体を穢された
自分より先に囚われていた女性は、苗床にされ、その役目を果たせなくなると、食い散らかされ無残な姿に変わった
悔しかった、惨めだった
『なぜ自分がこんな目に』
そんな気持ちもすぐに諦めに変わった
自分の人生はここで終わる
彼女の意識は、そこで途切れた
目が覚めた時信じられないことが起こっていた
失ったはずの手足が元ある場所にあった
そして失ったと思った、魔法の力も取り戻すことが出来た
諦めていた、人生をやり直す機会を与えられた
すべて雷蔵のお陰だった
その彼の役に立ちたい
一度は失ったと思った人生を彼の為に使いたい
その為の力を手に入れられるなら、人でなくなったって構わない
むしろ、その為ならば自ら願う
「私を『魔造人間』にしてください!お願いします!」
クリスは思った
「私も『魔造人間』でしたっけ? なりますぅ」
理由無いんか~い! 即答か~い!ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
「みんな本当にいいのか?」
改めて問いかける
1人1人の目を見つめながら
その瞳にある思いが伝わってきて悟る
改めて訊く必要など無かったことに




