表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導忍者忍法帖  作者: ゴブリン坊主
13/119

魔導忍者は決戦兵器を手に入れていた(過去形)

冒険者登録へ向かう前日


雷蔵は、決戦兵器を手に入れていた!


その、決戦兵器とは!?


結局、宴会は夜まで続き、多くのものは、そのままつぶれて酒場のテーブルに突っ伏したり、床に寝転がって寝ていた


「歓迎会を開いてくれて感謝する」


「なぁに、実力は全く心配ねぇようだが、冒険者には腕っぷしだけではやっていけねぇ」


「分からないことがあったら何でも聞けよ」


ヴィルクスに礼を言うと、にこりと笑ってそう言った


「ああ、その時はよろしく頼む」


「それじゃあまたな!」




冒険者ギルドを出て、宿屋を目指す、雷蔵もかなりの量を飲んだが、今は素面だ、魔導骨格のお陰で、瞬時にアルコールが分解された為だ


しばらく歩くと、宿屋:風見鶏亭にたどり着く


イェニーナに勧められた宿だ


入り口をくぐると、女将らしき女が声をかけてきた


おそらく50代くらい


恰幅のいい、いかにも肝っ玉母さんって感じがするが、


かなりきつい口調だが、不思議と聞いていて悪い気はしない


「風見鶏亭へようこそ」


「泊まりかい、それとも食事かい?」


「一週間泊まりたいんだが部屋は空いてるか」


「部屋は空いてるよ」


「一泊銀貨二枚、食事は一色銅貨20枚 飲み物は一杯銅貨10枚だ」


「食事はどうする」


「さんざん飲み食いしてきた、部屋で休みたいんだが」


「じゃあ、一週間で銀貨14枚、前払いだよ」


金を支払い、部屋へ案内される


「じゃあごゆっくり」


そう言って女将は戻っていった




部屋に入って、ベッドに横になる


『イブ』


『はいマスター』


『バベルと話せるか?』


『はい、只今バベルにつなぎます』


『ライゾー様ご無事で何よりです』


『ああ!何とか冒険者になれた』


『26代目はいるか?』


『はい、26代目におつなぎいたします』


『・・・ライゾー? 冒険者ギルドどうだった!?』


26代目は興奮気味に聞いてくる


冒険者にあこがれていると言うのはどうやら本当のようだ


雷蔵は、冒険者ギルドでの話を、詳しく話して聞かせる




『おお!やっぱり「てんんぷれ」起きたんだね』


『でも、「決戦兵器」のお披露目が無かったのが残念だねぇ』


『いやぁ、あれを冒険者ギルドの中で使ったらさすがに目立ちすぎる』


『決戦兵器』とは何なのか?それは、イブと呼ばれる人工精霊の事と合わせて、前日に時間はさかのぼる・・・


決して登場させるのを、忘れていたわけではない・・・断じて!(゜Д゜;)




「初心者が冒険者ギルドに登録に行くと「テンプレ」と言うイベントが発生するらしいんだよ!」


「テンプレ?なんだそれは?」


「なんでも、ほぼ100%の確率で、ガラの悪い冒険者に絡まれると言う、楽しいイベントらしいよぉ」


「全く楽しい部分が思いつかないんだが?」


「何でだよ!ガラの悪い冒険者に囲まれ大ピンチ!」


「しか~し! そこで、謎の新人冒険者が、真の実力を発揮する!って男の浪漫じゃないか!」


「いや、よく分からない」


雷蔵に男の浪漫は通じなかった・・・




「テンプレはともかく、1週間の滞在で依頼もこなすのだろう?」


「「テンプレ」はともかく、依頼の際に、万が一にも強力な魔物が出ないとも限らない」


「いや、登録したばかりの冒険者に、危険な依頼なんてないと思うが」


「だから、ライゾー君!君に『決戦兵器』を授けようではないかっ!!!」


拒否権はない、決定事項のようである汗


「『決戦兵器』!? もしかしてあれか?」


「そう、あれだよ!」




場所は変わって、と言っても賢者の塔の中ではあるが、兵器格納庫と呼ばれるエリアだ


雷蔵と、26代目 二人の前には、『決戦兵器』が佇んでいた・・・のでは無く


正確には、どういう理由かは不明だが、むやみに浮き上がらせられ、クルクル回転していた


その名も『魔導外骨格』!


『魔導骨格』と対をなす、対最終目標殲滅戦の文字通り『決戦兵器』だ!




見た目は、黒いフルプレートと呼ばれる全身鎧だが、その性能は世に出回っている鎧とは一線を画す


素材は、『魔導骨格』と同じくミスリル、オリハルコン、アダマンタイトと言った魔法金属の合金製


特殊被膜が施された非常に薄い装甲を幾重にも重ね、積層構造にすることによって、物理攻撃、魔法攻撃両方に対して高い防御力を誇る


『魔導骨格』自体に動力が組み込まれており、装着者したものの身体能力を飛躍的に向上させることが出来る


内蔵された動力と、人工聖霊の制御によって、装着者なしでも自立行動が可能


装甲には、魔素を吸収し、魔力として蓄積する機能があり、装甲に蓄えられた魔力で、動作することが出来る


金属製にもかかわらず、静音機能が搭載されており一切音を立てないで行動できる


気密性も非常に高く、水中、有毒ガスが蔓延しているような環境、更に宇宙空間ですら長時間の活動が可能




そして最大の特徴は、装着者が強くなる事によって、『魔導外骨格』の性能も上がっていく所謂『成長する兵器』であることだ


『魔導骨格』の特徴である『存在進化』で装着者が強くなれば、『魔導外骨格』もそれに合わせて機能をアップデートすることができ、より強い力を発揮できるのだ!




「すでにライゾーの生態認証と魔力特性認証の登録は済ませてある」


「後は、実際に装着して、アクティベションを完了すれば、晴れてこの『魔導外骨格』は君のものだ!」


「さぁ、さっそく装着してみようぜ!」


キャラがぶれてきた26代目 汗


「どうすれば?」


「『魔導外骨格』の前に立って、「装着」と言えばいい」


「なるほど・・・では「装着」」




雷蔵と『魔導外骨格』の周りに防御結界が展開される


身体が自然に浮かび上がり反転、ちょうど『魔導外骨格』が背後に来る位置で停止する


腕が自然に上がり、水平になったところで止まる、『魔導骨格も』それに習うように腕が上がる


『何だか、磔にされている気分がする』


などと、考えている間に、『魔導外骨格』の全面の装甲が音もたてずに開いていく、空いた隙間に雷蔵の身体が吸い込まれるように収まると、開いていた装甲が閉まり、雷蔵の姿は見えなくなった




『魔導外骨格』の内部は真っ暗だった


身体に少し違和感を覚えて、程なく機械的な声が聞こえてくる


「生態認証及び、魔力特性認証の認証を確認、装着者:賢者 ライゾーと認識しました」


「アクティベイション・シークエンスに移行します」


「オペレーションシステム『イブ』起動」


「システムオールグリーン」




「・・・初めまして、マスター」


「私は、『魔導外骨格』の操作をサポートするために造られた、人工聖霊『イブ』と申します」


「イブだな、よろしく」


「よろしくお願いいたします」


「ではアクティベイトの為の最終シークエンスを実行させていただきます」


「この『強化外骨格』の固有名称を登録してください」


「固有名称?」


「この『強化外骨格』に名前を付けて頂きたいのです」


「名前か・・・」


迅雷ジンライでどうだ?」


「固有名称を「ジンライ」で登録完了」


「アクティベション・シークエンス完了」



「マスター『魔導外骨格』が動作可能となりました ご命令をどうぞ」


「取りあえず、真っ暗で何も見えん」


「外が見えるようにしてくれ」


「これは失礼いたしました」


「実際の映像に赤外線・音響・温度・魔力の各センサーからの情報を反映して映像を作成中」


「完了いたしました」


すると、外の景色が映し出され、まるで何も装着していないがごとく、360度を見渡せるようになる


少し体を動かしてみる、歩いたり、手をまわしてみたり、構えをとってみたり


「視界も問題ない、着心地もいいな、金属鎧とは思えない、逆に体が良く動く」


「マスターと私の思考がリンクしておりますので、内蔵された動力で、リアルタイムで動きをサポートしております」


「ふ~ん なるほど・・・とにかくすごいって事だな」


多分よく分かっていない雷蔵くん (;^_^A



「外す場合はどうすればいい」


「「解除」と言っていただければ」


「分かった「解除」」



前面の走行が開き、雷蔵は『魔導外骨格』内から解放される


雷蔵が抜け出ると、全面装甲が閉じ、『魔導外骨格』の後ろに暗闇が広がる


その暗闇の中に『魔導外骨格』が入っていき、姿を消すと暗闇もまた姿を消す




「ん?どうなった?」


「『ジンライ』は、亜空間に格納されました」


「今後は、どこにいても、「ジンライ・装着」と言っていただければ、装着が可能です」


「あれ、イブは『ジンライ』ごと亜空間に入っていかなかったのか?」


「はい、今後は、ライゾー様の様々なご要望に対応させて頂くために、ライゾー様のコアである賢者の石に移動させていただきました」


あれ、『魔導外骨格』の操作をサポートするために造られたとか言ってなかったでしたっけ?


「そうか、俺とイブはまさに一心同体となったわけだな」


「はい!いつもお側にお控えしております」


そんな疑問は、さておき雷蔵とイブの関係は良好のようだ


こうして、雷蔵は、決戦兵器である『魔導外骨格』と人工精霊のイブと言う、頼もしい助っ人を手に入れたわけである


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ