09話 茸狩:サヨナラジュピター 転
注意:ハレンチ注意報
前回のあらすじ
金はあっても使えない。このチート用意した奴は底意地が悪い。
(注:狂気と混乱をもたらすために暗躍し、
与える様々な魔術や秘法、機械などを受け取った人間は
大概自滅していると言う
ものすごっく性格の歪んだ、捻じ曲がった爺作です)
閉鎖都市 - 引き籠もりには最適な環境?
逆光は勝利! 勝利はプラズマ!
さて、生まれて初めてのキノコ狩りだ!
少しワクワクするな。
とはいえ、
「きのこの選別はどうしたらいい?
どれが毒キノコかなどわからないぞ」
っと、リアに尋ねてみる。
こちとらドシロートだ。
「茸の種類は管理されていて
毒キノコは基本破棄されてきたので
今では存在しないはずよ!」
っと、得意げに説明していたが、
ふと不安になったのか?
「まあ一応帰った後で取れたモノを見てみるわ」
この本に食べれる茸かどうか書いてあるし。
とかまた言っている。
だから何だよ、その本。
さてキノコを見つけたはいいがどうやって取るかな?
「そうそう、茸を取るときはこれを使って」
っと、鋸を渡される。
所謂両刃の木材なんか切るヤツなんかじゃなくて、
片刃のナイフみたいなおしゃれなヤツ。
金属を切るヤツは金鋸そしてこれは木を切るヤツだから、
ならさしづめ木鋸か。
茸を木鋸で切る。洒落が効いているな。
「あと、茸を切る時だけどできるだけ根元の方を切って。
でも掘り返して土の中の菌糸を傷つけちゃダメよ!」
っと、注意を受ける。
* * *
俺も適当にキノコを摘んでいく。
結構おもしろいな。
時折凶悪な姿のものがあるが、ホントに食べられるのか?
さて俺は金属製の鋸で切っているワケだが、
天使ちゃんは刃物は危ないので竹で鋸の形に作った『竹鋸』
(竹を切る鋸にあらず)を持っている。
しかし、竹鋸か。
たしか、鋸挽き(のこぎりびき)の刑の一環で
竹鋸でその首を断たせた。
とかあったよな。
俺の無駄にある雑学によると、
江戸時代以前は通行人に実際に首を鋸で挽かせていたが
(見せしめのため)
あれって、平和な江戸時代になると
最早形式的なものに成り果てて
実際に鋸を挽く者がでないよう監視を置く
って間抜けな事態になってたはず。
っと、まあ、怪我しないだろうし大丈夫だろう。
……しかし茸をノコ引きの刑か。縮み上がるなぁ。
などと思っていると、何かヘリのローターが奏でる風切り音のような音が
近づいてくる。
そして木々の隙間かそれが姿を表せた!
- 輪るパンジャンドラム?
いや紅蓮か。
しかしこうして見るとホント丸鋸みたいだな。
未だなれんなあいつらのあの形態。
狭い木々の間を進むためか縦になっている。
しかし、なぜ天地がひっくり返っているんだ?
……って俺が転がっているだけだな! HA-HA-HA!
すくり、と立ち上がり埃を落とす。
そして捲れていたマントの端をを整える。
さらに周囲を見渡す。
よし、誰にも見られていないな。
っと、騒ぎを聞きつけたのかリアが顔を出してきた。
セーフ!
「どうしたの、何か騒がしいようだけど?」
「いやなに、紅蓮の奴が突然現れたのでカゴを取り落としただけさ」
「そう、びっくりさせないでよ」
「しかし、なんだな? 奴は何しに来たんだ?」
「森の巡回よ、危険なものやおかしな物がないか、
また余計な木を伐採とか管理もしているわ」
無論茸等の管理も、っと言ってくる。
まったく驚かせやがって。
ここに人がいるのはわかっていそうだから
もっと気を使えよ。
そんなこんなで騒いでいると、
さっきのショックかなんだかもよおしてきた。
よかった。さっきじゃなくて。
早速だが早々に済ませたいため
一応エチケットとしてリアに訪ねておく。
「あ~なんだ、小用を行いたいのだが」
「小用? ! そのへんで済ませておいて構わないわ」
意外とドライ。そのへん女はクールなのね。
* * *
少し離れた場所に移動。
「では、」
下が全裸だとこういう時便利だな。
そしておもむろに取り出す。
- きのこ マタンゴ 元気な子! -
ややっ、このところの欲求が不満しているのか今日も元気である。
せめて女の子達の前では鎮めておこう。
さて、
ターゲットロックオン、
安全弁開放、
出力臨界。
pi pi pi
などと脳内演出など思って、
いざ準備を始めていると。
いきなり藪の中から手が伸びてきてむんずと握られて、
竹鋸で切りつけられた。
「あっっはん!」
思わず飛び退いてその手を振り払ったが、
そのあと放たれた放水はびっくりして止まらなくなった。
* * *
なんとか止まってくれた。
しかし、俺自身をむんずと掴んでいたがあの小さな手には余り、
握りきれていなかった。
大丈夫、小さくなんかなかった!
そうあの手の持ち主は天使ちゃんことリティちゃんでした。
ここが異世界でよかった。ざまーみろ警察、そして東京都!
っと、そんなことはどうでもいい。
「だめじゃないか! 何でいきなり掴んできたの?」
「珍しい茸があったから……」
シュンとしているリティちゃんも可愛いよ!
じゃなく、
「いや、キノコじゃないよ」
「茸じゃ、無い?」
小首をかしげるリティちゃん。
やっぱり可愛いな。
じっと見つめるリティちゃん。
タカマルナー。
「ホントです!
ごめんなさい!
痛くありませんか?
擦りましょうか?」
「いやもういいから」
「それよりさっきオシッコして汚いから触らないほうがいいよ」
まあ、息子の方は不満そうだが。
するとなにやら疑問のご様子。
「オシッコ? ……立ったままできるものなのですか?」
「いや寧ろ勃った方が都合がいいというか
……まあ便利なのです男の子は」
いまだ納得できかねている様子だがいずれ理解してもらおう。
しかし、本当に気づかなかったのか?
前にも見てるだろうに。
- ? 前から狙われいた?
いや、まさかね。
松茸狩りの記憶がそうさせるのか、
大きく立派なものを手に入れたいのか?
リティちゃんは森のハンターや。
さて、納得いかぬまでもその場での疑問を抑えるリティちゃん。
取り敢えず一緒にお姉ちゃんの元に帰ることにする。
そして俺の股間を見つめて、
「ジー……樹皮太……」
……名前付けてたんだね。
しかし、最初は芋虫とか蛹とか言っていたが、
キノコの狩りで再び見てしまった。
そしてとうとうアレとコレの形がよく似ていることに気づかれた!?
やめて、これは茸じゃないのよ。
グルグルと思いは廻る。ただ一つ分かることは……
「ピー-ーンチ!」
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9話 茸狩:サヨナラジュピター
転 - 意義 ころがる、ころがす、まわる。