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魔導忍者忍法帖  作者: ゴブリン坊主
12/119

魔導忍者はテンプレと遭遇する

雷蔵がテンプレに遭遇します


この危機に主人公はどう立ち向かうのか!(゜Д゜;)


そもそも危機なのか!?


こうご期待です (^^)/


★冒険者生活1日目★


「俺に何か用か?」


雷蔵は声のする方に顔を向け問いかける


そうすると、酒場の方から、男が三人こちらに向かってゆっくりと迫ってくる


わざと威圧を放ちながらゆっくりと歩いて、恐怖心を煽る


相当場慣れしているようだ


身長は180いや190センチはあり、筋骨隆々、所謂ゴリマッチョ系の強面冒険者たちである


その凶悪な顔立ちは、本職の(悪い方の)盗賊にしか見えない


もし、暗い路地裏で、この3人と遭遇してしまったら・・・


一般市民なら死を覚悟してしまうレベルだ




3人のうちのリーダー格らしき男が絡んできた


「新人が、先輩冒険者に挨拶もなしに変えるつもりか エエ? コラっ!」


この理不尽な言いがかりに対し、雷蔵は


「そうか、そう言う習わしがあったとは知らなかった」


「新しく、冒険者になった、ライゾー、職業は盗賊だ、よろしく頼む」


そして、お辞儀をする


それは見事なお辞儀だ


一切のブレがない直立からのお辞儀の角度、タイミング、頭を下げてから元の姿勢に戻るまでの動きに一切の淀みがない、マナー講習の講師がみたら、絶賛すること間違いなしのお辞儀だった




「ああ、これはご丁寧に・・・ってなめてんのかテメー!」


思わず相手が、挨拶を返してしまうほどの、見事なお辞儀だったのだ!


途中で用件を思い出したリーダー格の男を褒めるべきか


「いや、至って真面目だ」


そうです、そうなんです、雷蔵君はいつも真面目です


不器用な忍なので 汗




「こ、ここまでコケにされたら、ただでは済まされねぇ!なぁそうだろうお前ら?」


「「もちろんですよ兄貴!」」


大根役者の棒読みのセリフよろしく、3人は一斉に武器を構える


ギルド施設内での武器の使用は、ギルド登録抹消ものの重罪のはず




雷蔵は、カウンターの受付嬢に目を向けるが、すました顔でこちらを見守っている


『なるほどな』


雷蔵は何やら合点がいった様子


そう、不器用だが、なぜかこういった場の空気が読める雷蔵


そして、次の行動を即座に決定した


「武器を抜いたという事は、俺に対して攻撃の意思があると判断していいって事だな?」


「じゃあ、こちらもそれ相応の対応をしないといけないな」




「おう、俺たち闘ろうってのか?上等だぁ、行くぞお前らぁ!って、あれ?あいつどこ行った?」


さっきまで目の前にいた、新人の姿が掻き消えるように見えなくなる


「おい、ここだ」


背後からから声が聞こえる


「なにぃ!?」


振り向こうとしたが、それは叶わず、雷蔵に首の根元を手刀でトンと軽くたたかれた瞬間、リーダー格の男は床に崩れ落ちる




「てめぇ兄貴になりをしやがった!?」


子分Aの問いかけに雷蔵は


「ああ、まずは、気配を消して、素早く相手の視覚の外へ移動するだろ」


真面目に説明していた (;^_^A


どうやら律義に、説明しながら、実演するようだ


雷蔵の説明を、「ほぉ」「なるほど」などと相槌を打ちつつ、真面目に聞いていた子分Aは、その甲斐もむなしく、雷蔵の姿を見失う


「で、背後を取った後にこれだ!」


『これって何だよ?』


と心の中で突っ込む子分A


心の声は届かず、『これ』の説明はなく、首をトンとやられ、糸が切れたようにカクンと崩れ落ちる




「二人に何しやがった!? 」


「いや、さっき説明しただろ?」


「じゃぁ、もう一回最初から説明するぞ?」


無駄に親切な雷蔵(笑)


「気配を消してから、相手の視覚の外に、すばやく移動するんだよ」


「ほぉ」「なるほど!」と素直に話を聞きつつ、真剣な顔で相槌を打つ子分B


素直なのは良いことだが、やはり雷蔵を見失う


「で、これだ!」


『これって何だよ!?』


心の中で同じツッコミを入れる・・・さすが同じ親分を持つ子分同士


その末路も同じだった(合掌)


ちなみに、『これ』の正体は、首筋に手刀を軽く充てる際に、雷の属性を持たせて練り上げた気を流しこんで気絶させる忍術:断気ゼッキ


但し、加減を間違えると、雷の過負荷で相手が死ぬ可能性があるので、良い子はマネしないように




白目をむいて倒れている、人相が極悪な、ゴリマッチョ冒険者たち


その姿を見て、酒場にいた、他の冒険者の一人が慌てだす


「もしかして、死んじまったのか!?」


「いや、死んでないな」


「気を失っているだけだ」


他人事のように、無表情で答える雷蔵




面倒くさそうに、リーダー格の男に近寄り、肩をつかんで、軽々と持ち上げる


身長180センチの平均体重は70キロだがこの筋肉量だと90キロはありそうだ


装備の重さも加えると120キロはある男を軽々と思上げる、見かけ15歳くらいの少年


シュールすぎる!


魔力を感知できるものがいれば、身体強化していないことにも驚いたことだろう




両手から雷の気を男に流し込む、損傷はないと思うが、あった場合後で面倒なので、ついでにとばかり、命精活性の気を送り込んでおいた、多少の損傷ならこれで十分だろう


「ん?ここは?」


事態が飲み込めずあたりをきょろきょろ見渡すリーダー格の男


それを無視して、同じように子分A、子分Bにも同じ処置を施す


程なくして二人も意識を取り戻す




「それで、これで、この街の冒険者としての俺の実力は認めてもらえたのか?」


雷蔵は、3人の男たちではなく、イェニーナに向けられていた


「試したりして申し訳ありません」


「ライゾーさんの実力はこの街の冒険者として十二分に通用するものでした」


「そうか、それならよかった」




そして、3人の男たちの方に振り返る


「3人とも冒険者として貴重な経験をさせてもらったありがとう」


そして、丁寧にお辞儀をする


そこには、侮辱ではなく、相手に対する純粋な感謝が感じられた




「いやぁ、俺たちの方こそ試したりして悪かったな」


「ほら俺たちってこういう顔つきだろ?」


「こういうことに適役だって言われちまってなぁ」


「それは、その通りだな」


真顔で答える雷蔵 それはちょっとひどいんじゃないですか?汗


「自分でも自覚はしてるんだが、改めて言われるとキツイぜぇ・・・」


「冗談だ」


雷蔵が冗談!?(゜д゜)!


そうして、雷蔵は、ほほえみを浮かべた、子供がいたずらした時のような無邪気な笑顔だった


その場にいた、みんなが思わず笑顔になるような、そんな笑顔だった




「それにしてもおめぇさんすげえ技もってるな!」


「おう!みんな、今日は俺のおごりだ!期待の新人の歓迎会としゃれこもうぜ!!!」


リーダー格の男:ヴィルクスは照れ隠しのように、冒険者達に呼びかける


ちなみに子分Aの名はヨルン、子分Bはヨルク、二人は兄弟だった なるほど!


「「「やったぜ、今日は飲むぞぉ!!!」」」


他の冒険者たちも、乗っかってくる


この街の冒険者の明るい気質を現しているようだ


『この街に決めてよかったな』


雷蔵は、冒険者たちにもみくちゃにされながら、そう思うのだった



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