06話 居候:カプセルホテル 後編
注意:ハレンチ描写?
前回のあらすじ
新たなる妹に会いに行ったため珍しく外出したヒキニート。
そこに怪しい人影が飛びかかってきた。
でもって少女の股に挟まれて瀕死になるが、それはもしかして性なる儀式なのか?
……僕は電信柱と化したのだ!
息が詰まる前にテリアス嬢によって俺は解放された。
被害者は俺のはずなのに裸体で泣いてる、いや今へたり込んでいる所に大判のタオルが被せられた彼女を見ているとまるで俺がとんでもない罪を犯したかのようではないか? ……解せぬ!
しかし、蹴りでなく足で挟み込んできた理由が解った。
片眼を閉じていたからだな!
片眼だと距離感が掴めずに外してしまう恐れがあったから両足で掴みに来ていたのか。
どおりでその虹彩異色が印象に残らなかった訳だ。
ああ、確かに片眼が金色だな。
……その右目が印象に残らなかったのは、決して視線誘導されていたからと言う訳ではないぞ。
んんっ、どうやら宥めることに成功したようだ。
トタトタと生意気な妹ちゃんがこちらにやってきた。
「リオシティー?」
「リオでいい!」
「あなたがバイヤか。お姉がさっき話してくれた」
っと、こちらの顔を覗き込む。
さっきまで泣きはらしていた顔とは思えぬ整ったかんばぜ。
「私と同じで瞳の色が1つずつ違うって、そう言ってた」
そう言って、じっと見つめてくる。
「目と目を合わせると、なんだか不思議な気持ちになってくる、って」
ああっそうだな。君の金と赤の瞳を見つめていると、俺もなんだか不思議な気持ちになってくるよ。
「ふ~ん、確かに片眼が赤目でもう片眼が黒。私と同じですね。魔眼の位置も一緒」
なんだか勘違いをしているようなので俺はすかさず訂正する。
「いや左の赤目の方が魔眼だったのだが」
すると彼女もすかさず突っ込んでくる。
「何言っているんです、赤なんて普通の色じゃないですか!」
人を指差すものじゃありません。
まあ、そりゃ君ん所じゃそうかもしれないがな。
「黒なんて禍々しい色 そうありませんよ!」
なぜだかドヤ顔になる。禍々しいとかに憧れているのか?
っと、突然頭からシャワーが降ってくる。
いや、これはスプリンクラーか?
しばらく頭からずぶ濡れにされて(これで2度目だな)呆然としていると、唐突に人工の雨が止む。
「ハイハイ、二人共仲直りはできたのかしら?」
こいつが降らしたのか。
「うん!」
「そうちゃんと謝ったのね?」
「……うん」
嘘だ! 一言も誤ってなぞいないぞ!
文句の一つも言ってやろうか? よし、でわ!
「ありがとうございます! ……」
「うん? 変な人ね?」
いやこれは混乱して戯言を口走っただけです。別に他意はありません。
ましてやご褒美だとか思っていません。
「まあいいわ、さあ二人共シャワーを浴びてらっしゃい」
……そうか、さっきの放水は水で洗い流すために……。まだ臭うかな?
そこで二人仲良くシャワーを浴びた。
なんでも元々ここは例のカプセルから出たあと体を清める為の設備だそうだ。
「なあ、なんでさっきいきなり襲いかかってきたんだ?」
っと、問いかけると、
「昔『新入りが生意気なこと言ってきたら絞めろ』って」
んー、っと小首をかしげながら、
「そーお姉が『そう本に書いてあった!』って言ってたから? せんてひっしょー!」
などと得意げに答えてきた。んー……あー……そーかー。
ま ・ た ・ あ ・ の ・ 本 ・ の ・ 仕 ・ 業 ・ か ー 。
シャワーを浴びるとリオはさっさと服を着てしまう。
そして真っ先に眼帯をしてしまった。別に隠す事もないだろうに。
そして生意気にもナイ乳にファーストブラなどしていた。
……別に隠す程もないだろうに。
(ちなみにおれは着る服など最初からない!)
しかし眼帯か。
事故の……あの事件の後、義眼に変えるまで俺も昔はしていたな。
……そう、あの腹黒執事がいた頃に。ああっ嫌な事を思い出した。
そしてふたり揃ってリア嬢の元へ戻ってきた。
こちらも清掃がすんだようだ。
「あらあら、もうすっかり二人共仲良しさんね!」
「ああ、リオの奴とはもうすっかり打ち解けたよ」
「リオ? ……そう、そのようね。じゃあ私のこともリアでいいわ!」
あれ? なんだろう? 少しなにか感じが?
「そうか? じゃあリア、そういえば今管理者がいない状態みたいだが、それで大丈夫なのか?」
「少し位なら平気よ、ココは謂わば巨大な紅蓮で、紅蓮の母体のコックピットなの」
ジオフロントの主……円盤ロボの女王か!
「本来はパイロットがいなくてもある程度自動でやってくれるのだけれども、環境維持のためそのお手伝いをしているのよ」
いわば家賃みたいなものよ、っと彼女は笑った。
「今日はこのまま帰るわ。皆そろっての歓迎会よ!」
* * *
あれからだが、俺の部屋にリア嬢が何くれとなく(意味ありげに見つめたりして)様子を伺いにやって来てくれている。
なぜだかリオの奴が……隠れたつもりだろうが、なぜか息を乱し赤い顔でモジモジしながら熱い視線で
俺の部屋を覗いてきやがる。
そして何と、リティちゃんが(俺の姉達の呼び名を聞いて直々にそう呼ぶ事を許可をくれた)扉の影でぬいぐるみを抱えながら(おもちゃの鋸も片手に)俺の事を興味深げに観察してくれている。
そして数日後。
「ここ……私たちの部屋から少し遠いわね」
と言ったリアによって新しい部屋を充てがわれたのだ。
* * *
そして俺が新しい新居に引越しを終え横になって休んでいると、呼び鈴が鳴った。
ちなみに布団はちゃんと被れた。まあ装備品じゃないからだろうが。
「入るわよ」
返事をする前に彼女達が入ってきたようだ。
まあここの主なんだしすきにして構わないが。(ここを造って良かった!)
「あら? どこかしら? たしかに居るはずなんだけど?」
さて、見つけられるかな?
* * *
「なんだそこにいたの」
簡単に見つかってしまった。まあ別に隠れていたわけじゃないんだがな。
ってそこそこ、そこの二人俺はゴミ箱の中にも植木の下にもいないからな!
なんだ、もう寝間着でいる。……まあ小さい子もいるもんな。
「部屋の中に見かけないと思ったらこんな所に寝床をつくっていたの」
「なかなかいいだろ? 素敵な隠れ家だ」
「貴方のところではそういう風習でもあるの?」
むむむっロマンが解らぬか?
「いや、居候の格調美だな」
と、だけ言っておこう。
「へーなかなか面白そうなところね!」
「シュピッ、秘密基地発見!」
「猫さんの巣穴みたいです!」
そう言って皆俺の寝床に潜り込んでくる。
流石に狭いです。
右手にリア、左手にリオ、そして俺の上にリティちゃん。
あっダメぇリティちゃん、そんな所にお手々を置いちゃ当たっちゃう。
って、折れちゃう!
「そうね、単に遊びにきただけだけのつもりだったけど、
今晩は皆でここで寝ましょうか」
「「わーい!!」」
『寝込みを襲われても困るし』とか思っていたら寝込む以前に襲われたよ!
……抵抗は無意味だろう
……別に期待に股間を
……いやさ、胸を膨らませてなどいないからな。(さっき折れるとか言ったがアレは嘘だ! ホントだよ?)
それにこいつ等に『若い娘さんがハシタナイ』などと言ってもあまり意味等解らないだろうな。
ちびっ子どもは言わずものがな。
碌に人と、男と触れ合った事もないし何より子供だ。
リアの奴も小柄だが大人びて見えたが、話を聞くと実はリアル中二だったし。
ならば仕方ないな。あー仕方ない……あーテンション上がるー!
「……ホントに今晩だけなんだろうな?」
「それはこれからの関係によるわね!」
いい笑顔である。
思わず惚れちゃいそう。
電灯を消す。そして各自ガサゴソと寝床の位置決めを微調整して行く
やがて落ち着くと狭い寝床で皆一緒に、
「「「「おやすみなさい」」」」
まあ今夜は俺は徹夜だな……なにせ寝れる訳が無い。
……うっ女臭い。
しかし、なんだな。メイドの居ない生活などできない、執事はいらないが……っと今までは思っていたが。
……妹ってやっぱりいいものだな!
妹万歳!
妹がいるだけで人生薔薇色!
妹サイコー!
……そう薔薇色で最高だったのだろう
……なあ小梅……。
そんなことを思ってしまった。
- 会った事もない
……顔を見た事もない
……生まれるはずだった妹の事を -
しかしなんだ、
布団が被さってる事もあるがこんな状態だと体が火照るな。
……生殺しだ!
次回 7話 茸狩:サヨナラジュピター -起-承転結
さあ、キノコ狩りにでかけようか!
天使ちゃんはキノコ好き、今日もキノコ狩りでキノコをどんどんと摘んでいく。
そしてとうとうアレとコレの形がよく似ていることに気づかれた!?
長年連れ添った友よ。 さよならの時がきたようだ! さよならじゅぴたー
4.5.6話 居候:被せる火照る 終
ニートはチートなどいらんかったんや! この勝ち組め!